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宮崎・串間に路面電車車両、にぎわいへ「出発進行」
宮崎県の最南端、串間市のJR串間駅近くにレトロな路面電車1両がお目見えした。今後、車内や周辺に観光案内所や飲食スペースを整備する。地元協議会が、にぎわいの拠点にしようと広島市の広島電鉄から購入して設置した。
電車は昭和25年製造の750形、屋根以外は木造でベージュと茶色の外装が特徴。大阪市電の廃止で広島電鉄に移り、平成26年3月まで現役だった。電車を置くため、長さ約15メートルのレールも、くま川鉄道(熊本県人吉市)から購入した。
協議会は、串間駅に近く、大正8(1919)年に建てられた近代和風建築の国指定重要文化財「旧吉松家住宅」を中心に、レトロなまちづくりを目指している。木材の商いで財を成した吉松忠敬が、国鉄日南線(当時)の敷設に尽力した歴史から、鉄道にちなんだ施設を思いついた。
くしままちづくり協議会の喜多祥一会長(51)は「人が集まる空間にして地域活性化の第一歩にしたい」と語った。