報道特集【報道圧力発言を考える▽蚊を媒介とした感染症】 2015.07.04


日本の19件目の世界遺産となるのだろうか。
ドイツ・ボンで続いているユネスコの世界遺産委員会で日本時間の今夜行われる予定だった明治日本の産業革命遺産の審議が延期される可能性も出てきた。
日韓で対立していた、ある争点をめぐる調整がいまだについていないためと見られる。
8つの県にまたがり23の施設から構成される産業革命遺産。
これについて当初、韓国は、造船所や工場など7カ所で戦時中、5万7000人の朝鮮半島出身者が強制徴用されたとして反発。
その後、先月の日韓外相会談で世界遺産登録へ向け、お互い協力することで合意した。
しかし…世界遺産の審議が行われている会場なんですが、その隅の方では韓国の代表団による委員会への働きかけがまだ続いています。
ふたを開けてみると、会場では連日韓国政府側が委員国などに対するロビー活動を展開。
日本へのネガティブキャンペーンを続けていた。
日本の産業革命遺産を世界遺産に登録すべきだと勧告したユネスコの諮問機関、イコモスのトップにも韓国側は接触していた。
韓国側は、審議に当たり何らかの形で強制労働に近い言葉を公式文書に掲載するよう求めている。
一方、日本側も内閣官房参与に任命されたばかりで安倍総理と昵懇の都市経済評論家、加藤康子氏を中心に委員国に働きかけを行った。
産業革命遺産の世界遺産登録は、もともと彼女からの提案だっただけに必死。
事前の調整を求める日本と韓国はギリギリの交渉を続けているが、いまだに折り合いがついていないものと見られ、日本時間今夜に予定されていた審議も延期される可能性が出ている。
ドイツのボンで開かれている日本の産業革命遺産に関する審議の行方が不透明になってきているようです。
早速現地から伝えてもらいます。
私の後ろでは今、イランの新規登録に関する案件について審議が行われています。
順番で言います日本はこの後5時間後、日本時間の午後10時頃から始まる予定でしたが、先ほどこの日程に関して調整中という情報が入ってきました。
審議が延期される可能性も高まっています。
日本と韓国の両政府は、ギリギリの交渉を続けていて日本の内閣官房の関係者は理論上、あらゆる事態があり得ると話し、韓国の関係者も昼にもう一度スケジュールを調整すると話しています。
この場で、強制労働に関して発言しようとする韓国とそれを阻止しようとする日本側の話し合いは完全にはうまくいっていないようです。
先月の日韓外相会談で楽観視された世界遺産登録ですが、こちらに来ている自治体の首長からも困惑の表情が見てとれます。
ギリシャではEUの緊縮策受け入れの是非を問う国民投票を5日に控え、賛成派と反対派の双方が集会を開き、支持を呼びかけた。
最新の世論調査の数字を見ても賛成派と反対派がほぼ真っ二つに分かれていて、予断を許さない状況。
大勢の市民に前に今、チプラス首相が姿を見せました。
国民投票で反対を投じるよう、直接呼びかけるためです。
チプラス首相は国民投票について、ユーロ圏離脱の是非を問うものではないと市民の不安を打ち消した上で、EU側との交渉でよりよい条件をかち取るため反対票が必要だと説明した。
チプラス首相に反対する市民の集会ですが、先ほどから民主主義、ヨーロッパにはイエスだという大きな声が響いています。
一方、首相支持派の集会の近くでEU支持派およそ1万人が集会を開いた。
最新の世論調査では、緊縮策受け入れ賛成派と反対派の差はほとんどない。
今日午後、大分県別府市の大分自動車道で観光バスが横転し、広島県から訪れていた乗客ら14人が病院に運ばれ、手当てを受けている今日午後1時半頃、大分県別府市の大分自動車道下りで観光バスが横転した。
この事故で乗客の男女13人全員と運転手が病院に運ばれた。
全員意識があるが、数人がケガをしているとのこと。
乗客は広島県の会社から研修旅行で宿泊先の別府温泉に向かう途中だった。
現場は緩やかな右カーブで、事故当時、雨が降っていた。
運転手は、ブレーキを踏んだところスリップしたと話しているとのこと。
不適切な会計処理が発覚した東芝はこれまで公表していたおよそ550億円の営業利益の水増し額が、1000億円を超える規模まで膨らむ見通しとなったことがわかった。
