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「コードを一緒に書いていて楽しい人と働きたい」エンジニアが安心して帰れる場所に | AMG Solution

「コードを一緒に書いていて楽しい人と働きたい」エンジニアが安心して帰れる場所に | AMG Solution

設計書からプログラムが自動的に生成される『CODEMATIC(コードマティック)』という開発ツールや、受託のソフトウェア・Webシステム開発などを中心に事業を展開する株式会社AMGSolution

同社で代表取締役を務める青柳氏と取締役の上野氏にとって、ビジネスの根幹は「エンジニアにとって幸せな会社をつくること」だと話します。しかし、開発会社において、消耗品のごとく扱われた経験がある方は、決して少なくはないでしょう。では、一体どのようにして“エンジニアにとって幸せな会社”は実現されるのでしょうか。今回は、その鍵となるAMG Solutionの創業から現在に至るまでの軌跡と、今後の展望を伺いました。

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青栁 雄飛氏

学生時代は親の影響もあり、電気系を学ぶも、パソコンに興味をもちシステム系の会社に就職。プログラマーからプロジェクトマネージャーまでを経験し、技術者向けセミナー講師も行う。その後、2009年にAMGの創業メンバーとして参加。

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上野 将幸氏

27歳のときに賃貸営業から技術者としてIT業界へ未経験で転職。プログラマーとして様々な開発プロジェクトを経験。2009年にAMG Solutionの創業メンバーとして参加。当初は営業担当として参加したが、開発プロジェクトへ参画しながら、総務・経理を担当。

「手と足が付いてればいいと平気で言われて」スキルを付けられないまま年齢だけ重ねていってしまう

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創業メンバーとして今日まで会社をつくってきた青柳氏と上野氏。以前は所属していたシステム開発会社の上司と部下という関係だったそうです。

上野:

全くの未経験でこの業界に飛び込んで、最初に仕事を教えてもらったのが当時プロジェクトマネジャーだった青柳でした。最初の1ヶ月は研修をやるって聞いていたんですが、放置されていまして(笑)

青柳:

そのとき担当していたプロジェクトが死ぬほどトラブって、大炎上してたんです。火消し案件ってやつですね。入ってきたばかりの上野が目の前にいたんですが、ほぼ何も教えてあげられませんでした(笑)

でも、仕事が終わってから飲みに行ったり、プライベートで付き合うようになったりしているうちに仲良くなって。

技術者だった2人は、同じように働いていた仲間と起業を決意します。その理由は、自分たちが消耗品のように扱われてしまう会社の方針に疑問を感じたからでした。

青柳:

30名ほどの部署でB to B向けのシステム開発を請け負い、現場に常駐して仕事をするんですが、仕事をするうえであまり良い環境ではありませんでした。

指示命令はトップダウンで、社員のことを考えずに技術者を現場に出してしまう営業スタイル。「手と足が付いてればいい」とか「誰でもいいから、連れてこい」って言われたりもしました。

エンジニアの技量も関係なく案件を受注してしまう過酷なタスクスケジュールの中で、職種以外の仕事をすることもあったそうです。

青柳:

例えば、部下が現場に行くんですけど、やってることは課長の補佐役でシステム開発ではなかったり。都内の某ショッピングモールができたとき「上のフロアから、全部回ってきて」と飛び込み営業をやらされたり(笑)他のメンバーも似たような状況で、エンジニアなのに技術に関するスキルを身に付けられず、年齢だけ重ねていってしまうような状況でした。

とにかく売り上げが最優先なので、スキルのないエンジニアがすごい高額な単価で案件に入ることもあって。お客さまから「こんなにお金払っているのに、どうしてこんなに精度が低いんだ」ってクレームがきて。契約時の交渉は営業担当が行っているのに、全てエンジニアの責任にされてしまったり。

そして、毎月人が辞めていってしまう状況に“エンジニアが安心して働ける会社をつくりたい”という想いは、次第に大きくなっていきます。

上野:

