覚せい剤逮捕の自民党道連青年局長に逮捕前の奇行 市民に中指を立て「あんた沈むぞ、沈むぞ……」
札幌中央署は6月30日、覚せい剤取締法違反(使用)の疑いで、石狩市議で葬儀会社社長の大平修二容疑者を緊急逮捕。道警関係者によると、以前から大平容疑者の覚せい剤の使用情報が届いており、任意同行で尿検査したところ、薬物の陽性反応が出たという。その後の家宅捜査では覚せい剤や注射器が入っていたとみられるビニール袋が見つかり、取り調べに大平容疑者も「間違いありません」とこれを認めた。容疑者の両腕には複数の注射痕があり、少なくとも6月中旬ごろから下旬までは使用していたと見られる。
大平容疑者は46歳の自民党・道連青年局長。今年5月の市議選で3選を果たしたばかりで、日本商工会議所の青年部連合会副会長なども務めていた。自民党道連の関係者からは「ちょっと信じられない。真面目に見えたし、薬物をやっているようには見えなかった」という声も聞かれたが、実は6月上旬に大平容疑者の“奇行”が目撃されていた。
6月7日、自民党は全国100カ所で一斉に改憲を呼びかける街宣を行なった。本来、各都道府県支部の青年部・青年局が毎年「拉致問題の解決」というテーマで行ってきたものだが、今年はここに「平和安全法制」を入れており、主題は後者にあると見た反対派の市民が現場で蜂起、カウンター活動も見られた。
そのひとつ、北海道の街宣でマイクを握ったのが、青年局長の大平容疑者だった。反対派の自営業・久保晴美さん(29)は現地に出向き、大平容疑者に意見を叫んだが、容疑者からは「おまえ威力業務妨害だぞ」と怒鳴られたのだという。
「演説の内容は、問題に関係ない、(6月1日に亡くなった)町村(信孝・前衆院議長)さんへの追悼みたいなものが大半だったのですが、改憲の話題が出たときに近くで反論したら、威力業務妨害だと言われました。私は国民が議員の街宣に意見することは適法な表現行為だと思うので、そのことを言ったんですが、市議はマイクを通さず“あんた沈むぞ、沈むぞ”と意味不明なことを言って、中指を立てたんです。当時はふざけてるように見えましたが……」(久保さん)
この意味不明な言動が覚せい剤の使用によるものかはわからないが、市民からは「大平市議は感情の起伏が激しく、普段は温厚なのに突然キレることがある」という話も聞かれる。また、日ごろから平均睡眠時間が4時間程度と短く「3日間、寝なくても平気」と話していたという。
自民党道連は、逮捕が分かった1日、緊急役員会で大平容疑者を除名処分とすることを決めたが、関係者からは暴力団との接点もささやかれている。「映画『仁義なき戦い』の大ファンで、愛車はベンツ、趣味はゴルフというヤクザっぽいキャラ」だという大平容疑者。薬物の入手先として暴力団との関係が浮上すれば、青年局長に就かせた自民党道連の責任問題も持ち上がりそうだ。
(文=ジャーナリスト・片岡亮)