「川内」核燃料装着:「住民説明なし」批判

毎日新聞 2015年07月07日 21時34分(最終更新 07月07日 22時58分)

九州電力東京支社が入るビルに向かってライト付きのボードを掲げ抗議する人たち=東京都千代田区で2015年7月7日午後7時4分、小川昌宏撮影
九州電力東京支社が入るビルに向かってライト付きのボードを掲げ抗議する人たち=東京都千代田区で2015年7月7日午後7時4分、小川昌宏撮影

 九州電力川内(せんだい)原発(鹿児島県薩摩川内市)の1号機に、核燃料を装着する作業が7日始まった。福島の原発事故から約4年4カ月。事故後につくられた新規制基準に基づく初めての原発再稼働が目前に迫り、各地で賛否の声が交錯した。【杣谷健太、宝満志郎】

 ◇経済団体、地元活性化に

 川内原発の正門前には7日朝、市民ら約100人が集まり、「核燃料装荷は事故への一歩!」と書いた横断幕などを掲げ「再稼働を許さないぞ」「九州電力は原発を放棄しろ」と声を張り上げた。

 薩摩川内市・山之口自治会長の川畑清明さん(59)は、九電による住民説明会が開かれないまま燃料の装着(九電は「装荷」と表現)作業が始まったことに「住民が説明を求めているのに無視するのは本当に許せない」と批判。鹿児島大非常勤講師の杉原洋さん(67)も「作業を中断し、再稼働を断念すべきだ」と訴えた。

 原発から約45キロの熊本県水俣市からも市民7人が参加。1970年代に旧川内市に住み、川内原発の建設反対運動にもかかわった「原発避難計画を考える水俣の会」代表の永野隆文さん(60)は「(新規制基準に基づく初の再稼働で)新しい原子力時代の幕開けを許してはいけない」と力を込めた。

 一方、市内の経済団体などでつくる薩摩川内市原子力推進期成会長の山元浩義・川内商工会議所会頭は「地元経済は依然として厳しい状況が続いているが、燃料装荷により、再稼働が目前になったことで、地元経済も活性化し、経営の安定化につながるものと期待する」と歓迎するコメントを出した。

 また、岩切秀雄市長は「約4年間停止していたということもあり、発電再開に向け、入念な点検・確認と慎重な対応をお願いする」、伊藤祐一郎知事は「今後も使用前検査は継続されることから、九州電力においては、引き続き安全確保を最優先に適切な対応をお願いしたい」とのコメントをそれぞれ発表した。

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