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衛星観測画像について

はじめに

 気象庁は、静止気象衛星(運輸多目的衛星ひまわり6号・7号)を用いて、雲などの観測を宇宙から行っています。 この衛星は、赤道上約 35,800 km 上空で、地球の自転と同じ周期で地球の周りを回っているため、いつも同じ範囲を宇宙から観測することができます。 これにより台風や低気圧、前線といった気象現象を、連続して観測することができます。

画像の種類

 静止気象衛星が観測する画像は大きくわけて、地球で反射された太陽光を写す「可視画像」と、雲から放出される人の目に見えない赤外線を捉える「赤外画像」と「水蒸気画像」があります。

 可視画像は、雲や地表面によって反射された太陽光を捉える画像です。雨を伴う発達した雲ほど厚みがあり、太陽光を強く反射するためより白く写るので、視覚的にわかりやすい画像です。 夜間は太陽が地球の裏側にあるため、太陽光の反射が無いことから夜間の雲は可視画像に写りません。 なお、気象庁ホームページの気象衛星画像では、朝夕や冬季など太陽光が斜めから当たって反射が弱く、暗く写る雲を見やすくするために強調処理を施しています。
 可視画像の解像度は、衛星の真下付近で1kmとなっています。

 赤外画像は、雲から放射される赤外線を捉えた画像です。放射される赤外線の強さは雲の温度により変化する特性をもっており、高い高度にあって温度の低い雲を捉えやすくより白く表現しています。 ごく低い雲や霧は、赤外画像にはほとんど写りません。 なお、高い高度の雲には、夏の夕立や集中豪雨をもたらす積乱雲のような厚い雲もあれば、晴れた日にはるか上空に薄く現れる巻雲のような雲もあります。 このため、白く写っている雲が雨をもたらすとは限りません。
 赤外画像の解像度は、衛星の真下付近で4kmとなっています。

 水蒸気画像は赤外画像の一種で、大気中にある水蒸気と雲からの赤外放射(6.8ミクロン帯)を観測した画像です。 この6.8ミクロン帯の赤外線は、大気中に存在する水蒸気によく吸収されると同時に、その水蒸気からの放射が行われる特性を持ちます。 この特性を利用して、水蒸気画像は、雲がないところでも対流圏上・中層にあるごくわずかの水蒸気からの放射を捉えることができ、その対流圏上・中層の水蒸気が多いところを白く、少ないところを黒く写るように処理が施された画像です。 水蒸気画像からは、上空の大気の湿り具合が分かるだけでなく、複数の画像を動画として見ることで、水蒸気の流れを介して上空の大気の流れを見ることができます。

画像の撮像スケジュール

 静止気象衛星は、1時間毎に全球(衛星から見える地球のすべての範囲)を、概ね30分毎に北半球(衛星から見える地球の北半分)を観測しています。 なお、3時半、9時半、15時半、21時半には、数値予報で利用する上空の風を算出するために、南半球(衛星から見える地球の南半分)の観測を行っています(詳しい観測・配信スケジュール)

 また、春分及び秋分を中心とした期間の真夜中前後には、衛星から地球を見た視線の先に太陽があり、衛星に搭載したカメラに太陽光が直接入射することを避けるため、観測画像の一部が欠けたり、観測を行わない場合があります(食運用)。 このほか、3月上旬頃及び10月上旬頃の正午前後には、地球から衛星を見た視線の先に太陽があり、直線上に並んだ太陽の影響で観測画像が乱れたり受信できないことがあります。

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