ナスカ:地上絵24個、新たに発見…山形大

毎日新聞 2015年07月07日 20時20分(最終更新 07月07日 20時51分)

ペルーのナスカ市街地の近郊で新たに発見された「リャマ」の地上絵=山形大提供
ペルーのナスカ市街地の近郊で新たに発見された「リャマ」の地上絵=山形大提供
ペルーのナスカ市街地近くで発見された「リャマ」の地上絵(F1とF2は地上絵の外形を線でなぞる加工をしています)=山形大提供
ペルーのナスカ市街地近くで発見された「リャマ」の地上絵(F1とF2は地上絵の外形を線でなぞる加工をしています)=山形大提供

 山形大学は7日、世界遺産「ナスカの地上絵」で知られる南米ペルーのナスカ市街地近郊で、ラクダ科の「リャマ」とみられる動物の地上絵24個を新たに発見したと発表した。昨年発表した17個と合わせ、計41個の「リャマ」の地上絵が居住地近くに集中していたことが判明したという。同大ナスカ研究所の坂井正人教授(文化人類学)は「当時の人々にとって地上絵がどういう存在であったかについて議論を深める材料になるのではないか」と話している。

 昨年12月から今年2月の現地調査で、ナスカ市街地から約1.5キロ北にある丘など直径約1キロの範囲内で見つかった。全長約5〜20メートルで、有名な「ハチドリ」(全長約100メートル)より小さい。制作時期はハチドリよりも古い紀元前400〜同200年ごろと考えられるという。リャマは荷物の運搬用の家畜。

 一方、ナスカ市街地の拡大による影響が懸念され、坂井教授は「ナスカ市街地の南側では地上絵が実際に壊され、幾つかはなくなっている。市街地が拡大すれば破壊の危機にある」と述べ、地上絵の保護を訴えた。【光田宗義】

最新写真特集