福島をずっと見ているTV vol.48「MY FUTURE 南相馬」 2015.07.05


最近インターネットで公開された南相馬のプロモーションビデオがあります。
出演しているのは南相馬の人たちです。
制作したのは東京で映像関係の仕事をしている…ふだんはテレビ番組のタイトル映像やミュージックビデオなどを手がけています。
地元の人たちの思いが知りたいと何度も南相馬に足を運んだくろやなぎさん。
そこで出会った人たちに「南相馬の未来」をテーマにあいうえお作文を書いてもらいそれをラップにして歌ってもらいました。
参加したのは高校生からお年寄りまで総勢22人。
今日はくろやなぎさんの映像を通して南相馬に暮らす人たちの言葉に込められた思いを見つめます。
今年に入って南相馬では復興に向けて大きな変化がありました。
関東と東北の海沿いをつなぐ常磐自動車道が今年3月に全線で開通。
南相馬にも新しいサービスエリアがオープンしました。
また原発から20キロ以上離れた地域では今年から多くの農家が米作りを再開。
それまで雑草が生えていた水田に田植えが行われた事で震災前の風景がまた一つ戻ってきました。
くろやなぎさんが撮影を始めたのは今年2月。
まず最初に訪れたのは仮設住宅です。
ここには同じ南相馬市の中でもまだ避難指示が解除されていない小高区の人たちが暮らしています。
集会所では週に1度の手芸クラブの集まりが開かれていました。
この日みんなで作っていたのはひな祭りのお飾りです。
デザインの専門学校を卒業しているくろやなぎさん。
早速輪に加わります。
違うな。
(笑い声)自分の洋服の組み合わせのつもりしてやればいいわけ。
和気あいあいとした雰囲気の中「南相馬の未来」をテーマにあいうえお作文を書いてもらう事に。
ただ作文を書いてもらうだけでなく一人一人に話を聞く事をくろやなぎさんは大切にしていました。
岩崎則子さんは震災の年の10月から夫と2人でここの仮設住宅に暮らしています。
今原町?ここ鹿島だから。
(くろやなぎ)作るんですか?あ新しく。
震災が起こり家族は離れ離れの暮らしになってしまいました。
避難場所を転々としている最中義理の母親を病気で亡くしました。
全くな…。
岩崎さんの作文には震災で離れて暮らす家族への思いがつづられていました。
・「み皆バラバラ」・「ななみだがでます」・「み未来」ごめん。
(くろやなぎ)そうだよね。
これは気持ちが入っちゃうからね。
ごめんね。
(くろやなぎ)いえいえ大丈夫です。
ちょっとあとにします?すみません。
(岩崎)ごめん駄目だ思い出して。
そうですね。
ごめんね。
(くろやなぎ)いえいえとんでもないです。
俺だって毎日夜泣くんだから。
枕なんかビチョビチョだよ。
(笑い声)震災後の不安な日々を支え合ってきた小高区の人たち。
実は来年の春には避難指示が解除される予定です。
またバラバラになってしまうみんなの未来を思って自治会長の藤島さんはこんな言葉をつづりました。
藤島さんのなんか…「うれしい事や楽しい事で一杯になってて欲しい」っていうのはね本当そう思いますね。
うん。
皆さんこう…集まってる時はすごくね楽しい雰囲気でワイワイってされてるけどやっぱりいっぱいこう胸の中にしまってる事がたくさんあって。
口に出すのってエネルギーが要るんだなって思いましたね。
なんかこれ撮影初日だったんですよ。
うん。
あっそうなんですか。
それでやっぱりこう…皆さん未来の事を考える時にどうしてもやっぱり震災の事を。
つらい気持ちにさせてしまって。
この企画駄目なんじゃないかってすごい初日で思って。
やっぱりなんかその…未来の事をテーマにしているのでまぁ今日から先の事だと思ってたんですよね最初。
だけどやっぱりその…震災4年たってるんですけど4年前の事からやっぱりそういういろいろつらい言葉だったりそういう言葉が出てきたので。
そこは僕全然想像してなかった事でそこにすごい戸惑いましたね。
一方まぁ一方でというかあのVの中でもありましたけどこれからの事っていうのをね。
