独創的なラインナップで評判のパン屋さんが大阪・寝屋川市にあります
季節の野菜を大胆に使ったものや和の食材と絶妙のバランスで組み合わせたもの
斬新でオリジナリティーあふれるパンが人気の秘密です
そんなパンを生み出しているのがオーナーシェフの彼
毎日が挑戦と実験
独創的な新作作りに密着しました
今回はパンの新たな可能性に挑み続ける職人の夢のカタチ!
大阪府寝屋川市
京阪寝屋川市駅から歩いて5分
金曜から日曜の3日間だけ営業する
週末を楽しみに大勢のパン好きが足を運びます
味はもちろんのこと人気の秘密は種類の豊富さ
なんと100種類ものパンが並びます
しかもほかではまず出会えない独創的なものがたくさん!
オリジナリティーあふれるパンを生み出すのはオーナーシェフの宮田顕さん
宮田さんは今年行われたパン職人が技術を競う大会に関西代表として出場
オリジナリティーあふれる作品で存在感を示しました
惜しくも優勝は逃したものの全国4位に入賞
その実力と技術は折り紙付きです
そんな宮田さんの真骨頂が野菜を使った独創的なパン
旬の野菜をぜいたくかつ大胆に使います
例えばこれ
甘長とうがらしを丸ごと包んだパン
アクセントは梅干しとクリームチーズ
酸味を利かせて野菜の味を引き立たせます
和の食材をバランスよく取り入れる技術も宮田さんならでは
そんなチャレンジから生まれたのが桜餅のパン
パンと桜餅を合わせるポイントは生クリーム
しかも…
本来生クリームってものは絞ってから焼かないんですけども焼くことによってアメ状になりましてそれが桜餅とのつなぎになって味を引き立てたような感じになってます
ほかにも「わらびもちのデニッシュ」やなんとようかんを使ったデニッシュも
宮田さんの手にかかると和の食材の中でも意外なものから独創的なパンが生まれます
どて焼きがパンになるなんて思いつきますか?
でも宮田さんは実現してしまいました
どて焼きにカレー・ゴーダチーズを合わせたカレーパン
さらに去年の年末にはなんと「おせちパン」にも挑戦
タルト生地を使いホワイトソースと昆布巻き・アーモンドクリームとくりの甘露煮を合わせたものなどを考案しました
子どもたちのおせち離れがありまして日本の伝統文化を残す意味合いでもこういった形でパンと合わせてみました
自由な発想で楽しいメニューを作り続ける宮田さん
店には毎月20種類もの新作が登場します
そんな新作の1つが珍しい形のメロンパン
細長く切ったデニッシュ生地に切り込みを入れてメロンクリームを塗り巻いていきます
切り込みを入れた部分を広げていくとこんな形に
これを焼き上げると見た目も楽しいパンのできあがり
営業は週末の3日間だけですが宮田さんに休みはありません
シャッターを閉じている月曜から木曜も大忙し
レストランやカフェ・保育園など19ヵ所にパンを卸しています
完全なオフの日は1年に2日程度だとか
そんな宮田さんをサポートしてくれるのが両親
配達ですこれからちょっと大阪市内までお願いします
毎週1回必ず向かう場所があります
運転するのはお父さん
向かった先は和歌山県紀の川市にあるファーマーズマーケット
ここで新鮮な食材を仕入れているのです
うわっすごっこれ撮ってもいいですか?写真・どうぞ・・大きかったんで・うわっすごい…珍しいんですか?こんな大っきいのは…こんなんなかなか出てこない…うわっすごい
食材を見て新作のアイデアが浮かぶこともよくあるそうです
手にしたのは中華料理の炒め物によく使われるえん菜
宮田さんこれをパンに使うつもりのようです
だいぶ買いましたね結構いいパンできそうです
営業日は早朝4時からパン作りが始まります
平均すると3時間ぐらいの睡眠ですね10年以上その生活なんでもう慣れました
厨房にはお母さんの姿も
10年前のオープン当時から手伝ってくれています
頑張ってるのは頑張ってるけど潰れんかったらいいなと親はだから親でできることはまぁ手伝ってやろうかなといてもらわな困るっちゅう感じですね今は
宮田さん和歌山で仕入れたあのえん菜を取り出しました
えん菜を生のままヤングコーンと一緒にベーコンで巻きます
それをトマトソースとキノコが載ったカレー生地の上にトッピング
(宮田)バッチリです
えん菜を使ったピザが完成
初めて作ったえん菜のパン
まずはお客さんに試食してもらうことに
果たして反応は?
