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東芝、HDDの多層記録技術の実証実験に成功
〜磁気メモリ、磁気テープなどにも応用可能
(2015/7/7 14:24)
東芝は7日、多層磁気記録に関する新技術の実証実験の成功を発表した。
実験で実証されたのは、マイクロ波磁界を用いて多層の磁性体の磁化の向きを層を選択して反転させる技術。
磁気記録の記録密度を高める方法として、従来は記録ビット(磁石)の微細化による高密度化が行なわれてきたが、記録ビットの微細化は技術的限界に達しつつある。今回の磁化反転技術により、固体ストレージメモリ(NAND)で高密度化技術として開発されている“メモリセルの多層化”と同様、磁気記録でも記録層の多層化が実現すれば、記録密度の飛躍的な高密度化が可能となる。
実験では、異なる強磁性共鳴周波数を有する磁性体層を積層し、それぞれに応じた周波数のマイクロ波磁界を印加することで、特定の磁性体層のみに磁化振動を励起することに成功。磁化振動が励起された層は磁化反転に必要なエネルギーが低減されるため(マイクロ波アシスト効果)、層を選択した磁化反転を可能とした。
この技術はこれまでシミュレーションで予測されてきたが、今回初めて実証することができたという。今回実証された磁化反転技術は、磁気記録全般に応用できる基本的な技術のため、HDDだけでなく、磁気メモリ、磁気テープなどの磁気記録製品でも記録層の多層化が期待できるという。
東芝は、今後はより微細な記録ビットを書き換えるため、局所的なマイクロ波磁界印加が可能なスピントルク発振素子の開発を進めると共に、それを搭載可能な磁気ヘッド、多層記録に最適化した記録媒体の開発を行なっていき、2025年頃を目標に3次元磁気記録の実現を目指すとしている。
なお、同技術の研究開発は国立行政法人 科学技術振興機構(JST)の研究成果展開事業「戦略的イノベーション創出推進プログラム」の一環で、7月8日にスペインバルセロナで開催される国際学会(ICM 2015)において発表される予定。
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2015年7月7日
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