そうですね。
さっき過去と未来で過去はつらい事未来はきっと明るい事って。
まぁなんかそういうふうに捉えるだけではやっぱ済まないというかね。
あの…大きな決断をずっと迫られ続けてるじゃないですか。
あの…どこに帰るのか帰らないのか。
いつ帰るのかとかね。
やっぱり皆さん震災後にいろんなあの…避難してたんですよね。
いろいろ場所を変えて避難していて。
やっとまぁ1か所に落ち着いてまぁ生活にも徐々に慣れてきて。
そこで人間関係も出来てきて息抜きもできるスペースも出来て。
そういうところにまた現実がドーンと迫ってきて。
あんまり手芸クラブの時は全然そういう事出さないんですけど。
でもなんかそういう気持ちをかいま見れる瞬間みたいなのがあったりして。
さっきの岩崎さんとかは1回カメラ止めたんですけどやっぱりもう一度やりたいっていうふうに言ってくれて。
やっぱり南相馬のすごい思いを皆さん出してくれてるのでこれは本当に最後まで完成させて1人でも多くの人に見てもらいたいなっていうふうに思いました。
今回のプロジェクトには若い人たちも参加しています。
佐藤光輝さん27歳。
震災がきっかけで地元に戻り実家の内装業を手伝っています。
光輝さんがこの日仕事に向かったのは南相馬市小高区。
来年春の避難指示解除に向けて除染作業が進められています。
震災後人が住んでいなかったため傷んでしまった家を直してほしいという声が最近よく掛かるようになりました。
この地域にはまだ人は住んでいませんが復興関係の人たちが温かい食事が食べられるようにと町で1軒だけ食堂がオープンしました。
ありがたいと思いますね。
町の復興のためには若い力が必要だと強く思う光輝さんです。
「明るい南相馬にしたい」。
特に若い世代にはそんな前向きなメッセージが目立ちました。
佐藤南海さんと佐藤七海さんは地元の農業高校に通う3年生です。
震災当時は中学1年生でした。
佐藤七海さんは津波の被害を受けても力強く浜辺で咲いていた「ハマナス」という花を研究しています。
せっかく津波から生き残ったハマナスですが震災後の復旧工事で生息地が失われつつあるといいます。
そこでハマナスの繁殖方法を研究し復興のシンボルとして町のあちこちで咲かせたいと活動しています。
七海さんが思い描く南相馬の未来です。
一方佐藤南海さんは菜の花を使ったバイオガスを研究しています。
菜の花は放射性物質を吸着するという事で震災後たくさん植えられました。
これを他の事にも活用できないかと考えたのです。
菜種油を搾ったカスからバイオガスを作る事を南海さんは思いつきました。
(ガスに火がつく音)うわっ!将来的にはこのバイオガスを使って温室を暖めるなど農業のためのエネルギーとして使っていきたいと考えています。
県内の高校生が集まり農業研究の成果を発表するコンテストに南海さんは学校代表の1人として出場しました。
津波による塩害と放射性物質による汚染の2つの問題を抱えている南相馬。
なんとかしたい!この大きな課題を克服するため私たち相馬農業高校農業クラブは地域の皆さんと共に菜の花プロジェクトに取り組んでいます。
3人の審査員を前にこれまでの研究成果を熱く語りました。
私は菜の花プロジェクトからバイオガスという新しい分野に挑戦します!そしてその成果が新しい農業新しいエネルギーを生み出します。
ふるさと南相馬が環境に優しい農業都市へと発展するためにこれからも歩み続けていきます!以上で発表を終わります。
そして迎えた結果発表。
(審査員)区分環境。
最優秀「大地からのエネルギー〜菜種カスのバイオマス活用に着目して〜」。
福島県立相馬農業高等学校佐藤南海さん。
はい。
先生や仲間たちと積み重ねてきた研究成果が認められました。
南海さんだけでなく団体部門に参加した七海さんのチームも最優秀賞を獲得。
次は東北大会へ出場します。
南海さんは将来地元の役に立つ仕事に就きたいと考えています。
なんかすごくキラキラして見えました。
