安保関連法案:衆院委の参考人質疑 名護市長ら反対表明

毎日新聞 2015年07月06日 13時08分

 安全保障関連法案を審議する衆院平和安全法制特別委員会は6日午後、那覇市で現地の有識者に意見を聞く参考人質疑を開いた。米軍普天間飛行場(宜野湾市)の移設先とされる名護市の稲嶺進市長は「自衛隊と米軍が一体で行動すれば、軍事基地がある沖縄が真っ先に狙われる。70年前の二の舞いになるのは明らかだ」と反対の立場を表明した。

 稲嶺氏は、辺野古移設の断念を求めるとともに、関連法案は「憲法9条に反している」と語った。一方、南城市の古謝景春(こじゃ・けいしゅん)市長は集団的自衛権の行使容認について「自国防衛のためならば賛成できる」と述べる一方、政府に対し丁寧な説明や外交努力を尽くすよう求めた。

 参考人質疑には稲嶺、古謝両氏のほか、尖閣諸島を抱える石垣市の中山義隆市長、大田昌秀元県知事、高嶺朝一(ともかず)前琉球新報社長の計5人が出席。大田氏は第二次世界大戦での沖縄戦に触れ「(沖縄は)本土防衛のために『捨て石』にされた。沖縄県民の犠牲を理解してほしい」と指摘した。

 また、高嶺氏は自民党の勉強会で報道機関への圧力や「沖縄の新聞2紙をつぶさないといけない」との発言が出た問題について「民主主義の基盤である報道の自由を奪うもので、国防のためなら憲法上の権利はどうでもいいということではないか」と批判した。

 特別委は同日午後、さいたま市でも参考人質疑を行う。【青木純、飼手勇介】

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