ふるさと再生 日本の昔ばなし 2015.07.05


昔むかしあるところにたいへんあわて者の男が妹と住んでいました。
しまった寝過ごした。
おい起きろ!めしだ!いや暇がない支度だ!弁当にしよう!え〜い間に合わねえやいってくる!あれ何か忘れてるぞ。
何だろう?そうだ弁当だ。
わっ!どうしたんだいそんなにあわてて。
イタタタ…俺あわてて忘れ物を。
下!下!ん?ありゃ〜。
どうりで歩きにくいわけだ。
あんちゃんその着物私のもんだよ。
あ〜気がつかなかった。
どうりで派手なわけだ。
はいお弁当。
すまねえ。
親方に叱られないようにね。
わかってるよじゃあな!あれまだ何か忘れてきてるような…。
そうだ!わっ!イテッ…。
あ〜また忘れた。
何だっけ?道具箱でしょ。
そうそう。
今度は大丈夫?心配すんな。
じゃあな。
あれ今日はどこで仕事をするんだっけ?おっとうとおっかあの留守の間はあんちゃんと2人でこの家を守らなくちゃならないのに。
あんちゃんったら…。
ただい…わっ!
(いびき)あんちゃんの粗忽はいったい誰に似たんだろう。
おっとうもおっかあもしっかり者なのに。
しまった寝過ごした!めしだ弁当の用意しろ。
あんちゃん!なんだ?夢でも見たんだろまだ夜中だよ。
なんだ夢かじゃあ寝よう。
ホッ…。
薬師さんに信心したらあわてん坊も少しはおさまるかもしれんよ。
どうじゃろ?うんそりゃいいかもしれねえな。
アホーアホー。
じゃあ早速。
もう日が暮れとるから明日にしよう。
そうかじゃあ明日は早立ちするから弁当たのむ。
ちゃんと起こせよ。
はいはい。
あんちゃんあんちゃん起きて!いかん寝過ごした!あんちゃん待ってお弁当!しようがないわねぇ。
しまった弁当を忘れてきた。
わっ!あんちゃん。
あんちゃんこれ。
おっと。
あっお弁当。
あれおかしいな〜また何か忘れてきたような…。
う〜ん思い出した!おっと今度はつまずかねえぜ。
ところで俺はどこへ行くんだっけ?薬師様へお参りにいくんでしょ。
あぁそうだったハハッ。
じゃあなうわっ!気をつけて行っておいで。
まったくそそっかしいわね。
あっ!またお弁当渡すの忘れちゃったわ。
「あわてん坊がなおるようにあわてん坊がなおるように」「あわてん坊がなおるように」お賽銭どうしよう?ケチってもご利益ねえだろうし。
一文銭か銭差かう〜ん。
まあ今回は一文銭で勘弁してもらおう。
ほれ…あっ!間違って銭差を投げちまった。
くぅ〜。
あ〜取れねえ。
手が届かないチクショウ。
神様たんまりお賽銭出したんですからご利益のほうお願いいたしますよ。
なんか腹が立ったら腹が減ってきた。
めしにするか。
あ〜!こりゃあ枕じゃねえか。
枕が食えるか。
妹のあわてん坊めが…ったく。
ん!?餅屋があるぞ。
何だい?一文じゃ小せえほうしか買えねえのか。
でっかいほうが食いてえな。
う〜ん。
(お腹が鳴る音)1つもらうよ。
銭はここに置いとくから。
あちょっと!お客さんそりゃ見本の木型だがね。
硬くてもかまわねえ。
やっとありつけるぜ。
いただきま〜す。
うわぁ〜。
餅がカチカチに硬くなってるじゃねえか。
こんなものが食えるかってんだ!餅屋めバカにしやがって。
うっ!亭主!こんな硬え餅は食えねえから返してやる。
なんじゃ?だからただの木型じゃと言っとるのに。
クソ〜妹のやつめ。
え〜い腹が立つ!あっあんちゃんおかえり。
妹のやつめ!痛い!何すんの。
あっ!おっかさん来て。
またお前か!しょうこりもなくハーッ!ヒーッひと間違いだ。
うわぁ〜!あんちゃんどうしたの?ヘヘッ…ただいま。
はぁ〜あんちゃんのあわてん坊はいったいいつになったらなおるのかねぇ。
早く起きな。
こんなこともあろうかと思って枕を持っていったんだ。
ヘヘヘヘヘ。
昔むかしあるところに猫の絵ばかり描く若者がおりました。
若者は家の手伝いなどまったくせずただただ猫の絵ばかり描いていました。
あの子はいつも猫の絵ばかり描いて働こうという気はないのでしょうか。
