川内原発:1号機原子炉に核燃料の装着作業 九電  

毎日新聞 2015年07月07日 10時47分(最終更新 07月07日 14時12分)

川内原発1号機再稼働の流れ
川内原発1号機再稼働の流れ
川内原発の位置
川内原発の位置
核燃料が装着される川内原発1号機(後方手前)を望む正門前で、再稼働反対を訴えシュプレヒコールをする人たち=鹿児島県薩摩川内市で2015年7月7日午前9時31分、山下恭二撮影
核燃料が装着される川内原発1号機(後方手前)を望む正門前で、再稼働反対を訴えシュプレヒコールをする人たち=鹿児島県薩摩川内市で2015年7月7日午前9時31分、山下恭二撮影

 ◇8月再稼働へ最終段階 新規制基準の全国初の稼働に

 九州電力は7日午後、川内(せんだい)原発1号機(鹿児島県薩摩川内市)の原子炉に核燃料を装着する作業を始めた。九電は8月中旬の再稼働を目指しており、準備は最終段階を迎えた。今後の点検が予定通り進めば、東京電力福島第1原発事故を教訓にした新規制基準に基づく初めての再稼働となる。再稼働が実現すれば、関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)が停止した2013年9月以来、約2年ぶりに「原発ゼロ」の状態が終わる。

 川内原発は加圧水型の原子炉で、事故を起こした福島第1原発の沸騰水型とは異なるタイプ。1号機は1984年、2号機は85年に営業運転を開始した。

 九電によると、装着作業では1号機の原子炉建屋に隣接する建屋内の使用済み核燃料プールからクレーンを使い、核燃料集合体157体を1体ずつ原子炉内に入れる。作業終了までには4日程度かかる見通しだ。

 九電は8月中旬にも、核分裂反応を調節する制御棒を引き抜き、原子炉を起動。その後、発電・送電を開始する。再稼働後も規制委が冷却設備などに問題がないか検査した後、9月中旬に営業運転する予定だ。

 川内原発2号機は1号機より2カ月遅れで9月上旬に原子炉に核燃料を入れ、10月中旬の再稼働、11月中旬の営業運転を目指す。

 福島事故を教訓にした新規制基準は13年7月施行され、再稼働に向けた安全審査が申請されたのは川内を含め15原発25基に上る。再稼働までの審査期間は当初、半年程度とみられていたが長期化し、川内原発1、2号機の審査がすべて終了したのは申請から1年10カ月たった今年5月だった。

 川内原発以外では、関電高浜原発3、4号機(福井県高浜町)が新規制基準に合格しており、四国電力伊方原発3号機(愛媛県伊方町)も今月中旬に合格する見通しとなっている。【遠山和宏】

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