東芝をめぐっては、既にインフラ事業や電力メーター事業などで不適切な会計処理が発覚し、2014年3月期までの5年間で、およそ550億円の営業利益の水増しが明らかになっている。
関係者によると、外部の専門家で構成される第三者委員会がさらに調査を進めたところ、テレビや半導体などの事業でも不適切な会計処理が見つかり、利益の水増し額は、合わせて1000億円を超える規模まで膨らむ見通しになったとのこと。
第三者委員会は今月中旬をメドに調査結果を発表する方針だが、経営陣の責任を問う声がさらに強まることは避けられそうにない。
拉致の再調査開始から今日で1年。
北朝鮮が調査結果の報告延期を通告してきたことに対し、拉致被害者の家族会は、北朝鮮に強い姿勢を示すべきだと日本政府の厳しい対応を求めた。
拉致被害者の家族会は、週明けにも山谷拉致問題担当大臣と面会し、日本政府が北朝鮮に強い姿勢をとるよう直接訴えることにしている。
報道機関に対する圧力発言で処分を受けた自民党の井上貴博衆議院議員が初当選時に党から受け取った1300万円の寄付金を選挙運動費用収支報告書に記載せず、昨日になって訂正していたことがわかった。
井上貴博氏は、2012年12月の総選挙で福岡1区から出馬して初当選した。
その際、自民党本部から井上氏が代表を務める支部に入金された1300万円を井上氏が寄付金として受け取っていた。
ところが、選挙運動費用収支報告書には記載しておらず、指摘を受けて昨日、選挙管理委員会に修正を届け出たとのこと。
井上氏の事務所は、記載漏れがあったので訂正したと話している。
井上氏は先月、自民党本部で開かれた若手議員の勉強会で報道機関への圧力に同調する発言を行い、厳重注意の処分を受けている。
トンガを訪問中の皇太子ご夫妻が国王の戴冠式に出席されました。
2年2カ月ぶりの海外公務を雅子さまはにこやかに務められました。
ベージュのロングドレスに身を包み、皇太子さまとともに笑顔で会場入りされる雅子さま。
日本時間の午前6時頃から始まったトンガのトゥポウ6世国王の戴冠式には1000人以上が参列し、荘厳な雰囲気の中、行われました。
皇太子ご夫妻は、王族の人々らと国王のすぐそばで、その様子を見守り、国王に王冠が授けられると拍手を送られました。
会場を出る際には国民から歓声が上がり、ご夫妻は、笑顔で手を振って応えられました。
引き続き王室主催の昼食会に出席した皇太子ご夫妻は王族の人々らとメインテーブルに座り、和やかに懇談されました。
現地時間の夜に開かれたトンガ政府主催の夕食会には皇太子さまがお一人で臨まれました。
2年2カ月ぶりの海外公務となった雅子さま。
5時間にわたる行事でしたが、落ち着いた様子で、終始にこやかに臨まれていました。
アメリカ・フロリダ州の法廷で、被告の男が突然、裁判官の目の前で号泣。
一体、何が起きたのか。
強盗の罪で起訴された被告の顔を見て、裁判官がふと気づいた。
裁判官と起訴された被告は中学の同級生。
思わぬ場所での再会に、被告の男は涙を流す。
マスコミを懲らしめると言った国会議員らが今度は国民から懲らしめられ、総理は、ようやく謝罪しました。
自民党若手議員の会合で飛び出した暴言の背後には、一体何があるのでしょうか。
永田町と沖縄で取材しました。
一連の報道圧力発言から1週間あまり、昨日、国会で安倍総理が初めて陳謝した。
事の発端は、先週開かれた会合での自民党議員の発言だった。
作家の百田尚樹氏を講師に安倍総理に近い議員が出席していた。
大西、井上両氏は広告主を通じて報道機関への圧力を求めるような発言をした。
また、長尾敬氏は沖縄の地元紙を批判した。
この長尾氏の質問に対し、百田氏は沖縄の2つの新聞はつぶさないといけないなどという発言をした。
安保関連法案の審議の最中、身内から出たこれらの発言に自民党内では波紋が広がった。
報道機関への圧力発言に対して自民党は、会合の責任者だった木原稔青年局長を更迭、そして、発言した3人を厳重注意処分とした。
だが、マスコミを懲らしめるなどと発言した大西氏は今週になっても持論を展開した。
マスコミを懲らしめる気があると明言した大西氏に対し、自民党は、2度目の厳重注意処分を下した。
