先どり きょうの健康「大腸がん 徹底解説 予防と早期発見」 2015.07.04


「きょうの健康」今週は「大腸がん」について詳しくお伝えしてまいります。
今日と明日おつきあい頂きますのは松本明子さんです。
ようこそお越し下さいました。
よろしくお願い致します。
今週は「大腸がん徹底解説」と題してお伝えしてまいります。
大腸がんなんですけれども関心おありですか?やっぱりありますね。
今とっても私の周りでも大腸がんっていうのがよく耳にするとっても多いがんの中でも多いんじゃないかと思いますし自分も検診しなきゃいけないって思うがんですし。
今まで行かれた事は?もちろんあります。
なるべく行くようにしてます。
そうでいらっしゃいますか。
ラインナップご紹介します。
今日は徹底解説の1日目ですね。
お話をして下さる方ご紹介致します。
どうぞよろしくお願い致します。
よろしくお願い致します。
大腸がんになる人っていうのは多いんでしょうかしら?そうですね今日本では2人に1人ががんにり患してかかって3人に1人ががんで亡くなる時代になってきていますがその中で大腸がんというのは非常に多いがん腫の一つです。
特に死亡者数で見てみますと男性では第3位ですね。
女性ではなんと第1位の死亡者数という事になっておりまして年間で5万人以上の方が大腸がんで命を落としているという状況に今もうなってきています。
多いですね。
こちらご覧下さい。
本日のホットトピックスです。
死亡者数も非常に多い大腸がんですけれどもがんになる前の段階のポリープを的確に見つけて内視鏡で摘除する事でがんにかかる数だけではなくて死亡率も下げる事が証明されています。
実は2003年から私どもがジャパン・ポリープ・スタディという研究を厚生労働省の研究としてやらせて頂いておりまして一番の目的は日本の大腸がんを減らすための研究なんですがポリープを内視鏡で取ったあとの検査間隔を決めるという事が一番の目的でありましてひいてはその大腸がんの死亡率とかり患率をどれだけ内視鏡が抑えられるかという事も評価するのがこの研究の目的です。
ポリープイコールがんという事ですか?大腸のポリープというのは大きく分けて腫瘍と非腫瘍腫瘍でないものに分けられるんですね。
その腫瘍の中で良性と悪性というふうに分けまして皆様ががんというのは悪性腫瘍という事になります。
良性の腫瘍というのは一般的には腺腫というふうに呼んでましてポリープが全てがんではなくてその良性の腺腫というものはそのまま良性で一生ずっといてくれたらいいんですが大きさが1センチを超えてくるとその良性の腺腫の中にがんが含まれてくる危険性ができてくると。
ですから大きくなるとがん化する危険性があるのである程度のところでつかまえて取っておいた方がいいという事になります。
なるほど。
今日のトピックスですが早期発見早期治療という事がやはりがんを予防するには非常に大事になってくるという事は間違いないと思います。
最初に松本さん大腸がんの検査を受けられたという事ですがどのような検査を受けられたでしょうか?まず便の検査ですね。
それから内視鏡を使って腸の中を検査するというのをやりました。
松本さんが受けられた2つの検査というのは非常に大切な検査でありましてこれからそれぞれ2つがどういう検査であるかを解説させて頂きたいと思います。
まず最初に便潜血検査免疫法というのが今自治体で40歳以上の方全てに基本的には大腸がんの検診の方法として実際に使われているものなんですけれども便の中に血液が混入してないかどうかを調べる事で大腸がんの検診としていると。
実際その便潜血に関しては松本さんもきっと2日間の採便を頂いたと思います。
これが採便キットという事になりましてやり方を正しくしないといい検査もなかなかいい結果が出ないという事で蓋を開けて頂いてこの便をまんべんなくなぞって頂くと。
まんべんなくなるべく。
なぞって頂くと。
そうするとこの先端にギザギザがついてましてそこに便がつく訳ですね。
それでついたものをこの中にゆっくり入れて閉めて頂くと。
これを同様に2日間やって頂いたものを提出頂くんですけども涼しい所に採便したものは保管して頂くという事が大事でしてその2日出したうちの1日だけ陽性になった場合どうなんだという事をよく聞かれますけどもここが一番大事でして1回でも陽性が出たら精密検査である大腸内視鏡検査を受けて頂くという事は非常に大切になってきます。
この検診が異常を見つけるためには非常に優れた検査であると。
しかも体に負担がないですね。
そこがやはり検診の方法としてはいいと考えられています。
どれぐらいの方が日本で40歳以上この大腸がん検診を受けられてると思いますか?周りを考えたらあまり受けてないでしょうか。
どうでしょうか。
7割8割。
