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イルカ問題で新組織検討へ 和歌山・太地町7月8日 4時01分
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水族館で飼育するイルカを巡り、日本動物園水族館協会が、和歌山県太地町で行われている追い込み漁による入手を禁止したことに対し、太地町の三軒一高町長は、追い込み漁での入手を希望する水族館とともに、新たな組織を立ち上げたいという考えを明らかにしました。
この問題では、国際組織からの批判を受けて日本の協会が方針を変えた経緯があり、再び国際的な議論を呼びそうです。
国内のおよそ150の動物園や水族館が加盟する「日本動物園水族館協会」は、和歌山県太地町で行われている「追い込み漁」によってイルカを入手していることが、倫理規定に違反するとして、WAZA=「世界動物園水族館協会」から除名処分にすると通告され、追い込み漁からの入手を禁止するとともに、入手を続ける水族館を除名処分にする方針を決めました。
これについて、太地町の三軒一高町長はNHKの取材に対し、「太地町のイルカ漁は合法的なもので今後も続けていく」として、追い込み漁での入手を希望する水族館とともに、3年から5年後をめどに新たな組織を立ち上げたいという考えを明らかにしました。
三軒町長は、全国の水族館の関係者が集まって、8日から神奈川県で開かれる会議で、こうした考えを伝えることにしていて、追い込み漁を巡り、再び国際的な議論を呼びそうです。
国内のおよそ150の動物園や水族館が加盟する「日本動物園水族館協会」は、和歌山県太地町で行われている「追い込み漁」によってイルカを入手していることが、倫理規定に違反するとして、WAZA=「世界動物園水族館協会」から除名処分にすると通告され、追い込み漁からの入手を禁止するとともに、入手を続ける水族館を除名処分にする方針を決めました。
これについて、太地町の三軒一高町長はNHKの取材に対し、「太地町のイルカ漁は合法的なもので今後も続けていく」として、追い込み漁での入手を希望する水族館とともに、3年から5年後をめどに新たな組織を立ち上げたいという考えを明らかにしました。
三軒町長は、全国の水族館の関係者が集まって、8日から神奈川県で開かれる会議で、こうした考えを伝えることにしていて、追い込み漁を巡り、再び国際的な議論を呼びそうです。
背景にはイルカ繁殖の難しさ
日本動物園水族館協会が追い込み漁によるイルカの入手の禁止を決めても、続けたいと検討している水族館がある背景には、国内では、イルカの繁殖に必要な設備や技術、経験が不足している現状があります。
日本動物園水族館協会に加盟する日本の34の水族館では、平成24年末の時点で、287頭のイルカが飼育されていますが、大半が和歌山県太地町で捕獲されたもので、繁殖は進んでいません。
イルカを水族館で人工的に繁殖させる場合、ショーに使用するプールとは別に繁殖のためのプールなど、専用の施設を準備する必要があります。
また、イルカが妊娠したあとも流産したりしないよう、子どもが生まれるまでのおよそ1年間にわたって、イルカの体調を詳しくチェックしなければなりません。
さらに、生まれた子どもの生存率は低く、データがある平成24年の場合、全国で生まれた31頭のうち、その年の年末の時点で生存していたのは、およそ3分の1の11頭にとどまっています。
関係者によりますと、授乳がうまくいかないことなどが原因として挙げられるということで、繁殖の技術や経験があるかどうかで水族館ごとの生存率に大きな差があるということです。
また、繁殖の技術が進んでいるアメリカからイルカを入手する方法も考えられますが、この場合、購入や輸送に多くの費用がかかるということです。
日本動物園水族館協会は、追い込み漁を禁止する代わりに、各地の水族館で連携して国内での繁殖を強化する方針ですが、加盟している水族館のなかには繁殖がうまくいかない可能性があるとして、引き続き追い込み漁による入手を続けたいと検討しているところがあります。
日本動物園水族館協会に加盟する日本の34の水族館では、平成24年末の時点で、287頭のイルカが飼育されていますが、大半が和歌山県太地町で捕獲されたもので、繁殖は進んでいません。
イルカを水族館で人工的に繁殖させる場合、ショーに使用するプールとは別に繁殖のためのプールなど、専用の施設を準備する必要があります。
また、イルカが妊娠したあとも流産したりしないよう、子どもが生まれるまでのおよそ1年間にわたって、イルカの体調を詳しくチェックしなければなりません。
さらに、生まれた子どもの生存率は低く、データがある平成24年の場合、全国で生まれた31頭のうち、その年の年末の時点で生存していたのは、およそ3分の1の11頭にとどまっています。
関係者によりますと、授乳がうまくいかないことなどが原因として挙げられるということで、繁殖の技術や経験があるかどうかで水族館ごとの生存率に大きな差があるということです。
また、繁殖の技術が進んでいるアメリカからイルカを入手する方法も考えられますが、この場合、購入や輸送に多くの費用がかかるということです。
日本動物園水族館協会は、追い込み漁を禁止する代わりに、各地の水族館で連携して国内での繁殖を強化する方針ですが、加盟している水族館のなかには繁殖がうまくいかない可能性があるとして、引き続き追い込み漁による入手を続けたいと検討しているところがあります。