緊縮では「のた打ち回る」とギリシャ証明、日本は成長重視-甘利氏 (1)
2015/07/07 13:31 JST
(ブルームバーグ):国際通貨基金(IMF)への債務返済が6月末に滞り事実上のデフォルト(債務不履行)に陥ったギリシャについて甘利明経済再生相は、増税と歳出減では財政再建ができない証しだとして経済成長による税収増の重要性を示した。
付加価値税と軽減税率上げによる増税や歳出減をしたギリシャは結果として「税収はもっと減ってしまった」と甘利再生相はブルームバーグのインタビューで2日語った。その上で「増税と歳出カットだけでやろうとするとのた打ち回るようなことになる」と述べ、健全な経済を取り戻すことで税収を増やすことなしに財政再建はできないとした。
アベノミクスを受けて日本の税収は2014年度で53兆9700億円と21年ぶりの高水準になった。安倍晋三政権が閣議決定した財政健全化計画では16年度から18年度までを集中改革期間と位置づけ、一般歳出の増加幅を1.6兆円程度にすることを盛り込んだ。甘利氏は一貫して歳出規模の固定化に反対の立場を取り続けてきた。
甘利氏はインタビューで、これまでの財政再建は歳出カットの甘さによって失敗したとの一部の見方を否定。経済が失速して歳出減が続かなくなったとして「成長が確保されなくなって失敗している」と述べた。
5日のギリシャの国民投票後も、甘利氏は自身の考え方に変わりがないことを確認した。国民投票では、金融支援を受ける条件として緊縮策の受け入れに反対の民意が示された。また日本については「安倍内閣においては経済再生なくして財政再建なし。一言で言えば、デフレ下では財政再建はできない。そのことに向かい合う必要がある」と話した。
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更新日時: 2015/07/07 13:31 JST