米沢信義
2015年7月8日11時50分
ペルー・ナスカの地上絵を研究している山形大学は7日、現地の家畜リャマなどの動物をかたどった地上絵24点を新たに発見したと発表した。すぐ近くまで市街地が迫っており、同大ナスカ研究所は「放置すれば破壊される」と保護を訴えている。
調査したのは、同研究所副所長の坂井正人教授ら約10人のチーム。ナスカ市街地北部の斜面を調べ、13年度にはリャマの絵17点を発見していた。
今回は13年度の調査地点の近くから5点、付近の山の斜面から19点が見つかった。紀元前400~同200年ごろのものとみられ、全長は5~20メートル。有名なハチドリの地上絵よりも古い時代だという。
いずれも風化が進み、肉眼で正確な形を判別するのは難しいが、凹凸を感知する3Dスキャナーなどを使って絵の図版を作製した。図柄はほとんどがリャマと推定される。
坂井教授は「これだけ集中している地区はほかにない。市街地や畑が近くに迫り、地上絵と認識されないまま破壊される恐れがある」と話す。山形大は、特別協定を結んでいるペルー文化省やナスカ市に情報提供し、保護を働きかけていくという。(米沢信義)
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