繰り返された圧力発言、その余波はさらに広がった。
自民党執行部が報道圧力発言の影響を最小限に抑えようと引き締めを図る中、今週水曜日、自民党のいわゆるハト派若手議員が勉強会を開催した。
講師に招かれたのは、政治学者の御厨貴氏。
およそ20人の議員が集まった。
開始直前、主な部分は非公開と決まった。
5月に始まった、この勉強会。
今回の安保関連法案に批判的な漫画家の小林よしのり氏を招く予定だった先月の会合は急きょ中止に追い込まれた。
中止された理由について、小林氏はブログにこう記している。
中心となっている議員に、日下部キャスターが訪ねた。
今回の勉強会について、党の執行部なり、その他の方からいろいろ指導とか何かありました?党内、非常にピリピリした空気ってあるんですか?多様な議論というのを活発に交わしながら、その中で、党としての意見を収れんしていくというのが本来あるべき姿なんですけれども、どうも今の執行部って神経質になり過ぎてて、議論の段階からコントロールしようなんてことを考えてるんじゃないかという雰囲気も私たち感じるんだけど?自由な議論が党内から失われつつあると嘆く自民党議員がいる。
孤独な自民党議員として紹介された村上誠一郎元行革担当大臣。
我が愛する自民党と、我が愛する日本が誤った道に踏み出さないように、何としてでもここはもう一度考え直してほしいと。
正直申し上げて、このようなことを党内で言い続けるということは、なかなか大変なことであります。
安保法制反対の立場をただ一人鮮明にしている村上氏に聞いた。
内閣の一部局である法制局長官が解釈で変えられるという道筋をいったんつけたら。
なぜ与党である自民党内で、明らかに反対しているのは1人しかいないかということは国民みんな不思議に思ってると思うんです。
この間、OBの方たちと会ったんですがOBの方たちはほとんど、あんたの言うのは正論だと。
もっと言うと、経済界もそうだし、ところが永田町に一歩入ると、それも永田町のまた一歩、党本部に入るとちょっと少数になっちゃうんですね。
今でも、この部屋に来て、あんたの言うとおりだと、憲法を改正してやるのが筋だという人がしょっちゅう来られて、言ってくれます。
インタビュー中に電話があった。
密かに応援してくれる議員からだと言う。
おわかりだと思うんだけど、OBに当たってみると。
何も一匹狼でも何でもないんですよ、いるんですよ、みんな。
声を上げられないのは昔と違って派閥が弱体化し、党の幹部に権力が集中していることが大きいと村上氏は話す。
ところが今、ご承知のように選挙もポストも、選挙資金も人事も、党幹部が握っちゃうと誰も守ってくれなくなるから。
私が最初からこの問題にたとえ一人でも警鐘を鳴らそうと思ったのは、このまま民主党も自民党も、不信感持たれて、本当の政治不信が起こったときにまた再び、昔のような状況が起きないとも限らないという懸念があったからこそ…。
そのときに比べても、そういうことに対して警鐘を鳴らす人が少な過ぎるんじゃないかなと。
おととい、沖縄の新聞社、「琉球新報」と「沖縄タイムス」の編集局長が東京で会見を行った。
沖縄の2紙をつぶさないといけなという百田氏の言葉には非常に憤りを感じております。
民主主義の根幹である表現の自由、報道の自由を否定する暴論だと受け止めております。
自民党の勉強会で発言が出て以降、沖縄の2つの新聞には、戦前を思い起こさせるという内容の見出しが並ぶ。
その危機感の背景には、沖縄の地元紙としての原点がある。
「琉球新報」は1940年、国策によって他の2紙と統合され、「沖縄新報」となった。
これは1945年4月29日の「沖縄新報」の紙面。
アメリカ軍との地上戦で、多くの県民が犠牲となっている最中だったが、戦意高揚のための記事が並ぶ。
県民の4人に1人が命を失った沖縄戦。
「琉球新報」の潮平編集局長は、今年の慰霊の日の署名記事で、新聞が戦争遂行に協力したことを、こう表現していた。
慚愧に堪えないという言葉を使いました。
これは先輩たちを責めるということだけではなくて、自戒を込めて、我々は同じ過ちを繰り返さないという意味で。
沖縄戦終結後、「ウルマ新報」として再出発。
