2015年7月8日00時49分
約8億円相当の国の重要文化財を所有していたのに破産管財人に隠していたとして、東京地検特捜部は7日、破産した不動産会社「不二企業」(名古屋市)の馬場厚子・元代表取締役(67)を破産法違反(詐欺破産、虚偽の説明)の罪で在宅起訴し、発表した。
発表などによると、同社は2011年に破産開始が決定し、連帯保証人だった馬場元代表も破産手続きに入った。鎌倉時代の絵画など重要文化財7点(計7億9600万円相当)を寄託出品していた京都国立博物館からの自分あての郵便物が破産管財人に転送されて寄託の事実が発覚しないよう、博物館からの郵便物の宛先を夫に変更した。さらに12年に管財人から重要文化財の存在について確認された際、「記憶がなく、所在も分からない」とうその説明をしたとされる。
馬場元代表は父親から文化財を相続したという。このうち「紙本著色三十六歌仙切(しほんちゃくしょくさんじゅうろっかせんぎれ、是則〈これのり〉)」は3億円、「紙本著色源宗于像(しほんちゃくしょくみなもとのむねゆきぞう)」は1億8600万円で今年2月、文化庁に売却され、売却益は債権者への配当に充てられたという。
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