2005年09月27日

「どうなる!?金田一少年」のその後

9月24日にドラマとしては第三期になる「金田一少年の事件簿〜吸血鬼伝説殺人事件〜」が放映された。視聴率は18.6%ということで、スペシャルとしてはまずまずの数値だったようだ。

どうなる!?金田一少年」に書いたように不安であったドラマだが、思っていたほど悪くはなかったというのが個人的な感想である。

さて、今回の金田一少年であるが、事前に知らされていた情報とは若干違う設定であった。もちろん金田一役は亀梨和也であり、茶髪であることには変わりはなかった。私が気になっていた“大のジッチャン嫌い”という設定がなくなっており、ジッチャンは好きなようだが、名探偵の金田一耕助とその孫である自分を同じように比べないでほしいという、まあ至極当然な考えの持ち主だった。これは周りの環境が悪いのも関係しているのだろう。原作では祖父が金田一耕助だと知られても、「名探偵の孫のくせに」とかはあまり言われていないと思う(ちょっと、記憶が曖昧だが)。ただ、ドラマ化すると、やたら金田一耕助の孫だと周りが強調する傾向がある。原作を読み続けている人は、金田一一が金田一耕助の孫であることは事実として認識しているので、あまりそういう描写はしつこく描かれないが、ドラマで単発だと初めて見る人もいるわけで、「この金田一一とは何者?」と思う人もいるかもしれないので、説明する意味をこめて、強調しているのかもしれない(この辺はあくまで私の勝手な推測ですから)。

次に推理を間違えながらも真相に近づいていくというのが事前情報だったが、最初から切れ者ぶりを発揮していたので、一安心した。さらに金田一の性格が第一期の堂本剛の金田一に近い明るめの性格であり、女が大好きなスケベキャラであった。ただ、ナンパしたりしているのはやりすぎな気がしないでもない。まあ、少なくとも第二期のクールで妄想癖のあった松本潤の金田一よりはましな性格であった。

七瀬美雪役の上野樹里であるが、これはどうなんだろう。歴代の美雪役と比べるとちょっと性格がきついかもしれないかな。ともさかりえは世話女房的で、鈴木杏は彼女が当時中学生であったことも関係しているのか、少し幼かった感じだが、この上野樹里はもしかしたら、これはこれでありなのかも。スペシャルだけではあんまり判断できないが、金田一にあんなに怒って推理して犯人を捕まえろと原作の美雪は言うだろうかと疑問に思ったり・・・。まだまだ未知数な感じである。設定は過去2作が何年かぶりの再会だったが、今回のドラマはずっと幼なじみで過ごしてきた設定のようである。原作ファンとしては、これはいいと思う。

さて、剣持警部は性格は初期の頃の警部だが、イメージがやっぱり金田一に「オッサン」と呼ばれる雰囲気ではない。加藤雅也が少し整いすぎるせいだろうな。キャラ設定で、「正しい日本語を使え」とか、扇子を持っていたりというのはいまいちな印象だ。やっぱり原作の剣持警部のイメージは、私は第二期の内藤剛志が近いような気がする。

ドラマとしての感想であるが、前半はなんだか展開が早いような気がする。いつの間にか場面が変わっているし、見ていると少ししんどくなった。
雰囲気は第一期の不気味さに近づけようと努力しているようには感じたが・・・。また、登場人物の中に原作にいない安池という男がいたが、こいつが犯人を断定した部分などが説明されておらず、無理にオリジナルキャラをねじ込んだため、普通でも無理のある原作が、余計にひどくなった気もする。さらに保阪尚希(最近改名したようだが)の役もなんだか大幅に変更されており、あれじゃただの変人ではないだろうか。
謎解きの部分で金田一が犯人のポケットから証拠の髪の毛を見つけるシーンがあるのだが、これは偶然に頼りすぎてしまっている。もし、入っていなかったらどうしたのだろう。原作では金田一が犯人のポケットの中から髪の毛を取り出すシーンは確かにあるが、金田一が犯人をはめるためにわざと引っ掛けていると想像できなくもない描き方をしている。犯人に自供を促すための金田一の芝居という可能性があった(実際、原作の「聖なる夜(クリスマス)の殺人」で金田一が犯人を同じような証拠問題ではめているからだ)。だが、このドラマではそれを無視してしまっていた。犯人が自らポケットに髪の毛を入れてるシーンを描いてしまっている。これは残念である。

まっ、2時間ドラマの中で殺人が起こり、苦悩しながら探偵としての自覚に芽生え、犯人を暴くということを盛り込むことが大変である。今回ドラマ化された原作はシリーズの続きとして描かれたものであり、探偵の第一歩として描く作品として適していたかどうかは疑問である。初めての事件として描かず、もうすでに何件も解決している設定にしておけば、また違ったかもしれない。ということで不安はあったものの、なんとか及第点かなと思う今回のスペシャル。

堂本剛が金田一を演じたのは1995年。それから10年経っての新たなドラマ化。堂本剛の金田一も今思い返せば、初めてのスペシャルの時は大絶賛というわけではなかったように思う。悪くはないが、うーんという感じだったような。しかし、連続ドラマ化されてからはどんどんよくなっていったような気がする。もし亀梨の金田一が連ドラ化されれば、評価もまた変わるかもしれない。いや、今回の視聴率から見て、連ドラ化の可能性はかなりあるな。だが、1時間の連ドラ化になる場合、20本ほどある短編を使用すれば、以前のドラマ化よりはまとめやすいんじゃないだろか。次にドラマがあるならば2006年以降でしょうな。

ちなみに残ってる長編は次の通り。

(参考)未ドラマ化の作品(短編は除く)
「魔神遺跡殺人事件」(怪しさがあって、好きだな)
「銀幕の殺人鬼」(これは演出次第だな)
「天草財宝伝説殺人事件」(2週か3週かけてやってほしい)
「雪影村殺人事件」(後期の作品では一番好きだが、ドラマ化になると?)
「怪奇サーカスの殺人」
「金田一少年の決死行」(これは映像化が大変だろう)
「オペラ座館・新たなる殺人」(やるとしたらタイトル変えないとなあ)
「電脳山荘殺人事件」
「鬼火島殺人事件」
「雷祭殺人事件」
「殺戮のディープブルー」(これもじっくり映像化してほしい)
「邪宗館殺人事件」
「オペラ座館・第三の殺人」(2005年現在連載中)



hashisensei at 16:19│Comments(0)TrackBack(0)テレビ |   ドラマ

トラックバックURL

この記事にコメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔   
 
 
 
過去の記事
プロフィール
橋 光夫
年 齢:20代
性 別:男
趣 味:DVD鑑賞、読書、テニス

人生を寄り道しながら、自分のペースで過ごす生活を続ける毎日。
トラックバック
篠原涼子 コンタクト 関連最新情報 (篠原涼子 画像・動画 最新情報ブログ)
そろそろ新しいものを