その後、「琉球新報」の名前を復活させ、民主社会の建設を社是として報道を続けてきた。
「琉球新報」も、ずっと報道でもそういう主張をします。
今週も「琉球新報」では、一連の発言を受けた紙面づくりが続いた。
今日、東京で開かれています「琉球新報」と「沖縄タイムス」の両編集局長が日本外国特派員協会で相次いで会見した自民党圧力問題の本記を入れます。
不幸な報道圧力問題であるんですけれども、これを沖縄の新聞だけじゃなくて日本全体のメディアが、民主主義の終わりの始まりにするのではなくて、民主主義を巻き直すような機会にすればいいなと思ってます。
今回の発言に何を思うか、沖縄県の翁長知事に聞いた。
どうしてこんなことになっちゃったんだと思いますか?ご自身も自民党に籍を置かれていたんですよね?特に報道の自由に対してああいう発言があったというのは、大変、これはもう本当に危機的な状況でありますし、それから沖縄の歴史に関しましても、わざわざあのようなあり得ないような、すぐ調べればわかるようなことまで言って話をすり替えていくというような中に、やっぱり政治の落ち着きがなくなった、これはもう、私も30年政治をやってますけれどもまた地方政治家でありますけれども、安保関連法案の衆議院特別委員会での審議の時間について、与党側は80時間というのを1つの目安にしているわけなんですが、昨日までにこれを超えたとしているんですね。
さらに委員会採決は今月の中旬を目指したいということなんですが、時間的にも議論の内容的にも審議は尽くされたと言えるのか、そういった声も上がっているわけです。
私審議は尽くされていないと思うし、そもそも審議時間をもって自動的に採決するものではないと思いますね。
特に6月の初めに3人の憲法学者がこの安保関連法案について違憲という発言をしていますね。
その前と後では全くの審議の質というのもは変わったと思いますよ。
その前であれば、法案の中身についていわば各論の審議がずっと続いていたわけで、メディアも、そういった報道をしていたわけですけれども、この違憲という発言の後は、いわゆる法案そのもののあり方というものが問われるようになってきて、これは一概に審議時間で割り切れるものではないと思います。
それにしても国民の半数以上が反対もしくは法案の中身がよくわからないという、しかも重要な法案について、自民党内にさしたる異論も議論もないまま、審議に影響するからだと言って押し黙ってることが果たしてこれが健全なことなのかどうか、自民党の皆さんには問いたいと思います。
勉強会発言で、石破地方創生担当大臣が自民党、感じ悪いよねというムードが広がることを懸念する旨の発言をして、党のイメージダウンということを非常に心配してましたが、安倍総理の陳謝、よくよく聞いてみますと、党本部で行われた勉強会なので最終的には私に責任があるとか、あるいは、沖縄の皆様の気持ちを傷つけたとすればとか、実際に傷つけた事実に対して果たして真剣に向き合っているんだろうかという疑問が残るんですね。
むしろ安保関連法案の国会審議で予想される、採決に向けて障害となるようなことはこの際何でもくじいておこうという、そういう流れの中で出てきたお詫びだとすれば、本当のお詫びなんだろうかという気がします。
去年、戦後初めて日本国内での感染が確認されたデング熱。
そして今も熱帯地方を中心に猛威を振るうマラリア。
この2つの感染者は、蚊に刺されることによって感染する共通項を持っています。
今日は、この蚊を通じて感染症とどのように向き合っていけばよいか、考えたいと思います。
人間を最も多く殺している生き物は何か。
アメリカの実業家、ビル・ゲイツ氏は人間を最も多く殺している生き物、それは蚊であるとして、1年前、自身のブログの中にモスキートウイークを設け、今でも、蚊によって多くの命が奪われている現状に思いを寄せてほしいと訴えた。
ヒトの腕にとまって、口吻と呼ばれる針を皮膚に突き刺して血を吸う。
オスもメスも通常、花の蜜や草の汁などを吸っているが、産卵を前にしたメスが人を狙う。
蚊は世界に3500種、日本だけでも112種生息すると言う。
もし蚊に気づいてたたきつぶしたとしても、時既に遅し。
感染しているかもしれない。