バランスもよかったですか?…と思います
(宮田)毎週のように新しいものを作っていってますけどもお客さまにも喜んで頂いてそういう声聞きますとやっぱり
寝屋川で生まれ育った宮田さんは子どもの頃からパンが大好きな少年でした
有名パン店で修業した後28歳の時に独立開業します
しかし開店当初は順風満帆とはいかなかったそうです
2ヵ月たったあとにパタッとお客さん引いてしまいまして9時か10時ぐらいに終わったんですけどそこからもう余ったパン全部ビニールに1個1個入れて駅前で配ったんですよ「一度お店来てください」とでそのあと夜の12時から毎日1時間半ポスティング行きましたねトータルでやっぱり9ヵ月間ぐらい件数にして1万件ぐらいは自分1人でポスティングはしました
そんなつらい時期を支えてくれたのが両親でした
恥ずかしい話資金繰りがすごく厳しくなってほんとに僕の両親のすべての貯金を切り崩してお店に費やしてもらいましたもういいかげんやめへんかって何遍か言いましたこの子にで子どもに言うたら子どもがホロッて泣くんですよそれに負けましたうん…どうしても泣かれたら親は手伝うしかないですね結果が出せなかった自分にやっぱりすごく悔しかったっていうのでなんかやっぱりその時点で勝手に涙が出てきたっていう感じでしたね恩返しがしたいっていう気持ちはずっとあったんでそれにはもう結果を出すしかないっていうことでいまだにその時の気持ちを維持して働き続けてますね
地道な努力が実を結び今年独立10周年を迎えた宮田さん
地元・寝屋川への恩返しの気持ちから市から依頼されたパン教室や小学校での食育授業などを行っています
ほかにも取り組んでいることがあります
それは地元の食材をパンに使うこと
あっどうもこんにちはこんにちはお久しぶりですどうもお久しぶりです
その食材とは寝屋川市の特産品である大葉
寝屋川の大葉栽培は50年以上続いていますが高齢化と後継者不足で生産者の数が減っているそうです
私どもの農園とイノウエさん2軒で頑張っております
地元の特産品を応援したいという思いから宮田さんは大葉を使ったパンを作りました
ハード系の生地に大葉とじゃがいもを練り込んだパン
カレーを練り込んだ生地で大葉とツナを包んだパン
そして大葉を1枚丸ごと載せて焼き上げた斬新なパン
大葉っていうのは和食のイメージが強いんでこうしてあの幅広い範囲で応用してもらったらうれしいですね僕もずっと寝屋川ですし何かこう役に立てたらっていうのは常に考えてます
多忙を極める宮田さんですが今積極的に取り組んでいることがあります
それはレストランなどのお店から依頼を受けて行うパンの商品開発
こちらは兵庫県・有馬にあるカフェからの依頼で開発した山椒を使ったパン
そこで考えたのがさんしょうの実をオイルでコーティングして生地に練り込みそれをさらに別の生地で包んで焼き上げるという手法
宮田さんが開発したパンはほかにもあります
こちらは大阪・福島にあるオイスターバー
日本全国の生産者から直接牡蠣を仕入れ季節に合わせた旬の生牡蠣やさまざまな牡蠣料理が楽しめる店です
依頼は殻に残る海水につけておいしく食べるためのパン
フランスではこういう食べ方もするのだそう
そのアイデアとはパン生地に海藻入りのバターとアオサを加えるというもの
宮田さんは見事カキの殻に残る海水に合うパンを完成させました
お客さんの反応は?
