千の証言・投稿:<戦後>生き抜く知恵を教えてくれた祖母と母=大阪府貝塚市・南容子さん(75)

2015年07月06日

 終戦後、白い布に包まれた箱の姿で父が帰ってきました。仏壇に置かれたその箱の前で、祖母と母のすすり泣く声がいつまでも続きました。当時の私(5歳)には、なぜ泣いているかわからず、2人の泣く姿を見ながら訳もなく悲しく不安になったことが、今でも鮮明によみがえってきます。女4人家族(祖母、母、私、妹)の苦労のはじまりでした。

 祖母と母が日常茶飯事の中で、人生を生き抜くための知恵として教えてくれた数々の言葉を忘れることができません。そのうちの二つが「貧乏しても人としての品位を失ったらあかん」「人の振(ふ)り見て我が振り直せ」です。

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