あきらめて辞めていく人が圧倒的に多くて。「もう関わりたくない」と去っていくんです。だから起業を決意したとき、エンジニアが安心して仕事ができる場所をつくりたいという想いがありました。

創業期は新橋のファミレスで打合せをしたり、就業規則をつくったりしていました

退職後、青柳氏と上野氏は個人で受けられる仕事をしながら前職の同志とともに起業の準備を進めます。しかし、リーマン・ショックの影響もあり、売上を立てるのにはとても苦労をしたそうです。

上野:

最初は本当にお金がなくて大変でした。営業先もイチから開拓していったんですが、タイミングが悪くて、なかなか仕事が見つかりませんでした。

当時はオフィスもなかったので、仕事が終わってからファミレスに集まって話しあって。就業規則のドラフトをつくったのも新橋のファミレスでした(笑)

青柳:

前職は全員が一気に辞めたわけではないので、創業してから1ヶ月後ぐらいは私しかいなくて。上野が入ったのは4ヶ月後くらいなんです。その間、私は別のところから仕事もらっていたので、自宅で仕事をして納品したり。

転機が訪れたのは、設立して1年が経ったころでした。2人で同じ現場に入れる案件が舞い込んできます。

青柳:

2年ぐらいの長期案件が決まって。仕事をしていくうちに信頼関係ができていって「何かやりたいときは、業務に支障がでなければオフィスで打合せしていいよ」と言ってもらえるようになったんです。

ファミレスで「ミーティングやめてください」「パソコン出すのは、やめてください」って怒られて「ヤバい、場所がなくなった」って悩んでいた時期だったので本当に助かりました。

共有できる時間と場所を手に入れたAMG Solutionは、一気に会社としての基盤を整えます。

上野:

ホームページから就業規則、賃金規定まで全部そこでつくりました。元上司と部下という壁も、2人でいる時間が増えたのをきっかけに取っ払われたなと感じましたね。

青柳:

俺は机の上に置いてあった小銭を勝手に使われたとき、もう壁はないなと思いましたけどね(笑)

設立から3年が経ち、青柳氏と上野氏はついにオフィスを構えることに決めます。2人にとって、社員が集まれる場所をもつことは1つの夢でした。

上野:

「そろそろオフィスをもってもいいんじゃないか」と思い、いくつか内覧に行ったりしてました。どうにか空いている物件を見つけられたんですけど、最初は机もなくて、テーブルが2台あっただけ。

たぶん、社員にとってはそこまで印象的な出来事ではなかったと思いますが、私たちは「やっと、やっとできた」って感動しましたね。ファミレス時代、紙ナプキンをメモ代わりにしてたころと比べればね。ちなみにそのメモ、記念に自分の家に保管してあります(笑)

やっと、環境や制度を整えることができて「次のステージに行けると確信できた」

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より良い労働環境へのこだわりは譲れないという青柳氏と上野氏。なかでも“誰と働くか”を重要視して、社員には仕事をしてほしいと考えているそうです。

上野:

年齢や職種問わず、自由に意見を述べられる環境かどうかは気をつけています。賃金や賞与査定、就業規則の透明性も同じくらい意識していますね。

一番大切にしている価値観は誰と働くか。プログラムを書いていても、この人と書いて楽しいと思うのかどうかを意識してほしいです。プログラムをただつくるよりも、気心の知れた仲間とワイワイやりながらだったら、もっと楽しく仕事できるじゃないですか。

青柳:

指示があって設計書があれば、大抵同じようなものがつくれるけど「こうしたほうが、お客さまのためになるんじゃないの?」って話ができるかどうかは大切なことだと思います。

そのような作業環境が整った先には、どんな価値が生まれるのでしょうか。

上野:

お客さまにとって使いやすいシステムができると思っています。その後、お客さまの業務内容に変更があっても、柔軟に対応できる保守性の高いシステムができると。

青柳は、いわゆる可読性には結構うるさいほうですね。青柳のスタイルは、共通部やクラス設計は「とりあえず、俺がこうやっとくから」って大枠固めて、あとは自由にやってというタイプです。

