戦後70年談話:未来志向を強調…月内に報告書

毎日新聞 2015年07月07日 21時58分(最終更新 07月07日 23時42分)

21世紀構想懇談会の主な議論
21世紀構想懇談会の主な議論

 政府は7日、戦後70年の安倍晋三首相談話を検討する首相の私的諮問機関「21世紀構想懇談会」(座長・西室泰三日本郵政社長)の最終会合(6月25日)の議事要旨を公表した。懇談会は月内に首相に報告書を提出し、首相は8月初旬にも談話を発表する。過去6回の会合では、戦後50年の村山談話に盛り込まれた「おわび」などの表現の踏襲に慎重な首相の意向を踏まえた議論が行われており、報告書も「未来志向」を強調した内容になりそうだ。

 最終会合では「戦後70周年でわが国がとるべき具体的施策」などを議論。近隣諸国との和解に向けた青少年交流や、近現代の歴史教育充実を求める意見が出た。また、過去に中国、韓国と個別に行った歴史共同研究が不調だったとの認識から、欧米や東南アジアも交えた多国間の共同研究が必要との指摘もあった。

 70年談話では、村山・小泉談話で用いられた「植民地支配」「侵略」「おわび」の扱いが注目される。

 3月13日の会合では委員から「今振り返っても侵略だし、当時の価値観からも侵略だ」との意見が相次いだが、「現在の価値観で断定するのが良いことなのか」との異論もあった。中韓両国との関係を議論した5月22日の会合でも、日本の一層の努力を求める意見と中韓側の歩み寄りを求める見解があり、明確な方向性は打ち出していない。【当山幸都、前田洋平】

最新写真特集