残念ながら日本では2割の方しか受けてないんですね。
ですのでそこがやはり大きな問題でありましてあともう一つ大きな問題が実はあるんですね。
この検査で陽性になる方というのは大体7%ぐらいなんです。
100人受けると7人ぐらいが陽性になります。
その方々には当然その精密検査としての大腸内視鏡検査を勧められるんですけれども残念ながらその中で内視鏡検査までちゃんとたどりつく方は6割ぐらいしかいないですね。
もう一つの大事な検査が松本さんも受けて頂いた内視鏡検査という事になります。
実際松本さん受けられたという事ですが結果とか伺ってもいいですか?結果は大丈夫でした。
特にポリープとかも何も?ポリープもなかったですけれど。
最初だから便の検査をして再検査となったのがちょっと息んだりする…トイレの時に。
そういうのでちょっと混じったのかもしれないですね。
そうですねやはり息みでお尻の所が切れてしまったとかそういった事での痔等で…。
…も多いんですか?多いと思います。
ただ痔があるから陽性になったんじゃないかと自己判断されて精密検査を受けない方が結構多いんですね。
ただやはり大腸の内視鏡検査というのは大腸の中にがんだけではなくて腺腫性のポリープですとかそういったものがあるかないかという事を見る上では一番精度の高い検査ですのでやはり便の検査で陽性になった方はまず必ず精密検査である内視鏡検査を受けて頂きたいと。
ただやはりこの検査を受ける場合に前処置ですね下剤をのまれたと思うんですがどうでしたか?大変でしょうか?そうなんですよそれがねちょっとおっくうなんですよね。
前夜からおなかの中を空っぽにして当日ずっとのみまして結構な量です。
2リットルぐらいの。
2リッターを少しでも減らしての前処置ができるようにいろんな工夫もなされてきているので是非そこのつらいところはひとつ頑張って頂いてその後の安心感というのが全く違いますのでそこのところは頑張って頂きたいと思います。
実際の検査受けられたのでお分かりだと思いますけどこういった形でやられてまして怖い痛いイメージもあるかと思うんですけども最近では鎮静剤鎮痛剤を使っての検査というのももう痛くない検査というのも十分やれるようになってきています。
実際患者様に横になって頂いて膝を立てて頂いている図になります。
検査着を着た上での検査と。
実際肛門から入るのはスコープをお示ししてますけども大体太さ1センチ前後ですがこういった内視鏡スコープを肛門から入れて大腸の一番奥の盲腸という所まで挿入すると。
検査自体はどうでしたか?大丈夫でしたか?思ったより大丈夫でした。
実際に検査自体は内視鏡で入れてポリープとかがんがあるかないかを見るだけではなくて内視鏡のスコープにはチャンネルというのがあって鉗子という道具を入れて内視鏡越しに生検といいますけどもポリープの一部をかじったり取ったり治療をしたりする事もできるんです。
それにしてもその内視鏡の検査がつらいとそういう方もいらっしゃると思うんですけど。
複数回開腹手術をされている方というのは癒着というのがどうしても起こるんですね。
そういった方にはやはり内視鏡はどうしても痛みを苦痛を感じてしまう方がいらっしゃいます。
そういった方用にというか最近新しい技術でこういったCTを使いましてCTコロノグラフィーというのが今できる施設が増えてきています。
ここに背骨尾骨がありましてこの色づいた所が大腸になるんですがここに白っぽく見えるものがあります。
実際にここの所に病変が疑われまして内視鏡検査をしてみるとこういった形でその絵と同じような所にしっかりと病変があると。
分かるんですね。
これは早期がんですけれども癒着のある方に関してはまずこの検査を受けて頂くのが一つのアイデアかと思います。
もう一つこちらになりますね。
これ何だか分かりますかね?ご覧になれますか?カプセルになってますね。
そうですね。
こちらがカプセル内視鏡といいましてこれを口からのんで頂く事で腸の中を撮影をして大腸の検査ができると。
新しい検査方法ですね。
先生そんな小さい所にカメラが入ってるんですか?カメラが2つついていて腸の中を巡ってくる間に写真を撮ってくるといいますか。
これはサンプルなので実際のものとは違いますが大きさはこの感じです。
でも全然重さは全く感じないぐらい…。
これはお尻から出ちゃいます。
排せつしていいんですか?はい。
このカプセル内視鏡はできる施設とできない施設がまだありますんでできる施設を調べて頂いてという形になると思います。
内視鏡検査がどうしてもつらくてという方の場合に検査法としてはCTと併せていい検査だとは思います。
はあ〜びっくりですね。
松本さんは検診検査ですね1回受けられたと。
その後はどうですか?その後はね…。
1回だけですか?2年…3年目になりますかね受けてないんですよ。
