ありがとう

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ネット恋愛。

無料ブログで私と知り合う数ヶ月前に父親を事故で亡くした妻。

「少しでも彼女の力になってあげたい。」

私が妻を支えているつもりで居たけど、今思えば支えられていたのは私の方だった。

ありがとう

 

 

付き合って半年で同棲。

仕事を理由に毎日22時~23時に帰る私。毎日1人寂しく私の帰りを待っていたハズなのに文句の1つも言わず、いつも笑顔で迎えてくれた。

ありがとう

 

 

同棲から1年で結婚。

共働きなのに家の事は任せきり、土日になると副収入と理由をつけてパチンコに出掛ける。折角の休日に家で妻は1人きり「仕事でストレスも溜まってるやろうし」いつもそう言って送り出してくれる。その優しさに甘えて、新婚らしい事も一切してやれんかった。

私があるのは妻のお陰、2人が一緒に居られるのも妻のお陰。全部妻のお陰。

ありがとう

 

 

2年の不妊を経験。

「妊娠」という2文字が夫婦関係に重くのし掛かり、1ヶ月周期にギクシャクする関係、普段感情を表に出さない妻が泣き崩れた事もあった。

妊娠を諦める事で手にした幸せな時間。妊娠を意識せずに過ごした1ヶ月は本当の意味で夫婦2人仲良く過ごせた最初で最後の時間。

「もっと早くに妊娠を諦めたら良かった」心からそう思える程に楽しい時間を過ごせた。

ありがとう

 

 

結婚記念日1年目

サプライズで滋賀県に泊まりデート。結婚記念日に貰った【絵本】は予想の斜め上過ぎて反応に随分困ったけどサプライズされ慣れてなかっただけ。

「このまま2人で生活していくのも悪く無い」

ホテルから琵琶湖の景色を2人で眺めながら、本当にそう思いました。

ありがとう

 

 

妻の妊娠

結婚記念日以降来ない律儀なヤツ、遅れる度に期待と失望を繰り返してきたから妊娠検査を執拗に拒否。私の勢いに負けて最後には観念して検査。

陽性反応が出た時の嬉しそうな顔は一生忘れません。

「私にも妻をこんな笑顔にさせられる」

そう思うと幸せで一杯でした。

ありがとう

 

 

悪阻に苦しむ妻

二世帯住宅建築を動かし出してすぐに妊娠が発覚した事も重なって、妊娠する妻が居る旦那として100%の行動が出来たとは到底思って居ません。

初めての妊娠、不安で一杯やろうに、何度も何度も寂しい思いをさせてしまった。

「家の事は旦那にしか出来ないから仕方無い」

いつもそう言って笑顔で送り出してくれた。

ありがとう

 

 

 

切迫早産の危機

原因は体質なのか、ストレスなのか、切迫早産の恐怖に襲われた妻。絶対安静を理由に2ヶ月早い里帰り、同時に完成が近付く二世帯住宅。

自分の全てを妻だけに捧げる事が出来ず、妻に付きまとう早産への不安、動けないストレス、精神的に支えて上げられない時間もあった。

お腹に居る我が子の為と自分に言い聞かせていっぱい頑張ってくれた。

我が身を犠牲に、我が時間を犠牲に切迫早産のリスクから赤ちゃんを守ってくれた。

ありがとう

 

 

予定日翌日朝6時にやってきた陣痛

妻の実家に移動して即入院、妻と私の長い長い1日が始まった。

子宮口が開くまでの12時間、3分~10分という不定期で妻を襲う陣痛、私に出来るのはマッサージだけ。定期的に行われる触診、毎回外に出される私。

部屋に戻ると虚ろな目で天上を見上げる妻。

「赤ちゃんの為に痛みに耐えてくれている」自分の中でどれだけ都合良く解釈しても「妻の痛みが消えるなら子供はいらない」陣痛が来てからはずっと思ってた。

 

 