この日は大阪・北新地へ
訪ねたのはかっぽう仕込みの本格和食とイタリアンを合わせて楽しめるレストラン
こちらも新作パンの開発を宮田さんに依頼した店の1つ
宮田さんはこの店のためにピザ生地を開発しました
オーナーからのリクエストは「和の食材とも合うピザ生地」でした
パリパリッとしたそういうクリスピーの生地とサクサクとしたクロワッサンの生地とこの2種類を作りました初めからすごいクオリティーの高い生地のほうであっもうイメージどおりのものだなぁと…
クリスピー生地は和の食材が引き立つよう2種類の酵母を入れて生地に酸味と風味をプラス
外はカリカリ中はもっちりとしたピザ生地に仕上げました
クロワッサン生地は生地の織り込み回数を減らしています
そうすることで生地から流れ出るバターと上に載せた和の食材がより絡みやすくなるのです
作ってみたんですけど召し上がってくださいハモとジェノベーゼで作ってみたんですけどもハモですか?ハモで…
自分のパンがどう使われるのかいつも楽しみだという宮田さん
(加治原)イタリアのジェノベーゼというソースとチーズを載せさせて頂きまして宮田さんが召し上がってみておいしいかどうかを判断をして頂こうかなと思いまして
(加治原)ありがとうございます
(宮田)魚が極端に主張せず全体にバランスよく調和が取れてるような感じがしますほかにも依頼がありましたら是非挑戦したいなとは思ってます
宮田さんに新たな商品開発の依頼が舞い込みました
クライアントは北新地で5店舗を展開しているシャンパン食堂
およそ60種類のシャンパンとシャンパンに合う料理が楽しめるビストロです
宮田さんはこちらにバゲットを提供しています
打ち合わせのため訪ねたのは去年8月にオープンした最新店
やはりシャンパンとそれに合う料理を提供するのがコンセプトなのですがメインの料理はなんと…
ギョウザ
シャンパンに合うようあんの7割を野菜で作ったあっさり味のヘルシーなギョウザです
そうオーダーはギョウザに合うパンの開発
依頼の訳は?
若い女性の方がその餃子を召し上がりながらバゲット食べてるって姿にすごい感銘というか斬新さを感じましてじゃあ何かこれをコラボレーションできないかなとやっぱりおもしろいっていう興味をそそりましたね
ここで宮田さんから提案が
今日ちょっと既存のパンなんですけど何品かちょっと持ってきたんでちょっと試食してもらいたいんですけど食べた時に中からスープがこぼれ出るそれがパンにしみこんでさらにそのパンを食べて完成するような感じがいいなぁシャンパン・ワインに合うところで…あまりしつこいとお酒も合わないですし…
まずは餃子の味を確認
かなりうまいですね野菜がたっぷりですから重たくないっていうのが第一印象です
続いてタレ
4種類の特製のタレを食べ比べ宮田さんが選んだのは…
一番合うのはみそですねみそって結構濃いじゃないですかピリ辛のスパイスもどっちもが主張してソースにアクセントがすごくあるので餃子がすごく引き立ってると思いますパンはどちらかっていうと脇役の立場ですからただその中でも印象に残るようなひと工夫入れたようなシンプルさが必要かなとは思います
早速試作開始
表面がパリッとして中に水分を抱き込んだもっちりしたそういう食感のパンを作ろうと思ってます餃子の表面のパリパリとパン生地のパリパリを合わせて中はお互いにもっちり・もっちりで合わしたほうがたぶん歯切れがいいのかなと
イメージは餃子の邪魔はせず全体の中のアクセントになりちゃんと味の主張もするようなパン
そのため生地に何かを加えようと考えた宮田さん
ひらめいたのがこの2つ
1つはフライドオニオン
しっかりした味は出ないんですけど香りはすごく出るんですね餃子も焼いたら香ばしいじゃないですか香ばしいもんどうしが重なるとより餃子の香ばしさのほうが引き立つんじゃないかというところで
そしてもう1つはバジル
香草はちょっと合うのかなっていうとこで香りというところで今回バジルを使ってます最初はやっぱり合うかなっていう自信のなさもやっぱりあるんです正直なところただ実験をしてるような感じなんでワクワク感のほうがどちらかというと強いです
まずはフライドオニオンを使ったパンで餃子バーガーを試作
餃子にフライドオニオンのパン・みそダレ
一体どんな味に…
合わないことはないんですけど餃子を主張するという点ではすごくいいんですけどパンに印象が残らない香りが主張されてない感じがしました食感自体はすごくいいとは思うんですけど
バジルを加えたパンはどうでしょう?