絵描きになったとてきっと苦労するに違いない。
どこか商家へ奉公に出すとしようか。
父上母上…私は絵の道を極めとうございます。
どうか修業の旅に出ることをお許しください。
ななんと!?はぁ〜。
翌朝若者は絵の道具を持ち旅に出ました。
若者は絵を描きながら方々を巡り旅を続けました。
あるとき古いお寺にたどり着きました。
もしどなたかおりませんか?雲辺寺いい名前だ。
それにしても誰もいないのかな?この寺にゃ誰もいねえよ。
化け物が出るようになって坊さんたちはみんな逃げ出してしまったんじゃ。
化け物?しばらくここに世話になろうと思ったんだが。
ここには泊まらんほうがええ。
しかし若者は他に行くあてもないのでその晩は寺で過ごすことにしました。
静かなよい所ではないか。
(物音)
(物音)うわっ!うお〜!ニャー!ん?ゆ…夢ではなかったのか。
もしや!ここれはゆうべ私が描いた猫の絵ではないか。
この絵が私を助けてくれたのか。
若者はこの寺でならいくら絵を描いても誰の迷惑にもならないだろうとここに住むことにしました。
そして命を助けてくれた猫の絵をご本尊様の隣に掲げました。
この不思議な出来事があってから若者は寺にある経や書物で仏の道を熱心に学びやがてこの寺の住職になりました。
(読経)ある日住職がお経を唱えていると掛け軸の中の猫が飛び出してきました。
ニャ〜。
いったいどうしたことじゃ。
お前はいつか私の命を救ってくれたあの猫か。
ニャ〜。
うん。
住職は絵から出てきた猫を寺の名にちなんでうんぺんと名づけてかわいがりました。
うんぺんや。
ニャ〜。
お〜よしよしよしよし。
それから何十年もの時が経ち寺の建物はだいぶ古くなりました。
そして住職もすっかり年をとりました。
ニャ〜。
なんだいうんぺんやお前もずいぶん長生きじゃのう。
ニャ〜。
ここれはどうしたことじゃ!?ご住職様どうか驚かないで聞いてください。
私は長生きしすぎてとうとう猫又になってしまったのです。
そろそろ山奥へ帰ります。
そうかそれは寂しいのう。
どうか達者で暮らせよ。
ああ2〜3日したら隣村の分限者の家で葬式が出ます。
住職様は何が起こってもそこでお経を唱え続けてください。
よいですか?お経を唱え続けるのですよ。
そう言ってうんぺんは姿を消しました。
数日後住職が隣村へ行っての帰り道たいそう立派なお葬式とすれ違いました。
《もしやうんぺんが言っていたのはこのことか》あっ。
あっ。
(みんな)あ〜。
化け物じゃ化け物が現れたぞ。
大変じゃ!仏さんが連れ去られてしまう。
(読経)うわ〜。
ここれまでじゃ。
ううんぺん?お達者で〜。
(みんな)お〜。
お〜しずまった。
あありがとうございます本当にありがとうございます。
ありがとうございます。
あう…うんぺん。
住職の評判は村を越えて広く知れ渡り檀家も増え寺は立派になりました。
そして住職は暇さえあれば猫の絵を描いていたということです。
昔山深くに山おりと呼ばれる長者屋敷があった。
長者の一人娘はちょうど年ごろ。
わしが婿に来て富も増えた。
娘の婿にはこの富を守る猛々しく強い男を探したい。
それじゃこうしたらどうです?庭のはずれに糠やもみ殻の置き場がある。
その山が消え大岩に変わった。
エヘヘヘどうじゃ?この岩で強い人を見つけるんですか?なんじゃなんじゃ?何と書いておる?大岩くらい山仕事で鍛えたこの腕で投げ飛ばしてくれるわ。
そうじゃそうじゃ。
けれど村の力自慢はそそり立つ大岩を前にするや誰もが退散した。
娘がまだ小さい頃長者は山への立ち入りを禁じました。
それを聞いた母親は嘆きました。
山菜を採るのを村の人たちは楽しみにしていたのにある日母は娘に言った。
よいですか。
人は強さだけでなくもっと大切なことがあるのですよ娘は今は亡き母の言葉を思い出していた。
ワハハハ村の者など数に入れておらん。
噂が広まればそのうち諸国からつわものがやってくるわい。
