トップページスポーツニュース一覧新国立競技場改築費 2520億円で決定
ニュース詳細

新国立競技場改築費 2520億円で決定
7月7日 17時39分

2020年東京オリンピック・パラリンピックのメインスタジアムとなる新国立競技場について、運営するJSC=日本スポーツ振興センターが開いた有識者による会議で、改築費は斬新なデザインにこだわるなどした結果、当初よりも900億円多い2520億円になることが決まりました。膨大な建設費に批判が集まるなか、5年後に向けた計画が進められることになりました。
都内で開かれた有識者会議にはメンバー12人が出席しましたが、最初のデザイン案を決めた、審査委員会の委員長で建築家の安藤忠雄氏は欠席しました。
会議の中で、JSCは、新国立競技場について斬新なデザインの象徴となる「キール・アーチ」と呼ばれる弓の形をした柱を残して、開閉式の屋根の設置を先送りにし、観客席を一部着脱式にしたうえで、改築費を去年5月の基本設計からおよそ900億円増やして2520億円にすることを報告しました。
増額分のうち、最も多いおよそ765億円は、「キール・アーチ」を造って設置するために必要な特殊な技術や資材のための経費などだということです。
また、建設費に含まれていない、開閉式の屋根を大会後に設置したあとの収支計画も明らかにし、黒字の額は当初の10分の1ほどの年間3800万円にとどまりました。屋根の設置時期については明らかにしませんでした。
このほか、維持費など改修費が完成後50年間で1046億円と去年の試算より400億円近く増えたことも明らかにしました。
計画は全会一致で承認され、JSCは近く建設会社と契約を結ぶ予定で、膨れ上がった建設費に批判が集中するなか、5年後に向けて計画が進められることになりました。
新国立競技場の改築は、ことし10月に着工され、2019年5月の完成を目指します。

過去の五輪スタジアムに比べ約5~8倍の費用

2520億円にも上る国立競技場の改築費は、過去のオリンピックのメインスタジアム建設費に比べて、およそ5倍から8倍と極めて高額になります。
ロンドン市役所や中国政府の資料によりますと、最近のオリンピックのメインスタジアムの建設費は、いずれも大会開催当時の為替レートの換算で、前回2012年のロンドン大会がおよそ530億円、2008年の北京大会はおよそ500億円となっています。
また、2004年のアテネ大会は改修費としておよそ360億円、2000年のシドニー大会はおよそ460億円、1996年のアトランタ大会はおよそ300億円となっています。
これらと比べると、新国立競技場の2520億円はおよそ5倍から8倍に上り、極めて高額であることが分かります。

遠藤五輪相「ある程度はやむをえない」

遠藤オリンピック・パラリンピック担当大臣は、記者団に対し、「建物の特殊性という意味で『費用が高い』と言われれば確かに高いと思うが、ある程度はやむをえない。後ろ向きではなく逆にPRして世界に発信していくという思いで造ったほうがよい」と述べました。

関連ニュース

このページの先頭へ