パンの主張のしかたがまだちょっと緩い感じがします印象に残らないですね香りはするんですけどもう一度食べたいというようなそういう癖になるような味ではないですちょっとまだ違うかな…
イメージどおりには仕上がりませんでした
餃子とパン意外な組み合わせを結びつける鍵は?
果たしてその結果は?
この日宮田さんは北新地へ
餃子に合うパンが完成しました
結構いい感じには仕上がりました自信のほうは結構ありますねこんにちはあっどうもです今日はよろしくお願いしますよろしくお願いします今回新しく完成したサンプルのパンをちょっと一度見てみてください
(宮田)今回思いきってかんきつ…ゆずピールなんですけどちょっと使ってみたんです
最終的に選んだ食材は柚子の皮を蜂蜜と砂糖で煮詰めた柚子ピール
ゆずの酸味で餃子の味を引き立たせるためです
さらにレモン果汁を加え生地全体に酸味と香りが行き渡るようにしました
酸味とほどよい甘みそして香りがアクセントになってなおかつその味の主張もするパンに仕上げました
ほかに野菜とかは入れると思うんですけどまずこの相性だけちょっと見てもらえたらと思います
宮田さんが試行錯誤して作り上げたパンと餃子のマリアージュ
果たして元田さんの反応は?
ほんとにビックリです
(元田)ゆずがね口の中に広がるんですよパンが主張してくれてましてただその餃子の味っていうのを邪魔することなくきれいに包んでくれてるんじゃないかなと…僕の想像してた着地点をさらに越えたここまでちょっと言って頂けるとうれしいですね苦労したかいはありました
パンの可能性がまた広がりました
夢のツヅキは?
今後も新しい食材でパンとのこう…融合というところでいろいろとチャレンジしていきたいとは思ってます今後パンを目指す若い人たちにより刺激的な仕事であるということを僕を通じて発信できたらと思ってます
ブレッドスタイルソプラノは金曜から日曜の週末3日間だけの営業です
今週末もチャレンジ精神あふれる独創的でおいしい新作パンが並びます
2015/07/04(土) 11:00〜11:30
ABCテレビ1
LIFE〜夢のカタチ〜[字]/佐々木蔵之介 「コラボ続々!独創的な天才パン職人」
人生はいろんな夢でできている…夢追う人の輝く瞬間を佐々木蔵之介の語りで描きます。
今回は「コラボ続々!独創的な天才パン職人」です。
詳細情報
◇番組内容
寝屋川市にあるパン店「ブレッドスタイルソプラノ」。人気の秘密は常時20〜30種類も店頭に並ぶ、独創的なパンの数々。店主の宮田顕さんはパン職人が腕を競う全国大会で、関西代表に選ばれた実力派。飲食の他業種とも次々にコラボして新商品を生み出す宮田さんに密着する。
◇ナレーション
佐々木蔵之介
◇おしらせ
この番組は、朝日放送の『青少年に見てもらいたい番組』に指定されています。
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – ドキュメンタリー全般
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい
趣味/教育 – その他
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
映像
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
OriginalNetworkID:32723(0x7FD3)
TransportStreamID:32723(0x7FD3)
ServiceID:2072(0x0818)
EventID:31327(0x7A5F)