『駅メモ!』こと『ステーションメモリーズ!』というゲームをご存知ですか?
「でんこ」という人形の少女たちとともに日本中の鉄道駅を巡ることを目指す、 いわゆる位置情報ゲーム(位置ゲー)です。現在コロプラ版と、iOS/Android OS版(通称「アプリ版」)のマルチプラットフォームで展開されています。
鉄道、位置ゲーと聞くと、
「位置ゲーってガラケー時代の遊びなんじゃないの?」
「自分はあんまり鉄道に興味ないなあ……」
という方もいらっしゃいそうですが、ステーションメモリーズ! はそういった方にもおすすめできるゲームだと思います。というわけで今回は、ステーションメモリーズ! のレビューをさせていただきます。
どんなゲームなの?
簡単に言うと、でんこの助けを借りながらの、最寄り駅の陣取りゲームです。人気ゲーム「Ingress」の、「ポータル」が鉄道駅に限定されたものと言うと、ピンとくる方が多いのではないでしょうか。
プレイヤーのでんこが最寄り駅まで”飛んで”いき、そこに誰もいなければ、その駅を陣取ることができます。しかしすでに他のプレイヤーのでんこが駅を陣取っていた場合、互いのでんこの力比べになります。自分のでんこが押し勝てばその駅を奪い取ることができますが、逆に倒しきれなかった場合、追い返されてしまいます。これを繰り返し、より長く駅を陣取って、守っているほど多くの得点を得られる仕組みです。
でんこには攻撃の得意な子、防御に秀でた子、他のでんこのサポートに長けた子など、様々な強みを持った子がいます。たくさんのでんこと出会い、彼女たちの能力を活かすプレーをすることが重要です。
また、初めて訪れる駅は、力比べの勝敗に関わらずボーナス得点がもらえるため、日本中を旅するほど有利になります。
ちなみに、ゲーム内ではこれらのプレイングをする理由について「駅と鉄道に関する人々の思い出を集め、未来における鉄道の重要性を維持しこれを存続させるため」と説明されています。
月1000円で遊び倒せる手軽さ
ステーションメモリーズ! の最大のおすすめポイントは(でんこがかわいいことを除けば)、とにかく手軽にプレーできることです。ソーシャルゲームに馴染みのある方に向けた言い方をすれば、スタミナは毎日24時にしか回復しない/キャラクターカード(でんこ)の合成や覚醒の概念はない、ということです。つまり、スタミナが回復するタイミングを計算してゲームに張り付いたり、限られたキャラクターの保有上限の中で合成素材をやりくりしたりする必要がないのです。これは、ステーションメモリーズ! の本質があくまで位置ゲーであり、そこにキャラクター要素を加えているからでしょう。
ソーシャルゲームを遊んだことがない、もしくはすでに他のソーシャルゲームを熱心にプレーしているという方にとって、スタミナ管理と保有枠/素材管理の2点は、新たにソーシャルゲームを始める上での高いハードルとなりますが、そうしたハードルがないステーションメモリーズ! は気軽に始められます。
たくさん遊びたい人も心配無用です。ゲーム内課金アイテムの「ブルーライセンス」を500円で購入すれば、なんと1ヶ月もの間、無制限に陣取り合戦に参加できます。これは、一般的なソーシャルゲームにおいて、スタミナを満タンまで回復させるアイテムが1個につき約100円であることを考えれば、破格と言えるのではないでしょうか。このほかに、新しいでんこと出会える「プレミアムガチャ」用のチケットが、月4枚前後、セール価格の100円/枚で購入できるので、合計で月1000円ほど課金すれば、かなり満足のいくプレーができます。
絞り込まれたランドマークとしての駅
ステーションメモリーズ! は、鉄道ファン向けに、鉄道をフィーチャーしたデザインになっていますが、必ずしも鉄道への知識や興味が必要なわけではありません。むしろ、ゲームを通じて興味がわいてくることでしょう。先述の通りステーションメモリーズ! は位置ゲーであり、駅はあくまで適当な数のランドマークだからです。
全国に整備された鉄道網は、日々私たちの生活を支えています。鉄道への興味関心が深くなくとも、何らかの関わりを持っていることが多いです。通勤、通学、買い物や旅行など、鉄道を利用する機会……すなわちステーションメモリーズ! をプレーするチャンスもそれだけあるということです。
一方で、先に述べた「初めて訪れる駅でのボーナス」のシステムや、1つの路線を起点駅から終点駅まで漏れなく訪れることでもボーナスポイントがもらえるシステムなど、鉄道を積極的に利用することでゲームが効率的に進行するという工夫は各所にほどこされており、広い間口から鉄道の世界へプレイヤーを誘う設計になっていると言えます。
魅力的なキャラクター
先ほどは「あくまで位置ゲーが本質」と言いましたが、キャラクター無しでこのゲームが成立するとは決して思っていません。上記のような個性豊かなでんこたちを育て、彼女たちとの絆を強めることは、ある意味「駅を守り続ける」ことより重要かもしれません。
ステーションメモリーズ! に登場するでんこたちのグラフィックは、イラストレーターの賀茂川さんが担当されています。最近では京都市交通局のイメージキャラの新イラストなどで活躍されている方です。
賀茂川さんの手で生み出されたかわいらしい約30人のでんこたちは、ツンデレ、ヤンデレ、元気っ子、ロリっ子、オレっ子、お姉さん、妹、etc……と、それぞれの能力を映し出したかのようなキャラクター性を見せてくれます。彼女たちとかわす言葉が、普段の登下校も、気まぐれな一人旅も、華やかに彩ってくれるのです。
アプリとしての評価
UI面では特に文句はないのですが、画面遷移や位置情報の更新などでやや動作が緩慢な面が見られます。筆者の環境では、ステーションメモリーズ! のみを起動しているSOL26でもそのような様子なので、今後のアップデートでより快適になることを期待したいところです。また、MNOの帯域規制がかかっている状態ではほぼ動作しないとの報告があるほか、MVNOの低速モードでもたびたび通信エラーが起こるなど、回線の状態には注意が必要なようです。通信量が少しでも少なくなるとありがたいのですが……。
iOS/Android OSともに、不具合やユーザーからの要望には比較的スピーディに対応している運営チームのようなので、大きな心配はありません。プレーデータはTwitterアカウントと紐づけてバックアップできるようになっているので、不測の事態にも備えがききます。
ぜひ、プレーして感じてほしい
長々と書き連ねてしまいましたが、駅メモの魅力の1割も伝えられなかったと思います。ですから、ぜひダウンロードして、実際にプレーしてみてください。きっと、いつもの車窓が少し違って見えたり、休日にどこかに出かけてみたくなったりするでしょう。
iOS版はOSバージョン6.0以降、Android OS版はOSバージョン4.0以降に対応しています。