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 安全保障関連法案を審議する衆院特別委員会の地方参考人質疑が6日に那覇市で開かれた。委員を務める沖縄出身の衆院議員らにとっては、自らが所属する政党の立場や議員個人としての考え方が複雑に絡み合う審議でもあった。議員らの質問の背景を探った。

 「今回の法整備は平和を守るもので、平和のための制限、歯止めが盛り込まれていることについてご意見をいただきたい」

 自民党の宮崎政久氏は同党唯一の沖縄が地盤の安全保障関連法案を審議する特別委員会の委員だ。沖縄でも法案に理解を得られたとの実績を得るのが、与党議員としての役割。与党推薦の参考人だけに質問を集中し、安保環境の変化や法案の重要性を強調させる想定通りの答弁を引き出した。

 同僚議員が沖縄の県民世論を「ゆがんだ」と発言したり、講師の作家が沖縄の地元2紙は「つぶれた方がいい」と発言したりした党の勉強会問題についての持論も冒頭に述べた。

 本土出身。選挙区には米軍普天間飛行場がある。選挙区では2回連続で社民党議員に敗れて比例復活。党内では2回連続選挙区で負けた「暫定支部長」に甘んじている。普天間基地を抱える宜野湾市の保守系市長が来年2月は再選を目指す。勉強会問題には触れざるを得なかった。だが、参考人には意見を求めなかった。先輩理事には「自民党らしい質問をしてくれ」と野党に揚げ足をとられないよう釘を刺されていた。