第39回講談社漫画賞の贈呈式が、本日7月7日に東京・帝国ホテルにて行われた。本年は少年部門で鈴木央「七つの大罪」と渡辺航「弱虫ペダル」、少女部門で海野つなみ「逃げるは恥だが役に立つ」、一般部門で弐瓶勉「シドニアの騎士」、特別賞をうえやまとち「クッキングパパ」がそれぞれ受賞している。
式では受賞作家が順番にスピーチを披露。トップバッターを務めた鈴木は「ファンタジー作品で受賞したということを感慨深く思っています」と語る。「ファンタジーでデビューして、連載するまでの読み切りはずっとファンタジーを描いていた。連載デビューするとき『君はキャラクターが描けないからファンタジーを封印してくれ』と言われていた」と告白し、「マガジンの編集者から『ファンタジーを描いてみては』と勧められたとき、『今だったら描ける』と運命的なものを感じました」と「七つの大罪」の誕生秘話を明かした。
総北高校のユニフォームを着た渡辺は「自転車競技の本場はヨーロッパ。その頂点に立つツール・ド・フランスという大きな大会があります。そしてマンガの本場は日本・東京。頂点にある賞は講談社漫画賞だと思っています。僕は今日、ツール・ド・フランスで総合優勝をしたような、幸せな気持ちです」と喜びをあらわにした。
少女部門で受賞した海野は、なかよし(講談社)でデビューしてから今年で26年。「そんなに売れることもなく、インターネットで検索すると『流浪の作家』って出てきたり……まさかこんなに大きい賞をもらえるとは」と話し、「講談社漫画賞が今年で第39回ということで、この言葉で締めます。39(サンキュー)!」と聴衆の笑いを誘った。
続いて「シドニアの騎士」のスキンスーツに身を包んだ弐瓶のスピーチへ。「ここまで作品をサポートしてくださった編集部の皆様、素晴らしいアニメを作ってくださったポリゴン・ピクチュアズの皆様、その他関係各所の皆様のお力添えがあったから受賞できた」と謝辞を述べた。
最後に特別賞を受賞したうえやまは「30年間も『クッキングパパ』を続けてこれました」とコメント。「モーニングっていう雑誌にありがとうって言いたい。30年前に賞をくださったちばてつや先生、ありがとうございました。読者の皆様の応援がなければ続けてこれませんでした。ありがとうございます」と2015年で30周年を迎える「クッキングパパ」に関わったすべてに感謝の意を表し、「もうちょっと描いていいみたいなので、頑張って描きます。これからもよろしくお願いします」と「クッキングパパ」の連載に意欲を見せた。