蚊は人の皮膚に針を刺すと、まず血が固まるのを防ぐ働きがある蚊の唾液を注入する。
同時に、マラリアの原因となる原虫など病原体を蚊の唾液とともに体内に送り込んでしまう。
蚊に刺されることで病原体が体内に侵入していく。
そうならないためには、蚊に刺されないことに尽きる。
マラリアやデング熱など、蚊によって引き起こされる感染症で今でも多くの子どもたちが命を落としている。
蚊が奪う人の命は、年間72万5000にも及ぶ。
日本でも、蚊の恐ろしさを目の当たりにする出来事が起きていた。
去年8月、蚊によって感染するデング熱の国内感染が実に69年ぶりに確認された。
さいたま市の医療機関にかかった10代の女性がデング熱に感染していることが公表されると、次々とデング熱の国内感染例が報告され、昨シーズン国内で感染した人は、162人にも上った。
熱帯の感染症の専門家が指摘する。
熱帯の感染症、デング熱。
東南アジアなどデング熱の流行地域で感染した人が日本に入ると、その人を刺した蚊が、別の人を刺すことで人から人へと感染する。
今年も蚊が活発に活動する時期に入った。
毎年、世界で1億人もの患者が出ているとされるデング熱。
国内感染は果たして今年も起こるのだろうか。
残念ながら楽観的な見方はできないですね。
国際的な状況はそうでもなくて。
しかも、感染は九州から北陸、東北地方の一部まで、全国に拡大する可能性もあると言う。
デング熱を媒介する蚊は、ネッタイシマカとヒトスジシマカ。
去年、国内でデングウイルスを広げたのが日本に生息する、このヒトスジシマカ。
刺されると痛い、あのヤブカ。
デング熱の完全な水際防止は難しい。
しかも、ワクチンや治療薬も開発途中である今、デング熱にかからないための確実な手段は蚊に刺されないこと。
ヒトスジシマカは、活動時期が5月中旬から10月下旬頃で、昼間に人を好んで吸血する。
飛行距離は半径50〜100mだが、公園など遮るものがない場所ではもっと遠くまで飛ぶことができる。
ヒトスジシマカは、どんなところに発生しやすいのか。
蚊の専門家2人に案内してもらうことにした。
まず、蚊に刺されないような服装のチェック。
長袖・長ズボンが基本。
肌が露出しているところには虫よけスプレーが効果的である。
なお、安全性の観点から、子どもには慎重な使用が求められている。
小さなお子様には使用上の注意がありますので、使用上の注意に従ってお使いください。
住宅街に隣接する雑木林を進む。
いますね。
慰霊碑の花立てに水がたまっていた。
そのたまり水をすくって調べてみると、ボウフラが湧いていた。
ですから、こういう放置された容器というのは、最も適した発生場所だと思われます。
ヒトスジシマカはどのようにして人を見つけて血を吸うのだろうか。
動物はすべて呼吸して、二酸化炭素を出しますね。
まず二酸化炭素に察知して遠くから飛んでくることはわかってます。
この辺に飛んでるヒトスジシマカは、比較的人が好きだと言われているんですけれども。
蚊は優れた鼻の持ち主。
スルカトンなど、人特有のにおいのもとを敏感に感じ取り、人を待ち伏せして集中攻撃することもあると言う。
では、どのような点に注意すればヒトスジシマカに刺されずに済むのだろうか。
日陰が好きな蚊です。
木に覆われて日陰になっているようなところが1つの条件だと思います。
比較的低い位置に草本類だとか、低木の葉が密なものが密集している、いわゆるヤブのこんもりしたヤブがあるということですね。
それともう1つは、近くに小さな水たまりで、幼虫の発生源になるような、その3つがそろったところが、最も危ない場所と言えるかと思います。
感染症の専門家が最近、注意喚起しているのがチクングニア熱。
この感染症もヒトスジシマカが媒介する。
デング熱と同様、発熱や関節痛があり、関節の炎症や腫れを伴うこともある。
日本ではあまり知られていないチクングニア熱について既に対策を取っている自治体があった。
兵庫県西宮市。
デング熱はヒトスジシマカが媒介するわけですけれども同じヒトスジシマカが媒介する感染症でチクングニア熱というのがありまして、その分についてもガイドラインを作成しまして、これを職員全員で研修、研究していくと。
西宮市では去年10月、代々木公園で集団発生したデング熱が飛び火して10代の女性感染者が見つかった。
