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スタンド1570億、屋根950億円/新国立競技場/JSC

【有識者会議が了承】

 2020年東京五輪のメーンスタジアムとなる新国立競技場の実施設計や工事費などがまとまった。日本スポーツ振興センター(JSC)は7日、国立競技場将来構想有識者会議(委員長・佐藤禎一国際医療福祉大大学院教授)を開き、10月着工に向けた施設内容や整備スケジュールなどが承認された。工事費2520億円の内訳は、スタンド工区が1570億円、屋根工区が950億円。今後、施工予定者の大成建設(スタンド工区)、竹中工務店(屋根工区)とそれぞれ分割して契約する。工期は44カ月で、19年5月の完成を目指す。19年開催のラグビーワールドカップ、20年五輪時と、五輪後のレガシー時の活用に向けた2段階で整備する。
 五輪に向けた計画見直しの内容は、1万5000席の伸縮型可動式席の簡素化、空調設備の一部見直し、ペデストリアンデッキの縮小など。建設資材や労務費の高騰、工期、消費税引き上げなどが要因となる。また、五輪後に、文化イベントを含む幅広い利用の観点から折りたたみ膜構造の「開閉式遮音装置(屋根)」を設置するほか、芝育成補助システムや、東西面ガラスカーテンウォールを設置する。「開閉式遮音装置(屋根)」は、風や積雪に対する抵抗力を高めるため、基本設計段階の一重折りたたみ膜から「二重折りたたみ空気膜」に変更した。
 整備スケジュールは、10月着工後、まず土工事に入り、16年2月からスタンド躯体工事に着手する。17年4月から並行して屋根躯体工事に着手し、18年秋からはフィールド工事を進め、19年5月に完成させる。
 新国立競技場は、S一部SRC・RC造地下2階地上6階建て延べ21万9430㎡の規模。発注者支援業務は山下設計・山下ピー・エム・コンサルタンツ・建設技術研究所JVが担い、ザハ・ハディド・アーキテクツがデザイン監修、日建設計・梓設計・日本設計・アラップジャパンJVが実施設計を担当。設計と並行して施工者の立場から、設計全般に対する技術検証・技術提案や施工計画の検討・提案、概算工事費の算出などを行う技術協力業務を、大成建設(スタンド工区)と竹中工務店(屋根工区)が担当している。建設地は東京都新宿区霞ヶ丘町10-1ほかの敷地約11.3ha。
 同日の会議では、五輪後の利用拡大の観点から開閉式遮音装置(屋根)設置と、サッカーワールドカップ招致を見据えた常設8万席の整備を強く求める意見が出され、五輪後に整備するとの方針が確認された。
 会議後の記者会見で、JSCの鬼澤桂弘理事は、今後の契約について「一部設計変更が必要なことから、まずは10月着工に向けて、(両施工予定者の)資材調達を中心とした契約を一両日中に行う」とし、分割契約する考えを明示した。また、河野一郎理事長は、将来のサッカーワールドカップ招致を念頭に、「20年後を待たずに8万席の常設化ついて検討していく」との考えを示した。
 このほか、施設運営については、PFI法の公共施設等運営権の活用を検討していく。
[ 2015-07-08  4面  面名:4面]

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