下がって来ない我が子

最後の触診が行われたのが20時。例に違わず私は部屋の外へ。

「子宮口は完全に開いているけど降りてこない」

それだけ伝えられて私はずっと病室の外。時折病室から聞こえる妻の声にならない声、いつでも病室に戻れる様、その場でずっと立ち尽くしていた。

時間の感覚なんてまるで無い、妻の声しか耳に入ってこない不思議な感覚。

「なぜ妻の横に私は居ない?」

「なぜ妻は苦しまないといけない?」

「なぜ?なぜ?なぜ?」

なぜだけをずっと考えていた。

 

 

分娩室で見た異様な光景

病室の外に出されてから2時間、やっと呼ばれて分娩室に入る事が出来た。

1番最初に目に飛び込んだのは全身の血管を浮かせながら見た事も無い表情で必死にいきむ妻。「妻に2時間もこんな事を続けさせてたのか」人間心理とは恐ろしい物で、この時ばかりは助産師に殺意を覚えた。妻が必死にいきんでいるのに定期的に持ち場を離れる助産師。

「お前等、今産まれたらどうすんねん?」

「苦しんでる妻をほって何してんねん?」

本当に怒りの感情ばかりが湧いていた。そして23時に助産師が消えた。理由は「電車が無くなるから」だと後で聞いた。そして助産師と入れ替わりで男性の医師が来た。

「赤ちゃんの体力が限界に近い」

「後15分だけ、自分で産める様に頑張って」

「吸引の準備はしておいて」

医師はハサミで色々な場所を切り、力一杯両手で骨を広げる。想像を絶する痛みに声を上げる妻。医者・助産師に対する怒りは完全に消え去り、いきむ妻を支える事しか頭には無かった。

 

 

最後の15分

医師から告げられた15分が経った

「これは自力でいけるよ」

「後少し頑張って」

そう告げた医師はより一層中を広げた。それに合わせて声を漏らす妻。

「人間はこれだけ長い時間息を止められるのか?」

そう思う程に長い時間息を止めて1度いきむ、間髪入れずに大量の空気を吸い込んで2度いきむ。鼻から酸素を吸引しながらそんな事を1分置きに繰り返す。

分娩室に妻が入って4時間。

赤ちゃんの頭が見えた。

 

 

無音の5秒

頭が出てからは早かった。医者がゆっくりと赤ちゃんを引き抜く、そして全身が出て来てすぐに訪れる静寂。人生で経験した5秒で1番長く感じた時間。

泣かない

泣かない?

泣かない。

 

泣いた。

小さな口で、小さな体全身を使って、大きな声で泣いてくれた。

 

 

母は強い

赤ちゃんが産まれてから、胎盤を剥がしたり、縫合したり。私の視野内で地獄の様な光景が広がる中、妻は痛みに顔を歪める事無く1点だけを真っ直ぐ見つめる。

妻の目には少し遠くで検査を受ける我が子しか入っていなかった。

何度も何度も言葉を探したけど見つからなかった、母性という感じを体現した様な姿だった。

 

 

私は旦那

父親が何故自分の余命をかけて私達を育ててくれたのか?

妻がこれだけの痛みに耐え、苦しみ、産んでくれた我が子。

「全ては妻である母の為」だったんだと理解した。

我が子をこの手に抱いた瞬間から私は父親、妻が何にも変えて産みたかった我が子。

旦那の私が守らないで誰が守る。

今はまだ「父親としての自覚」なんて物は無い。

でも「旦那として妻を喜ばせたい」という思いはある。

我が子の成長、夫婦円満、妻が望む物なら何でも良い。

延長線上に妻の喜ぶ顔があるなら何でも出来るし、何でもやる。

 

 

パパとママも0歳と2日

私がパパとして、妻がママとして産まれてまだ2日。これから本当に色々な事があると思う。

子供が成長していく速度に負けない様に、3人並んで1歩ずつ成長していこうね。

「パパとママの間に産まれて良かった」

大きくなった子供に言って貰える、そんなパパとママになりましょう。

 

 

 

今の気持ちを表す言葉を色々探したけど

オレにはこれしか思いつきませんでした。

 

 

愛してるよ。

ありがとう。

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