ウォールストリート・ジャーナルによるとユーロ圏のリーダーたちがギリシャに対し、当座の支援をすることを検討中らしいです。

それによるとこの緊急支援によりとりあえずデフォルトを避けるとともに、先週末、ギリシャの国民投票で否決されたトロイカ案の、すくなくとも一部に関して、なんとかギリシャ議会が譲歩しないか掛け合うというものです。

デフォルト → ギリシャのユーロ離脱が回避されるかもしれないというムードが広がると、NY株は「それ行け!」という早耳筋の買い物で、俄然、元気を取り戻しました。

ギリシャとドイツの仲をとりもっているのはフランスです。

なんだか進歩があったような気もするし、その一方で振り出しに戻ったに過ぎないというウンザリするキモチも禁じ得ません。

でもこれがEUのノリなんです。

うんと揉めたかと思うと、ちょいなちょいなとテクノクラート間で話がまとまって、ウヤムヤのうちになんか丸く収まる……

見よ! ヨーロッパのオトナたちのエスプリを。

あ、老婆心ながら付け加えておくと、ドイツ経済の屋台骨を支えているのは、勤勉で堅実な製造業に従事する人たちです。

たとえば自動車産業には幅広いすそ野産業が広がっており、それらの多くは職人芸にたよる中小企業です。

彼らの大半は政治的には中道で、ドイツ輸出産業の利害を真っ先に考えます。

このドイツ実業界こそがドイツ政治の礎(いしずえ)なのであり、決してメディアで大々的に取り上げられることが多いラジカル分子やレイシストや国粋主義者ではないのです。

メルケル首相は、この支持者たち(=彼らはもちろんEU賛成派です)の主張を、しっかり聞いていると思います。


PS:これは前から言っていることですが、ギリシャ問題が解決し、ヤレヤレのラリーが来たら、そこは売り場です。米国株も日本株も手仕舞って、海水浴にでも行ってください。