なるほど恐れ入りましたエヘヘ。
《強いだけの男は嫌じゃ。
この人ならと思える人でなければ…》やがて噂が広まり力自慢が屋敷へ向かった。
娘は貧しい子守の姿になって道へ出た。
足をくじいてしまってどうか助けてください。
一番乗りで大岩をどかすのだ。
邪魔するな。
あんな人は嫌じゃ。
足を痛めたふりをしてどんな男か見極めようと考えたのだった。
う〜えい!う〜。
そのとき子守歌が聴こえてきた。
「ねんねこ子んぼこでこぼこの」「目玉怖いぞ耳つかめ」岩の耳かこれか。
しかしつかめばつかむほど手が滑り…。
目玉が光った!怖いよ〜。
くぼみには鏡が仕掛けてあった。
そしてまた力自慢の男たちが来た。
足をくじいてしまってどうか助けてください。
これで誰かにお頼み。
お金…。
大岩をどかせば私は長者の跡継ぎ。
はした金は目じゃないの。
あんな人は嫌じゃ。
こんな大岩どうということはなかろう。
もっと力を込めてほら!え〜い押せ押せ。
う〜。
押せ押せ!「ねんねこ子んぼこでこぼこの」「目玉怖いぞ耳つかめ」耳つかめって耳そこじゃない。
あ〜もっと右だもっと右!うわ〜目玉!なんじゃ中に大男が入っていたのかインチキしおって。
ある日娘は道を急いでいて…。
キャー!イタタタタ…。
本当に足を痛めてしまった。
どうしたケガしているのか?粗末な身なりの若者だが目は澄んでいた。
あありがとうございます。
送っていこうさぁ遠慮はいらぬ。
でも屋敷にいらっしゃるのでは?ハハハ運試しをしようと思うたがかまわぬ。
運試しはいつでもできよう。
若者の歩みに合わせるように娘の心に温かなものが流れてきた。
娘さんここで働いてるのか?どうぞ運試しをなさってください。
《さぁこの大岩をどうしたものか?》《油か》簡単に持ち上げられぬよう岩の表面に薄く油が塗られていた。
《強さよりもっと大切なものあの人ならきっと…》《これは糠ともみ殻だ》「ねんねこ子んぼこでこぼこの」「下の下には竹の骨」糠やもみ殻が滑り止めになり若者は竹の骨組みごとぐいっと持ち上げた。
う〜ん。
やぁ!大岩は竹の骨組みの上に紙を貼り糠の山にかぶせた張り子の岩だった。
ウフフ。
こうして若者は娘の婿になった。
強さよりも大切なものそれは若者が娘に見せた温かな心根だった。
山おりの屋敷を継いだ後も若者は富に溺れることはなかった。
長者が立ち入りを禁じた山を村のものとし村人たちは自由に入れるようになった。
そして夫婦はいつまでも仲よく暮らしたという。
2015/07/05(日) 09:00〜09:30
テレビ大阪1
ふるさと再生 日本の昔ばなし[字][デ]

「あわてものの話」
「雲辺寺(うんぺんじ)の猫」
「山おり長者」
の3本です。みんな見てね!!

詳細情報
番組内容
私たちの現在ある生活・文化は、昔から代々人々が築き上げてきたものの進化の上にあります。日本・ふるさと再生へ私たちが一歩を踏みだそうというこの時にこそ、日本を築いた原点に一度立ち返ってみることは、日本再生への新たなヒントになるのではないでしょうか。
この番組は、日本各地に伝わる民話、祭事の由来や、神話・伝説など、庶民の文化を底辺で支えてきたお話を楽しく伝えます。
語り手
 柄本明
 松金よね子
テーマ曲
『一人のキミが生まれたとさ』
 作詞・作曲:大倉智之(INSPi)
 編曲:吉田圭介(INSPi)、貞国公洋
 歌:中川翔子
 コーラス:INSPi(Sony Music Records)
監督・演出
【企画】沼田かずみ
【監修】中田実紀雄
【監督】鈴木卓夫
制作
【アニメーション制作】トマソン
ホームページ
http://ani.tv/mukashibanashi

ジャンル :
アニメ/特撮 – 国内アニメ

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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