安保法案:維新、衆院採決退席へ 与党強行すれば

毎日新聞 2015年07月06日 21時23分(最終更新 07月06日 21時33分)

 維新の党は6日、安全保障関連法案を与党が衆院で今月中旬に採決すれば、退席する方針を固めた。最高顧問の橋下徹大阪市長が「維新対案の審議を十分尽くさず、採決するなら堂々と採決拒否すべきだ」とのメールを送ったのを受け、採決に応じるべきだとしていた大阪系議員も拒否に転じた。与党が強行採決に踏み切れば維新の結束は保たれることになるが、党内の路線対立は深刻で執行部は党内融和を図り始めた。

 橋下氏は4日に「大阪維新の会」の会合で、将来の新党設立も視野に近畿2府4県の議員らで「関西維新の会」の設立を目指す考えを示した。松井一郎大阪府知事も6日、「地方分権の理念が忘れ去られるなら我々は一緒にできない。民主と再編するなら僕らはそこに参加できない」と記者団に述べ、松野頼久代表らの野党再編路線をけん制した。

 維新幹部は「ブラフ(脅し)だろうが、ひどすぎる」と述べるなどショックを隠せない。柿沢未途幹事長も6日の記者会見で「新党結成を口にするのは、はい、そうですかと聞き流せない」と不快感を示した。ただ、橋下氏に真意を確認したことを明かした上で、「橋下氏は大阪の皆さんがいろいろ党の現状に不満があると言っていた。しっかりコミュニケーションを取らないといけない」と融和を図る考えを示した。

 執行部は橋下氏が党の安全保障関連法案の対案や今秋の代表選の方針を批判した際、橋下氏の提案を受け入れていた。それだけに、新党発言には「引退表明したのに党方針に介入するのはおかしい」(中堅議員)との反発も出ている。【福岡静哉、松本晃】

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