ですからどうなんでしょうか?一番精度の高いといわれる大腸の内視鏡検査を受けられた場合ですね良性の腺腫あるいはがんこういったものがあった方と全くなかった方ではその検査後の間隔が異なってきましてアメリカのガイドラインではポリープがなかった方に関しては10年後の内視鏡検査というのが推奨されています。
ただ日本には残念ながらそういったガイドライン的なものがまだないので現時点ではポリープを取ったあとはもう一度受けて頂いてほかにポリープがないかの確認をして頂いたあとは3年間ぐらいは間を空けてもいいんじゃないかというのが一般的です。
と申しますのは…ある程度定期的に検査を受けていく中で予備群を見つけて内視鏡的に摘除していくと。
取っていくという事ががんの早期診断につながるというふうに考えています。
現時点での大腸がんに対するいわゆる検診といいますか早期発見のための推奨されているものとしては先ほどの「便潜血40歳以上毎年」と50歳から大腸がんって増えてくるんですね。
ですからやはり50歳になったら一度は内視鏡検査も受けて頂いてポリープがあるかどうかを見て頂くと。
実際に便潜血検査で当然非常にいい検査の方法ではあるんですけれどもお尻に近い所の直腸こういった所と奥の方にあるがんでは便潜血検査で陽性になる割合がちょっと微妙に違うんですね。
やはり手前の直腸の所ですとお尻に近い所なので便も硬くなってから出ますからこすって出やすい陽性になりやすいんですけれども大腸の奥の方の盲腸の方ですねこちらの方になりますとまだ便も少し水分を多く含んでいたりして陽性になりづらいという事が分かってきていますのでそういった意味でもやはり全体を見るという内視鏡検査を50歳になったら一度は受けて頂ければと思います。
特にあとはご兄弟あるいはご両親の中で大腸がんになられた方がいる方に関しては大腸がんの危険性がリスクが高いというふうに考えられて…。
先生やっぱり遺伝というのもあるんですか?そうですねまだ解明されてない部分もありますけれども少なくとも今のところは大腸がん全体の中で15%ぐらいは遺伝的なものが関与してるんじゃないかという事がいわれています。
ただそれ以外の85%はやはりその他の環境要因というか生活習慣ですかそういった事が多分に影響してると思われますがそういった観点で大腸がんのご家族がいらっしゃった場合にはその方々がかかられた年の10歳ぐらい早く一度内視鏡検査を受けて頂くといいんではないかと。
これは欧米では推奨されていまして。
10歳早くっていうのはどういう事なんでしょうか?ポリープががんになるまでの期間も7年から10年ぐらいかかると。
ですからご家族の中で大腸がんで例えば手術されたと。
そこの年齢よりも10年ぐらい早くやればもうちょっと前の段階で病気が見つかるとポリープが見つかる可能性があるんじゃないかという事です。
大腸がんというのは早期発見できればほとんど100%近く治せるという病気ですね。
ですからそういった意味でも本当に安心して生活するためにもこういった検診を是非皆さん受けて頂きたいと思います。
なるほど。
今日はいかがでしたか?本当に早期発見であれば先生が治る可能性もありますよという事を聞きましたのでとっても安心しましたので何はともあれ検診これ大事だなと思いました。
しばらくしてらっしゃらないから早速という感じですね。
はい。
今日はどうもお話ありがとうございました。
2015/07/04(土) 04:15〜04:30
NHK総合1・神戸
先どり きょうの健康「大腸がん 徹底解説 予防と早期発見」[解][字]

大腸がんは早期発見・治療できれば100%近く治る。ただし、初期症状はほとんどないため定期的な検査で見つけることが大切だ。良性のポリープでも場合によっては切除する

詳細情報
番組内容
近年日本で増加している大腸がん。大腸がんは早期発見と適切な治療で100%近く治る。ただし、初期症状がほとんどないため定期的な検査が大切。40歳以上は毎年便潜血検査を行い、できれば一度は大腸内視鏡検査もしたい。早期に見つかるポリープは良性の場合も多いが、最近では良性であっても、ある程度大きくなったら切除したほうが、がんの発生を抑制できるという報告や大腸がんによる死亡率が半減することも報告されている。
出演者
【ゲスト】松本明子,【講師】国立がん研究センターがん予防・検診研究センター部長…松田尚久,【キャスター】桜井洋子

ジャンル :
情報/ワイドショー – 健康・医療
福祉 – 高齢者
趣味/教育 – 生涯教育・資格

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
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