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【中高生のための国民の憲法講座】
第96講 自国の姿をイメージできるか 長尾一紘先生
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日本の国歌「君が代」の歌詞は、「君が代は 千代に八千代に さざれ石の 巌(いわお)となりて 苔(こけ)のむすまで」。小さな石(細石(さざれいし))が大きな岩となり苔が生えるまでいつまでも栄えるように、天皇を象徴としていただく日本の弥栄(いやさか)を願った歌だ。
英国国歌「ゴッド・セイブ・ザ・クイーン(女王陛下万歳)」は、「神よ、われらが慈悲深き女王陛下を守りたまえ われらが気高き女王陛下よ、とこしえに…」と始まる。
フランスの国歌「ラ・マルセイエーズ」は、「行こう祖国の子らよ、栄光の日がきた われらに向かって暴君の血まみれの旗が掲げられた…」と始まる。フランス革命で義勇兵が出陣の際に歌った由来がある。
米国の国歌「ザ・スター・スパングルド・バナー(星条旗)」は、激戦の後、暁の光のなかにひるがえる星条旗の様子を歌って始まる。米英戦争の際、星条旗を目にして感動してつくった詩がもとだという。
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【プロフィル】長尾一紘
ながお・かずひろ 中央大学法学部卒。東京大学大学院修士課程。中央大学教授を経て、現在、名誉教授。著書に『日本国憲法・第4版』『基本権解釈と利益衡量の法理』など。近著として『外国人の選挙権 ドイツの経験・日本の課題』。72歳。