大阪カジノ:リゾート誘致 互いに注文 官民で内輪もめ

毎日新聞 2015年07月08日 08時40分

 ◇官「経済界まとまって」 民「将来ビジョンない」

 橋下徹大阪市長や松井一郎大阪府知事、関西経済連合会の森詳介会長(関西電力会長)らが7日、府市や経済界でつくる大阪観光局の事業運営をめぐり、大阪市内で「トップ会議」を開いた。関西経済活性化の起爆剤として、人工島「夢洲(ゆめしま)」(同市)に誘致を目指すカジノを含む統合型リゾート(IR)などについて議論する中で、行政と経済界が互いに注文を付け合う場面があった。

 会議では、村尾和俊関西経済同友会代表幹事(NTT西日本社長)が、大阪市の予算でIR誘致に向けた調査費が減額されたことに触れ、「大阪ではIR熱が冷めているのではないか。このままでは(誘致のライバル候補地である)横浜に置いていかれる」と危機感を募らせた。橋下市長は「横浜は官民挙げて強力に推進している。(関西の)経済界は方向性がしっかり合っていない。経済界と府市が完全に歩調を合わせていかないと国に発信できない」と注文を付けた。

 一方、大阪商工会議所の佐藤茂雄会頭(京阪電気鉄道最高顧問)は「大阪をどういう街にするのかの将来ビジョンがない。ビジョンを出した上で議論しなければならない」と指摘。松井知事は「ビジョンはあるがそれを動かすだけの世論とお金がない。経済団体がまとまって働きかけてもらうと話は進む」と反論した。【宮崎泰宏】

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