しかし、集団感染が発覚する前に国立感染症研究所と患者発生を想定した訓練を行っていた。
こうした備えがあったため、大きな混乱もなく、対応できたのだと言う。
さらに、幸運も味方した。
感染症対策には、何よりも対応のスピードが求められる。
いち早く感染源を特定できたおかげで感染拡大は免れた。
一方、課題も残った。
デング熱に感染した蚊を完全に駆除するためには周辺の地域をあまねく消毒しなければならない。
しかし、何度訪ねても留守の家があった。
西宮市では今シーズンのデング熱の国内感染に備え、4月から対応をとっている。
市内およそ600カ所のすべての公園と、公営の墓地を対象に薬剤を使った蚊の幼虫対策を実施している。
蚊の大きな発生源である家庭の雨水枡。
誰でも簡単にできる対策があると言う。
まずふたを外していただいて、ネットをはめてもらいまして、ふたを閉めます。
このように切っていただければ完成です。
こうすれば、ボウフラが成虫になっても雨水枡の外に飛び出せなくなるわけだ。
確立された治療法がないデング熱だが、実を結びつつある研究も出てきた。
デング熱患者のおよそ5%に、出血するなどの重い症状が見られ、亡くなるケースもある。
平山教授の研究室では、重症化した人としなかった人との血液を比較してみた。
すると、重症化した患者は、その直前に血圧を上げるたんぱく質や血液を凝固させるタンパク質など、5つのタンパク質が増えるという兆候が出ることをつかんだ。
血圧を上げたり、出血を止めたりするなど重症化を抑えようというメカニズムが働いていた。
研究室では、これらの5つのタンパク質に注目。
この患者は、すぐに入院した方がいいのか、あるいは、家で静養していれば大丈夫なのか、その患者が重症化するかどうかを迅速に、より確実に判定する簡易検査キットづくりを進めている。
特に流行してて患者が何万人と出るようなところでは病院がパンクするわけなんですよね。
そういう意味では、途上国とか流行している国では、すぐに使える技術になるだろうと。
蚊が媒介する感染症で最も恐ろしいとされるのがマラリア。
年間3億人近くが感染し、およそ70万人の患者が亡くなっている。
羽に、まだらの模様があるハマダラカ。
これはハマダラカが人の血を吸っているところを撮影したもの。
ハマダラカは夜間に吸血するが、吸った血液は体内で養分だけをとり、残った液体をお尻から排出している。
マラリアは、マラリア原虫を病原菌として主に人の赤血球に入って、高熱や吐き気を起こす。
中でも熱帯熱マラリアは脳障害など重篤な症状をもたらし、患者は、死に至ることもある。
沖縄・西表島。
ここ西表島や石垣島など八重山諸島にはかつて、マラリアが流行する地域があった。
太平洋戦争末期、こうしたマラリア流行地に旧日本軍の指示で疎開させられた波照間島など八重山諸島の多くの住民が尊い命を奪われた。
西表島のマラリアによる惨劇を伝え続けている平田一雄さん。
波照間島など八重山諸島全体で住民1万7000人近くがマラリアにかかり、3600人あまりが死亡した。
戦争が引き起こした惨禍であるため戦争マラリアと呼ばれている。
波照間島では住民1人残らず西表島に集団疎開させられた。
島に残った牛や馬などは旧日本軍の食料となった。
西表島がマラリア流行地であることを知りながら疎開された旧日本軍。
住民の間でマラリアが蔓延していった。
波照間島出身で戦争マラリアを体験した玉城功一さんが語る。
沖縄県内でも波照間は特別に3名に1人という、最も高い犠牲者ですよね。
戦後70年がたち、戦争マラリアを身をもって知る人も限られてきた。
玉城さんらは5年前に八重山戦争マラリアを語り継ぐ会を結成し、体験者からの聞き取りを急いでいる。
少年兵として軍隊に駆り出された当時14歳だったこの男性は、マラリアで亡くなった人を運んで埋めるのが任務だったと語る。
一方、石垣島では空襲を避けるためとして住民はマラリアが流行する地域に強制避難させられ、犠牲者が増えていった。
当時中学生だったこの男性は、目に焼きついた光景をスケッチとして残していた。
これは、おじいちゃんが死んだ孫をこもで担いで避難地では埋めることはできないので、畑の脇へ、みんな埋めてました。
