佐々木俊尚「ブレイクスルーな人たち」
2015年07月08日(水) 佐々木 俊尚

ピンタレストジャパン定国直樹社長に聞く(第3回)
グローバルなサービスを日本に浸透させるためにしたこととは?

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定国直樹さんと佐々木俊尚さん
メディアの未来についてジャーナリスト佐々木俊尚さんが切り込んでいく本連載、今回のゲストはピンタレストジャパン代表の定国直樹さんです。「画像共有SNS」と誤解されていることの多いサービスですが、 SNSとはまったく違うポジションをとっている「Pinterest」。第3回は、ローカライズするために定国さんがやったこと、Pinterestのピンが埋め込まれたDeNAグループのキュレーションプラットフォームについて、聞きしました。(文・田中裕子/写真・瀬野芙美香)

⇒第1回はこちらからご覧ください。
⇒第2回はこちらからご覧ください。

さっきまで知らなかった「ギリシャのサンドイッチ」を食べる

佐々木 Googleは検索エンジンの限界を重々承知していて、そのうえでユーザーの行動履歴から「直接的な言葉では探していない情報」を提供しています。しかし、こうしたコンテキスト(文脈)サーチは、経験していないことや考えたこともないことへのセレンディピティは一切ないんですよね。

定国 まさに、そこがポイントなんです。では、私たちはなぜそれができるか? インタレストグラフだからです。「この人のセンスは合う」と僕自身が判断していてつなぐということは、人の手が入っているということでしょう。こうして7,000万人がひとりひとりグラフをつくっていくことで、思いもしなかった出会いがある。私たちは、世界最大のインタレストグラフをつくりたいんです。

佐々木 普通、「今日は何を食べようかな」と考えても、今まで食べたものしか思いつかないし、検索できないじゃないですか。ところが、Pinterestでは世界各国の料理画像が流れてくるから、日本人が想像もつかないようなレシピが出てくるんですよね。この前はギリシャのサンドイッチを見つけたので、つくってみました(笑)。

定国 えー、すごい! それは、かなり先鋭的な使い方ですよ。

佐々木 いやいや。Pinterestを活用するうえで、おすすめの使い方の提案はありますか? 

定国 こうすべし、というものはないんですよ。でも、自分が「これからしたいこと」をまとめるために使うのであれば、それは良い使い方じゃないでしょうか。

佐々木 まずは、やりたいことを決める。そのテーマを掲げたボードを作ればいいんですかね。

定国 私が最近つくったのは「自転車」というボードです。自転車通勤を始めようかなと考えたとき、何を集めないといけないかまとめようと思って。仕事にもふさわしいけれど自転車にも乗りやすい服装とか、自転車グッズとか、いろいろ必要じゃないですか。それで、ウェブサイトで見て「これいいな」と思ったらピンしていくわけですが、ピンするとPinterestがどんどん自分のセンスに合うものを紹介してくれるんです。だから、自分では思いつかなかったようなアイテムも見つけることができる。楽しいですよ。

佐々木 まさにセレンディピティそのものですね。

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