山村哲史、西村宏治
2015年7月8日11時18分
投資ファンドの支援を受けて経営再建を進める陶磁器販売の老舗、たち吉(京都市)の渡辺信夫社長は、朝日新聞のインタビューに応じ、4~6月期としては10年ぶりの営業黒字を確保したことを明らかにした。通期でも黒字を確保する見通しだという。
今年4~6月期の売上高は、外商を中心に前年同期と比べ7%増えた。財務が安定して大口の取引がとれるようになり、飲料メーカーのキャンペーンなどに商品が使われたことが貢献した。2016年3月期の売上高も4月に掲げた36億円の計画を約42億円に上方修正し、営業黒字を確保する。5年後には売上高50億円超をめざす。
4月に就任した渡辺社長は「開発する力、良いものを見極める目はさすが」と老舗の商品力を評価する。そうした強みを生かして、陶磁器と生活雑貨を組み合わせた売り場を地方の百貨店に提案するなど、新たな取り組みも検討している。一方で、百貨店への出店は今の約140店から絞り込んでいく方針だ。
京都の老舗としてのブランドを強化するため、来年度にも京都に直営店を出すことや、地元の京焼の取り扱いを増やすことも検討している。成長の柱に位置づける海外事業では、すでに1店ある台湾で新たに2店舗を出す計画だ。(山村哲史、西村宏治)
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