洗濯機:「カビ」じゃない! カビ臭さの犯人は「細菌」

毎日新聞 2015年07月04日 11時10分(最終更新 07月04日 11時15分)

洗濯機の「カビ臭さ」のもとは…
洗濯機の「カビ臭さ」のもとは…

 ◇ライオン「洗濯槽の湿度を下げることが大切」

 洗濯機がカビ臭いと感じるのは、カビではなく洗濯槽の裏で繁殖する細菌のせい−−。こんな研究結果をライオン(東京都)がまとめた。臭いの元になる細菌はカビよりも繁殖のスピードが速く、日ごろから洗濯槽の湿度を下げることが大切という。

 同社は家庭で2〜15年使った洗濯機14台を用意し、洗濯槽に臭いを吸着する機器を一晩置き、その成分を分析した。その結果、全ての洗濯機から生ごみの臭いの原因物質でもある硫黄化合物を検出した。一方、うち2台の洗濯機にはカビが付いていなかった。

 硫黄化合物は洗濯槽の裏に付いた黄色いぬめぬめした汚れから出ていることが分かり、汚れを分析するとマイコバクテリウム属の細菌が含まれていた。この細菌は土壌や河川などに多く存在し、湿度が高いと増殖のスピードはカビの3〜4倍になる。病原性は低いが、洗濯した衣服に臭いがうつることがあるという。

 同社の大石真嘉(まさよし)研究員は「市販の洗濯槽クリーナーだけでなく、洗濯を終えたらすぐ衣服を取り出し、小さな子供やペットのいない家庭ではふたを開けるなどして湿度の上昇を抑えるといい」と話す。【伊藤奈々恵】

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