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破産管財人から文化財隠したか 在宅起訴7月7日 17時53分
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破産手続き中の名古屋市の不動産会社の元社長が、博物館に預けていた鎌倉時代の絵画など合わせて7億9600万円の価値がある国の重要文化財7点を破産管財人に隠していたなどとして、東京地検特捜部は元社長を破産法違反の罪で在宅起訴しました。
在宅起訴されたのは、破産手続き中の名古屋市の不動産会社「不二企業」の元社長、馬場厚子被告(67)です。
東京地検特捜部によりますと、馬場元社長は4年前に裁判所から破産手続きの開始決定を受けましたが、京都国立博物館に預けていた合わせて7億9600万円の価値がある国の重要文化財7点を破産管財人に隠していたなどとして、破産法違反の罪に問われています。
馬場元社長は、破産手続きが始まったあと、博物館からの郵便物の宛先を夫に変更したり管財人にうその説明をしたりして、所有している文化財を博物館に預ける「寄託」をしていることを知られないようにしていたということです。
ことし2月、管財人の調査で文化財を寄託していることが分かったということで、管財人は、このうち、鎌倉時代に描かれたとみられる「三十六歌仙切(是則)佐竹家伝来」など2点の文化財を4億8600万円で文化庁に売却し債権者への配当の一部に充てるということです。
NHKのこれまでの取材に対し、馬場元社長の夫は「対応するつもりはない」と話しています。
東京地検特捜部によりますと、馬場元社長は4年前に裁判所から破産手続きの開始決定を受けましたが、京都国立博物館に預けていた合わせて7億9600万円の価値がある国の重要文化財7点を破産管財人に隠していたなどとして、破産法違反の罪に問われています。
馬場元社長は、破産手続きが始まったあと、博物館からの郵便物の宛先を夫に変更したり管財人にうその説明をしたりして、所有している文化財を博物館に預ける「寄託」をしていることを知られないようにしていたということです。
ことし2月、管財人の調査で文化財を寄託していることが分かったということで、管財人は、このうち、鎌倉時代に描かれたとみられる「三十六歌仙切(是則)佐竹家伝来」など2点の文化財を4億8600万円で文化庁に売却し債権者への配当の一部に充てるということです。
NHKのこれまでの取材に対し、馬場元社長の夫は「対応するつもりはない」と話しています。
文化財の「寄託」とは
「寄託」は、個人などが所有している重要文化財や美術品などを、博物館などに無料で預け保管してもらう仕組みです。
所有者は温度や湿度などが管理された適切な環境で文化財などを保管でき、博物館側にとっても展示や研究などに使うことができるメリットがあります。美術品を博物館などに寄付する「寄贈」とは違って、所有権は移りません。
京都国立博物館によりますと、現在、およそ6000点の文化財や美術品の「寄託」を受けていますが、所有者については、プライバシーを保護するため、税務当局などの公的機関から照会された場合を除き、原則、非公開にしているということです。
破産法や相続などに詳しい吉田修平弁護士は「不動産や預金の場合は所有者をオープンにする仕組みが整っている。しかし、博物館などが美術品などを預かり、所有者が公開されないのであれば、財産隠しの巧妙な抜け道になる可能性がある」と話しています。
所有者は温度や湿度などが管理された適切な環境で文化財などを保管でき、博物館側にとっても展示や研究などに使うことができるメリットがあります。美術品を博物館などに寄付する「寄贈」とは違って、所有権は移りません。
京都国立博物館によりますと、現在、およそ6000点の文化財や美術品の「寄託」を受けていますが、所有者については、プライバシーを保護するため、税務当局などの公的機関から照会された場合を除き、原則、非公開にしているということです。
破産法や相続などに詳しい吉田修平弁護士は「不動産や預金の場合は所有者をオープンにする仕組みが整っている。しかし、博物館などが美術品などを預かり、所有者が公開されないのであれば、財産隠しの巧妙な抜け道になる可能性がある」と話しています。