2015年7月7日15時34分
国土交通省東京航空局が発注した消防設備の点検業務を巡り、公契約関係競売等妨害容疑で逮捕された第一防災(大阪府守口市)の社長らが、他の入札参加業者に分配金30万円を支払う約束を交わしていたことが入札参加業者への取材でわかった。警視庁は談合に協力してもらう見返りだったとみている。
捜査関係者によると、分配金が実際に支払われる前に警視庁が家宅捜索に入り、計画は実現しなかった。
捜査2課によると、第一防災の社長辻村典彦(46)=守口市=と関東支店長の田中徹(41)=川崎市川崎区=の両容疑者は昨年9月、東京空港事務所(東京都大田区)などの消防設備の点検業務で他社と談合した疑いがある。
ある参加業者の幹部によると、第一防災は、落札で得た利益の中から分配金として他の参加業者に30万円ずつ配ることを提案。業者間で架空の取引を循環させる「伝票回し」と呼ばれる手法で、第一防災を起点に架空の業務を他の業者に発注。この業者は受注額から30万円を差し引いた金額分の業務を次の業者に発注するという架空取引を全業者が繰り返す予定だった。
この幹部は、朝日新聞の取材に「分配金を受け取れるだけでなく、受注額を売り上げに計上できることが会社にとって大きいと考えた」と談合の見返りだったことを認めた。
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