年金情報流出:厚労相「対策完了は虚偽報告…極めて遺憾」

毎日新聞 2015年07月07日 12時10分

 日本年金機構の情報流出問題で、パスワード設定など個人情報のセキュリティー対策について機構の全部署が「完了した」と機構本部に4回にわたり報告していたことが分かり、塩崎恭久厚労相は7日、閣議後の記者会見で「虚偽報告だったという解釈も可能。極めて遺憾」と述べた。

 機構の内規は、個人情報が入ったファイルにはパスワードを設定するかアクセス制限をすると定める。2013年8月、年金事務所など全国の395部署の責任者が内規が守られているかを点検し、年2回本部に報告するよう指示していた。

 機構によると、同年10月から今年4月までの点検では全部署から「対策が完了した」と報告があったが、流出した大半のファイルはパスワードが未設定だった。アクセス制限の実施状況は不明という。

 塩崎厚労相は「機構にルール順守の状況を徹底的に確認する仕組みを作り直してもらう必要がある。(厚労省)年金局も確認できていないのは問題」と述べた。【古関俊樹】

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