川内原発:再稼働へ最終段階…1号機に核燃料装着開始

毎日新聞 2015年07月07日 20時15分(最終更新 07月07日 22時34分)

川内原発核燃料装着後の流れ
川内原発核燃料装着後の流れ

 九州電力は7日、川内(せんだい)原発1号機(鹿児島県薩摩川内市、出力89万キロワット)の原子炉に核燃料を装着する作業を始めた。九電は8月中旬の再稼働を目指しており、東京電力福島第1原発事故を教訓にした新規制基準に基づく全国初となる再稼働に向けた手続きが最終段階を迎えた。九電の想定通り進めば、関西電力大飯(おおい)原発3、4号機(福井県おおい町)が停止した2013年9月以来、約2年ぶりに「原発ゼロ」状態が終わることになる。

 九電は川内原発2号機について9月上旬に原子炉に核燃料を入れ、10月中旬の再稼働を目指す。ただ、今後の原子力規制委員会の検査次第で1、2号機ともに日程が遅れる可能性がある。

 九電は同日午後1時39分、川内原発1号機原子炉建屋の隣にある建屋内の使用済み核燃料プールから1体目の燃料集合体をクレーンでつり上げ、燃料装着の作業を開始。午後2時3分に最初の燃料集合体を原子炉に入れた。装着は燃料集合体1体につき通常約20分かかる。同日午後8時現在、計13体を装着した。作業は24時間態勢で、10日までに全157体の核燃料装着作業を終える予定だ。川内原発1号機へ燃料が入るのは約2年5カ月ぶり。

 九電はその後、原子炉内の検査や事故を想定した訓練を実施。8月中旬に制御棒を引き抜いて原子炉を起動して再稼働し、3日程度後に発電・送電も始める。規制委は再稼働後も冷却設備や配管などに問題がないかを確認し、九電は9月中旬に営業運転を始める予定。

 九電は7日、「再稼働に向けた重要な工程の一つと認識しており、安全確保を最優先に慎重かつ丁寧な作業に努める」とコメントを出した。【遠山和宏、浅川大樹】

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