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 ギリシャへの金融支援を巡り、ドイツのメルケル首相とフランスのオランド大統領が6日夕、パリで会談した。メルケル首相はギリシャからの「明確な提案」が必要だとの考えを示した。ギリシャは7日のユーロ圏首脳会議で新たな財政改革案を示す見通しで、中身が焦点になりそうだ。欧州中央銀行(ECB)は6日、ギリシャが求めていた資金供給の上限引き上げには応じないことを決めた。

 5日に行われたギリシャの国民投票で欧州連合(EU)などの支援の条件となる財政緊縮策に対する反対が多数を占めて以降、メルケル氏とオランド氏が会談するのは初めて。ギリシャが新たな財政改革案を示す7日のユーロ圏首脳会議を前に、今後の対応について協議した。

 両首脳とも会見で国民投票の結果をギリシャ国民の意思表示として深刻に受け止める姿勢を示し、交渉について「ドアは開かれている」とする一方、ユーロ圏のギリシャを除く18カ国には独自の判断があり得ることを指摘した。メルケル氏は「我々は単一通貨を維持したいと考えている。だからこそ、すべての国が責任を共有することが必要だ」と述べ、ギリシャの改革はギリシャ自身の責任だとの考えをにじませた。

 メルケル氏はさらに「現時点では新たな交渉に入るだけの条件が整っていない」としつつも、ギリシャが財政難を乗り越え、成長を達成させるために「ギリシャのチプラス首相がどんな明確な提案を持っているかが重要だ」と述べた。