斎藤徹、松本龍三郎
2015年7月8日05時41分
岩手県矢巾(やはば)町で5日、中学2年の男子生徒(13)が電車にはねられて死亡する事故があり、生徒が担任に提出したノートに「なぐられたり首しめられたり悪口言われた」と記していたことがわかった。学校は7日、全校生徒にいじめの有無を尋ねるアンケートをするなど調査を始めた。
県警によると、生徒は5日午後7時半ごろ、矢巾町のJR東北線矢幅駅で電車にはねられ、まもなく死亡が確認された。県警は生徒が自殺を図ったとみて動機などを調べている。
生徒の父親(40)や学校によると、生徒は担任とやりとりする「生活記録ノート」に4月以降、「体操着や教科書がなくなった」と書くようになった。6月以降は特定の生徒名を出し、「なぐられたり首しめられたり悪口言われた」「もうつかれました。もう死にたいと思います」と記した。
6月28日には「氏(死)んでいいですか?(たぶんさいきんおきるかな)」、翌29日には「もう市(死)ぬ場所はきまってるんですけどね」と書いていた。
父親は、生徒が2年生になって「学校に行くのがだるい」「嫌なやつがいる。しつこい」と言うようになり、5日続けて学校を休むなど異変が目立ったと証言。「息子はSOSを出していたのに、学校は問題視せず対応しなかった。助けられた命を助けられなかったのが悔しい」と話した。
同じクラスの生徒は「休み時間に言い合ったり小突かれたりして、からかわれていたのを見たことがある」と話した。
学校は、担任が生徒間のトラブルを認識していたが、「双方から話を聞き、問題が大きくなることはないと判断した」と説明。校長は「このようなことが起きて痛恨の極みだが、現段階でいじめと断定できない」と話す。学校は7日夜、保護者説明会を開いた。町教育委員会は、学校の調査結果を受けて対応を検討するとしている。(斎藤徹、松本龍三郎)
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