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原発投資で最大600億円規模
東芝を揺るがす減損リスク

週刊ダイヤモンド編集部
【2014/4/23】 2014年4月23日
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1988年と89年に営業運転を開始している、サウステキサスプロジェクト原子力発電所1・2号機   Photo:AP/AFLO

 今回リスクが顕在化したのは、米国のサウステキサスプロジェクト(STP)。東芝は09年にSTPの原子力発電所3・4号機の調達・設計・建設を一括受注しており、東芝の原発ビジネスにとっては海外受注の第1号案件だった。

 ところが、福島第1原発の事故で、プロジェクトへの共同出資を決めていた東京電力が撤退。さらに、事故の余波で米国の原子力規制当局の姿勢が硬化したことを受けて、STPの事業主体だった米電力大手企業も追加の投資を打ち切った経緯がある。

 出資企業の多くは早々にSTPが頓挫したと判断し、投下資金の全額を減損処理する企業も出る中、東芝は逆に、なおも追加の資金を投入し、出資と融資の累計額で約600億円の資金を投じてきた。

 「誰も諦めたわけではない」(東芝原子力事業関係者)と、プロジェクトの存続に懸けることで、かたくなに減損を拒み続けてきたのだ。

 STPが頓挫しかかって丸2年。それまで何とか、新日本の追及をかわしてきた東芝だったが、3年目を迎えた14年3月期に入って風向きが急速に変わる。

 これまでは東芝の見解にある程度の理解を示してきた新日本だったが、投下資金の回収が可能だと判断するに足る明確な根拠の提出を、強く求めるようになったのだ。つまり東芝は、撤退した東電や追加投資を打ち切った米電力大手に代わる、新たな出資者を連れてこいと突き付けられたということだ。

 本誌1月25日号で既報の通り、東芝はSTPで発電した電力の売電契約獲得に向け精力的に動き、STP原発の周辺で電力需要があることを示す作戦に出た。そして、それを材料に出資候補企業を口説いて回っていたが、ついに新たな出資者は見つかることなく、時間切れになったというわけだ。

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