本誌の連載「電動王国」(2000年8月から2006年12月まで)および「新・電動王国」(2007年2月から2011年1月まで)にご寄稿いただいておりました、はぬま あんさんが、2011年3月27日に46歳の若さで急逝されました。
私は昨年6月から「電動王国」の連載をまとめた書籍企画に携わってきたのですが、ちょうど校正刷りの内容確認が始まった年末、はぬまさんが突然体調を崩され、急遽入院されることになりました。足りない原稿やどうしても確認をいただきたい事項があり、やむなく病床に何度かお邪魔することになりましたが、はぬまさんは嫌な顔一つせず、快く対応してくださいました。思うように体を動かせない時には、口頭で修正箇所などをご指示いただいてそれを校正刷りに書きとめたりする、ということもありました。やがて快方の兆しが見え始めると、原稿用紙やPCを病室に持ち込まれ、本になる最後の最後までご尽力いただきました。
「もうこれで修正は最後ですよね? 次に来る時は、本ができたときですからね...、あ、契約書もちゃんとお持ちしますねッ!」 それが私からはぬまさんにお伝えした最後の言葉になってしまいました。とても晴れやかな表情で、大きな仕事を成し遂げた男の顔をされていたという友人の方の言葉が思い返されます。
そして本日、はぬまさんの長年にわたる電動玩具人生の集大成とも言うべき書籍
が発刊の運びとなりました。本当は、ご本人に一番最初に手渡したかったのですが、残念ながらもう叶うことはありません。でも、きっと、頭の中では本の完成イメージができていたことと思います。お仕事のスタイルは、いつもそうでしたから...。
私自身は3年という短いお付き合いとなってしまいましたが、一緒に仕事をさせていただいたことに感謝しています。最後になりましたが、はぬまさんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。