夕方には、敵機が来なくなると火葬している人もいました。
これは、兄弟が自分の弟か妹か、死んだ幼子を抱いて、それで避難地から山へ遺体を運ぶ。
これ、毎日すれ違いました。
それが忘れられなくて絵にしたんですよね。
これが毎日の光景だったんです。
マラリアの被害は住民だけではなかった。
従軍看護婦として野戦病院に勤務していたこの女性は、兵士も次々に倒れていったと証言した。
野戦病院に各部隊から運ばれてくるんですよね。
ほとんどがマラリア患者でした。
初めは悪寒するんですよ、わかるんですよ、背中が冷たくなってね、冷たくなるんですよ。
そしてそれが今度は震えるんですよ。
口もガタガタ合わせられないくらいガクガク震えて、布団をかぶせて、2枚も3枚もかぶせても、ガクガクと震えるので、その上に人が乗っからないと。
それがしばらく続くと、今度は高熱が出るんですよ。
濡れたタオルを額に当てる程度では熱を下げる効果は全くなかったので、額に直接、水をかけ続けたと言う。
マラリアというのはあまり高熱なものですから、タオルを濡らして額に乗っけるぐらいじゃ熱は下がらないんです。
もう水を流さないととてもじゃないけど熱は下がらないんです。
こうやって、ここに桶を置いて桶から水を流して、熱を取っているマラリアによる犠牲者は戦後も出続けた。
住民が西表島から波照間島に戻った際、マラリアを持ち込んでしまったから。
その結果、住民の99.8%に当たる1587人がマラリアにかかり、477人が亡くなったと言う。
波照間島の悲劇と呼ばれる。
当時10歳だった平田さんは、毎日、遺体を見続けるうちに、悲しいという感情も、死に対する恐怖もなくなっていったと言う。
戦争マラリアの証言集めに終わりはない。
今まで話せなかったようなこと、書けなかったようなことを戦後70年の節目の年には死ぬ前の叫びというかな、取材に当たりました小嶋記者です。
これからの時期、どんどん薄着にもなっていく季節ですけれども私たちはどういった対策をとればいいんでしょうか?デング熱から身を守る基本は蚊に刺されないこと、蚊を発生させないことだと思います。
こちらご覧ください。
家の周りには、いろんなところで水たまりができます。
こんな小さな水たまりなら大丈夫ということではなくて小さな水たまりをつくらないということが大切です。
ボウフラが蚊になるまで1週間ほどかかるんですけれども逆に言うと、週に一度、家の周りを見回すということでOKなのかなと思います。
誰でも簡単にできるんですけれども、地域全体で取り組まなければ意味がありません。
デング熱の感染地域の拡大というのは温暖化が関係していると言われていますよね。
デング熱を媒介する蚊の生息区域、温暖化とともに北上していて、青森県に定着するのも時間の問題というふうに言われています。
媒介する蚊は異なるんですけれどもアメリカに入ってあっという間に広がった、ウエストナイル熱というのがありますけれども、あれも温暖化の影響で感染区域が拡大しているということです。
いろんなことを考えながらVTRを見ていたんですけれども人間を最も多く殺している生き物が僕は実は人間だと思ってた、蚊なんですね。
小嶋さんは、医学専門記者としてずっと感染症のことをいろいろ取材してきているわけですが、今度の取材を通じて何を一番感じましたか?感染症を長く取材して一番感じたのは、流行の背景に、戦争と貧困があるんだということですね。
戦争は感染症を拡大・まん延させます。
感染症が貧困を生み出します。
その貧困がまた感染症をさらに拡大させるという、負の連鎖があるんですけれども、それをどこかで断ち切らなくちゃならないんだと思います。
感染症を考えるときに、もう一つ重要な要素があるんですけれども、こちらに顧みられない熱帯病と書きましたが、患者は年間1億人と言われるデング熱があります。
発展途上国を中心に流行している17の熱帯病をこのように呼んでるんですけれども、先進国から顧みられずに治療薬の開発などが大きく遅れ、感染症のまん延が貧困の要因にもつながっているわけです。
長崎大学ではミッションとしてこの感染症の治療薬開発などに取り組んでいます。
この後はスポーツ、林さんです。