受託開発だけではなく、自社独自のシステム開発にも挑戦しているAMG Solutionは、今まさに変化期にあるといいます。

青柳:

今年の1月に環境や制度も整ってきて、会社が次のステージに行けるなと感じたんです。経営合宿をやったとき、製品に寄せられた意見をもとに、改善提案をしようというワークをやったんです。

社員がその場で発表をするんですけど、ジャンル問わずにいろんな意見が出てきたんですよ。自分たちのつくったものをどう成長させていきたいか考えられるところまで「おお、やっと俺たち来たな」と実感しました。

会社の成長ステージを製品が売れるまでのマーケティング手法に例えると、AMG Solutionは“認知活動フェーズ”を迎えていると青柳氏は話します。

青柳:

製品が売れる順番にマインドフローという考え方があります。知ってもらって、使ってもらって、ファンになってもらう。

ファンになってもらう段階で、製品の精度が低いとクレームになってしまう。私たちの製品は、ようやく製品の精度が高まり、認知してもらうフェーズにあると考えています。

「技術者を十何年もやってるんで、美しいプログラムは自慢したい」エンジニアが働きづらい会社では意味がない

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ビジネスの幅を広げていきたいAMG Solutionにとって、会社の規模を大きくすることは必須課題。社員の働きやすさを重んじることで、成長が妨げられる可能性はないのでしょうか。

青柳:

会社の知名度を上げて事業を拡大するのは、やはり経営者の夢としてもっています。一方で、それに伴ってエンジニアが働きづらい会社になるのであれば、会社が大きくなる意味はないとも思います。

面白法人カヤックさんみたいな、本業は制作・開発屋でユニークさをPRしている会社ってまだ少ないんですよ。私たちが目指しているのは、社員が「うちの会社って、こんなことやってるんだよ」って周りに自慢したくなるような開発会社なんです。

AMG Solutionにおける“働きやすさ”とは「何よりも、エンジニアたちが真摯に技術と向き合える環境を整えること」と青柳氏と上野氏は語ります。その環境を裏付けるように、設立してから今日に至るまでの退職者は1人しかいないそうです。

上野:

同じ業界で働いていても会社への帰属意識がなくて、どこで働いても同じだと思う人こそ、弊社で働く楽しさを感じていただけると思います。

エンジニアの働きやすさの追求は、本当に細かいところまでこだわっていますから。例えば、パソコンは最高のスペックのものを用意するとか、ディスプレイは27インチとか、あと椅子も長く座っていても痛くならない良質なものを配給するとか。

最後にエンジニアが幸せに働ける会社として目指すゴールとは何かお尋ねすると、青柳氏は「1人のエンジニアとして挑戦したいことがある」と答えます。

青柳:

会社としては、まず社員数を現在の12名から50名まで増やしたいです。そうすると自社製品の精度をもっと高めていくことができるので。

あとは個人的な意見なんですけど、技術者が面白がるようなものをいっぱいやりたいですね。例えばプログラミングコンテストとか。技術者を十何年もやっているんで「これ以上美しいロジック書ける人いるの?」ってコード書くたびに思うんで、美しいプログラムを自慢したい(笑)

世の中にはどのレベルの技術者がいるのか、純粋に見てみたいと思っています。

精神をすり減らして去っていった仲間たちの残像を反面教師にして“エンジニアが安心して働ける会社”をつくりあげてきた青柳氏と上野氏。

「エンジニアのもつ技術は、ただお金を稼ぐだけの道具ではなく、夢を実現するためのライフワークであるべき」という願いを形にしたAMG Solutionは、これからも発展を続けていくIT/Web業界を支える技術者たちのホームとなっていくことでしょう。

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インタビュアー:小田直美 / カメラマン:大塚麻祐子 / 編集者:小田直美

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