追い込み漁イルカ購入禁止 静岡県内水族館、冷静な受け止め
日本動物園水族館協会が3日、追い込み漁で捕獲したイルカを購入した施設に対し除名を含めた処分をする方針を明らかにしたが、県内はじめ各地の水族館からは冷静な受け止めが目立つ一方で、将来もイルカの展示を維持できるかへの懸念を示す声も上がった。
和歌山県太地町から購入した6頭を展示している下田海中水族館(下田市)の担当者は「JAZAがWAZAに残留することが決まった時点で、(除名方針は)分かっていたこと。今さらどうこうということはない」と冷静に受け止めた。その上で「今後は保護された個体などしか外部から購入できなくなる。水族館としては、今取り組んでいる繁殖活動に全力を挙げるしかない」と淡々と話した。
あわしまマリンパーク(沼津市)の担当者は「これまでの慣行と大きく異なる。各施設は戸惑うのではないか」と懸念する。近く開かれるJAZAの「鯨類会議」での説明を聞き、施設としての対応を決めるという。いおワールドかごしま水族館(鹿児島)の荻野洸太郎館長は、協会の方針を支持し「今後は繁殖に切り替えるための情報が必要。国内の水族館がどれだけ協力できるかも重要だ」と述べた。