メジャーリーグ、ここ3試合勝ち星のないヤンキースの田中投手はレイズ戦に先発。
気になるのはイチロー選手。
ここ2試合で13失点と調子の上がらない田中。
大事な立ち上がり…タイムリーを浴びるなどいきなり2失点。
1回から出鼻をくじかれる。
しかし今日の田中は、ここで崩れない。
140km台のスプリットを低めに集め、ピッチングを修正する。
ランナーこそ背負うが、要所を締める粘りを見せ、6回3失点。
先発の役割を果たし、マウンドを降りる。
すると延長12回、ヤンキースがサヨナラ勝ち。
田中に勝ち負けはつかなかったが、確かな収穫を得たよう。
ここまで25打席ヒットのないマーリンズのイチローだが、今日も快音は出ず。
これで自己ワーストの29打席連続ノーヒットと41歳を迎えた天才バッターが苦しんでいる。
始球式で東京ドームにさっそうと現れたのは、世界最速の歩く超人、競歩の鈴木雄介。
今年3月の全日本競歩。
日本男子陸上界50年ぶりとなる世界新記録を樹立。
一躍、時の人となった。
最大の武器は上半身が全くブレないフォーム。
世界一美しいとも言われている。
来月開幕する世界陸上北京。
世界最速で歩く男、鈴木雄介が自身初の金メダルを目指す。
続いて男子ゴルフのセガサミーカップ3日目。
北の大地は大熱戦。
長嶋茂雄さんが見つめる中、30位タイからスタートの宮里優作が猛チャージ。
17番、パー4のセカンドショットピンに寄せ、6個目のバーディーをマークする。
宮里はこの日、ノーボギーでスコアを6つ伸ばし、3位に浮上。
大会初制覇へ、最終日に挑む。
通算12アンダーで、韓国勢2人がトップに並んでいる。
ウィンブルドン女子ダブルス2回戦に44歳、クルム伊達公子が登場した相手は元世界女王、マルチナ・ヒンギスとサニア・ミルザの世界ナンバーワンペア。
開始からテクニックに翻弄され、1ゲームも奪えず第1セットを落とす。
それでも第2セット、クルム伊達の鋭いバックハンドで1ゲームを奪うと、詰めかけた観客からは拍手喝采。
世界ランク1位ペアにわずか45分で完敗したが、会場を大いに盛り上げた。
サッカー女子W杯カナダ大会、なでしこジャパンがまた決勝進出でアメリカと対戦します。
アメリカは強烈な相手でもあるんですけれども今大会で澤穂希選手が最後の舞台と決めているんですね。
キャプテンを引き継いだ宮間選手はその思いを絶対につなげたい、前大会だけでなく今回も優勝することで歴史を、文化をつないでいきたいと言っているのでその思いを信じたいなと思っています。
2015/07/04(土) 17:30〜18:50
MBS毎日放送
報道特集[字]【報道圧力発言を考える▽蚊を媒介とした感染症】

▽報道圧力発言を考える▽対策は?蚊を媒介とした感染症

詳細情報
番組内容
【報道圧力発言を考える】
自民党の中堅若手議員による勉強会で飛び出した「報道圧力発言」。自民党は火消しに躍起だが、発言の背景に巨大与党の驕りはないのか。様々な角度で検証する。

【対策は?蚊を媒介とした感染症】
去年、69年ぶりに日本で発生したデング熱について、最新の研究や対策を紹介。同じように蚊を媒介とした感染症の脅威を戦時中の八重山諸島でのマラリア流行などをもとに考える。
出演者
【キャスター】
金平茂紀(TBSテレビ報道局)
日下部正樹(TBSテレビ報道局)
小林悠(TBSテレビアナウンサー)
林みなほ(TBSテレビアナウンサー)
関連URL
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おことわり
番組の内容と放送時間は、変更になる場合があります。

ジャンル :
ニュース/報道 – 特集・ドキュメント
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
福祉 – 文字(字幕)

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音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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