都心のビル街にガストやブックオフやドンキやしまむらができて、地方の農村もチェーン店だらけになるこの悪夢のような現実が生んだのがロキノン系の若者という風潮だろう。自分の世代ほど顕著だということが本当に不愉快極まりないし、さっさと衰退してほしい。茅ヶ崎に北関東型のチェーン店やその程度の文化レベルの人間は増えてほしくない。

　日本が本当にクールジャパンを発信できる国なら、こんなみっともないものはそもそも出現しないか、歴史のかなたに葬り、もっとより良い文化を作る方向に徹するはずではないか。

それは平成世代の私もよくわかることだ。

　ゴールデンウイークとかに東北の両親の家に行くと、祖父の書斎やお客が寝る部屋の床の間にある図鑑などを読み漁ったものだ。

　東北の昭和が不便だったのは事実だろう。現代の東北で当たり前の「二重扉構造の玄関」すらもなく、普通の日本と同じ寒い構造の家である。トイレも水洗式ではない。私はこれがトラウマだったのだが、何もない穴になっていたり変な液体をポンプで押し出すような仕組みは不衛生で後進的だったのも現実だ。だが、土地に固有の伝統文化があったことと、地域や時代関係なしに重要な普遍的な教養を育む機会があったこと、これが重要なのではないかと思う。