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シリアでISに加わった仏女性、激動の3か月間を語る

AFP=時事 7月7日(火)16時40分配信

【AFP=時事】彼女は、「アラーの法律が支配する土地」へ移り住みたかった。だが気付けば、女性が性の対象物として扱われる専横な暴力の世界に捕らわれていた。

【写真6枚】取材を受けるナディアさん

 フランス人女性のナディアさん(21歳・仮名)は、今年の春にイスラム過激派組織「イスラム国(Islamic State、IS)」のメンバーにネットのチャットルームで勧誘され、ISが「首都」と呼ぶシリア北部ラッカ(Raqa)へ渡った。

 だが彼女はすぐに幻滅した。過激化したIS戦闘員らが「コーランよりもカラシニコフ銃について夢想していた」からだ。

 ラッカでISと過ごした激動の3か月の間に、彼女はISのメンバーと結婚・離別し、2回投獄された。それから何とか国境を越えてトルコに渡った末、警察に拘束された。

 AFPの特派員は先月、トルコの都市ガジアンテプ(Gaziantep)で本国送還を待つナディアさんへの独占インタビューという、前例のない機会を得た。

 インタビューは、ナディアさん側も希望したものだった。他の女性たちに、自分のようにISに参加しないように呼び掛けたかったという。

「私は、『欧米は自分たちの敵だ。ダーイシュ(Daesh、ISのアラビア語名の略称)はカリフ制国家だ』と言っている若い女性たちの目を覚まさせるために話します」「ダーイシュはカリフ制国家ではない。セクト(危険な宗教集団)です」

 ナディアさんは先月23日にフランスへ送還され、入国と同時に逮捕された。安全上の理由から本名は公表することができない。

■IS「首都」ラッカへの道のり

 学生だったナディアさんは、自分の寝室に閉じこもり、パソコンのスクリーンを毎日見つめ続けているうちに、徐々に両親と距離を置き始め、大学も中退した。

 ISの勧誘担当者らとは、何日にもわたってやりとりをした。フランスはイスラム教を敵視する国であり、ナディアさんはこのままだと地獄に落ちる、と言われて怖くなり、最終的に「アラーの法が支配する場所にいく」ことを決意したという。

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最終更新:7月7日(火)18時21分

AFP=時事

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