衆院憲法審査会:保岡会長「安保法制に影響、遺憾」
毎日新聞 2015年07月06日 20時08分
衆院憲法審査会の保岡興治会長(自民)は6日、東京都内で講演し、安全保障関連法案への影響を避けるため衆参両院の憲法審査会が中断している状況について「一日も早く元に戻さないといけない」と述べた。そのうえで「安保法制に大きな影響を与えてしまったことは非常に遺憾に思っている」と語った。
衆院憲法審査会では6月4日の参考人質疑で、自民党推薦を含め出席した3人の憲法学者全員が安保関連法案を「違憲」と表明。関連法案の審議に影響を与えたことから、既に決まっていた同15日の地方公聴会を最後に「自粛」を強いられ、再開の見通しは立っていない。
保岡氏はまた、憲法改正の項目について「緊急事態条項は必ず立てなければならない」と主張。緊急事態に関する憲法条文が必要な理由として、衆院選の選挙期間中に南海トラフ巨大地震が発生した場合を例に挙げた。投票所の損壊などで「小選挙区で13〜19人、比例ブロックで94〜116人の当選者が確定できない」との政府試算を紹介し、「国民の参政権を得られない状況を放置してよいのか」と改憲の必要性を強調した。
自民党の憲法改正草案は、首相が緊急事態を宣言すれば、衆参両院の任期や選挙期日の特例を設けることができるとしている。【田中裕之】