これからの未来をつくっていくんだな〜って感じがやっぱりして。
やっぱり若い子たちはとにかく未来。
でこれからいろいろ動きたいっていう事が言葉にもすごい込められているように感じて。
そういうパワーって言葉だったりラップですごい伝わってくるので。
なんかもうみんな南海ちゃんも七海ちゃんも光輝くんも自分のやりたい事で活動してるじゃないですか。
それすごいうれしいなと思って。
なんかあの…よく「笑顔」とか「仲間」とか。
まぁこういうところにもたくさん出てきているけど。
その…これからの事として「笑顔」とかこれからの事として「仲間」っていうね言葉を使っていた時期ってあったと思うんですよ。
「仲間をつくろう」。
今は1人だけどとか。
「笑顔になろう」。
今は前を向けないけどってね。
その時のその言葉たちってすごい苦しいものがあると思うんだけど。
多分今彼らが使っている「仲間」っていう言葉だったり「笑顔」っていう言葉は仲間のすばらしさやね笑顔である事のこううれしさを体験してるからすごくその言葉のこう持つ力があるというか。
そこはちょっと変わってきてるんじゃないかなって思いますね。
あの…ないものとしての仲間じゃなくて。
今あるものをもっと大きくしたいっていう意味のなんか仲間っていうふうに感じてそれがいいなって思いました。
でまぁあの南海ちゃん七海ちゃんには会いたくなるね。
そうですね。
なんか会いたいね。
(笑い声)すごく魅力的でしたよね。
なんか好きになっちゃった。
だから見に来てほしいんですね。
実際県外から南相馬に。
すごい面白い人ばっかりで。
だからあの子たち同士も仲間だしくろやなぎさんと彼らも仲間だけどあの映像見た人もなんか彼女たちの友達になっていくっていうかね。
そういう役割をこの「MYFUTURE南相馬」が果たせるんじゃないかなって思いました。
まぁこの番組もそうじゃなきゃと思うんですけどね。
今年6月完成した映像を持ってくろやなぎさんは4か月ぶりに仮設住宅を訪ねました。
・「み皆さん」な何を考えてるの」・「み未来のこと明日のこと」・「そ空海山大地自然のこと」・「う生まれたことふるさとのこと」・「まMYFUTUREMINAMISOMA」
(笑い声)
(拍手)上映会の途中岩崎さんが帰ってきました。
夫と2人で新築中の家を見に行っていたそうです。
皆さんも元気で。
(笑い声)岩崎さんにも映像を見てもらいました。
ありがとうございました。
(拍手)岩崎さんも少しずつ前を向き始めていました。
くろやなぎさんはこれからもこのプロジェクトを続けていきます。
突然ですがこれからの生活で望む事は何ですか?2015/07/05(日) 00:30〜00:55
NHKEテレ1大阪
福島をずっと見ているTV vol.48「MY FUTURE 南相馬」[字]

南相馬の人たちに“未来”を語ってもらいプロモーションビデオにしてネット配信するプロジェクトがある。今回はその舞台裏を追い、南相馬の人たちの今の思いを見つめる。

詳細情報
番組内容
テレビ番組のタイトル映像やミュージックビデオを手がける映像作家・くろやなぎてっぺいさん。震災から4年たった今、自分にできることは何かを考え南相馬のプロモーションビデオを制作することに。“町の未来”をテーマに「みなみそうま」の6文字であいうえお作文をつくってもらいラップ調で歌いあげてもらう。参加した南相馬の人たちが、言葉に込めた思いとは?箭内道彦さんと合原アナとともに、南相馬の人々の思いを見つめる。
出演者
【ゲスト】映像作家…くろやなぎてっぺい,【司会】箭内道彦,合原明子,【語り】相沢舞

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

OriginalNetworkID:32721(0x7FD1)
TransportStreamID:32721(0x7FD1)
ServiceID:2056(0x0808)
EventID:4783(0x12AF)

カテゴリー: 未分類 | 投稿日: | 投稿者: