ドキュメント72時間「“はなキャバ”人生劇場」 2015.07.03


東京から北へ150キロ。
日本有数の大企業のお膝元にちょっと不思議なエリアがある。
今どき珍しい古びた建物。
路地には小さな飲み屋が立ち並びまるで昭和の時代に迷い込んだよう。
何だかディープな雰囲気のこの場所が今夜の舞台。
その名も…。
現代からタイムスリップしたような異空間に3日間カメラが潜入した。
日が傾き始めた夕方6時。
現場のはなキャバに到着。
近くで見ると全部トタン造り。

(歌声)あちこちから歌声が漏れてくる。
(取材者)どうもこんにちは。
あっおじさんが手招きしてる。
こんばんは。
どうもこんばんは。
お邪魔してます。
意外にも中は至って普通の飲み屋さん。
カメラを向けても全くお構いなし。
みんな常連さんみたい。
もう一軒入ってみよう。
すいません。
今NHKで取材してまして…ママの代わりに娘さんが店番をしているらしい。
お客さんも慣れた様子で自らお酒の準備。
こんにちは〜。
大ママさんです。
食材の買い出しが長引いていたみたい。
卵焼きと焼き鳥2本。
ブリの照り焼きまでついてる。
でもお客さんはまだ注文してないのに…。
自動で出てくる?これで…えっ?これで…。
あれ?お勘定をしないで帰っちゃった。
肩肘張らずに安心して過ごせる場所なんだな。
メダカに恋してんだって。
こちらのママはお客さんそっちのけでメダカに夢中。
あれ?飲み屋なのに子連れの家族?すいません。
頂きます!いい飲みっぷり。
あ〜うまい!あ〜!はい!そうなんですか?どちらまで?泉?あっいわきの方まで。
はい。
震災後福島での仕事が増えているという大工さん。
この日は雨で仕事が早く終わり子どもと一緒に来たらしい。
15年前の。
うん見た。
ほら〜これだよ。
これ。
ママが最近見つけた古〜い写真。
大工さんが一人息子を初めて店に連れてきた時に撮ったらしい。
恥ずかしい。
(笑い声)
(歌声)にぎやかなお店を尻目に静かに飲む2人組がいた。
1人だけ残ったお客さんとママのよう子さんが話し込んでいた。
あの…失礼ですけども…30代の頃に両親が相次いで病に倒れ介護に明け暮れてきたという。
人生を静かに語るもよし楽しく騒ぐもよし。
はなキャバはどんな人でも受け入れる。
深夜12時。
こんな夜中にたった一人で飲む女性が。
仕事はずっと水商売。
30を過ぎた頃環境を変えようと地元を飛び出したという。
はなキャバでのたあいのない会話が今は心地いい。
撮影2日目。
昼間は全く人けがないはなキャバ。
…と思ったら昨日遅刻してきた大ママが。
ご苦労さまです。
この時間から何のお仕事?店の売り上げはギリギリ。
今のサービスを維持するため昼間はパートに出ているという。
じゃあお気を付けて。
行ってきます。
分かりました。
行ってらっしゃい!今度は店先で何か作業をする男性たちが。
中にいたのはゆうべお客さんの話を聞いていたよう子ママ。
常連さんがアンテナを直しに来てくれたらしい。
もともとは小さな屋台村として始まったはなキャバ。
トタン造りの店の数々はお客さんも一緒になって作り上げてきたものなんだって。
夕方6時。
メダカのママの店で盛り上がる人たちがいた。
アハハハ!日立製作所はここだから。
かつては日立市内で10万人以上が働いていた。
今は雇用が減って少し静かになったけど仲間とここに来ると昔と同じ気分になれるらしい。
夜7時半。
少し遅い時間に出勤してきたママがいた。
ちょっとハスキーな声。
若い頃から水商売の店を転々としてきたらしい。
あっいらっしゃ〜い。
夜9時。
この店一番の常連さんがやって来た。
10年前に離婚。
一度は息子さんと離れたけどいろいろあって最近また同居しているという。
高校を中退したりバイクで事故を起こしたり息子さんには結構手を焼いたらしい。
撮影3日目。
ママたちの時間が今日もゆったりと流れていく。
あっよう子ママ。
また誰かと静かに語り合ってる。
どうやら先輩ママに人生相談をしていたみたい。
40歳で夫を亡くし介護の仕事をしながら子育てしてきた。
62歳で雇ってもらえなくなりここに来たけどまだ慣れる事ができないという。
3日3晩やります3日3晩。
昨日のシングルファーザーの男性。
うわさの息子拓さんと一緒。
ママに見せたいものがあるみたい。
お世話になっているお礼にゲームセンターで取った景品をプレゼント。
はいよ。
去年お父さんと同じ建設現場で働きだした拓さん。
誕生日もはなキャバのみんなが祝ってくれたらしい。
最近になって拓さんはお父さんにある決意を伝えたという。
いや俺はもう帰ります。
いない?いない?何人ぐらい?いや〜うまいね!2015/07/03(金) 22:55〜23:20
NHK総合1・神戸
ドキュメント72時間「“はなキャバ”人生劇場」[字]

大企業の城下町、日立の国道沿いにある飲食街“塙山キャバレー”の3日間。昭和にタイムスリップしたかのような不思議な異空間で繰り広げられる客とママたちの人間模様。

詳細情報
番組内容
巨大企業の城下町、日立市の国道沿いに昭和にタイムスリップしたかのような不思議なレトロ空間がある。未舗装の細い路地にトタン作りの居酒屋などが並ぶ通称“塙山キャバレー”だ。高度成長期に生まれておよそ50年。十数軒が看板を掲げ、工場の社員や地元の人たちの癒やしの場となってきた。楽しく騒げる店、ぼやきを受け止めてくれる店、親戚の家のような店。“はなキャバ”の雰囲気にひかれて集まる客とママたちの3日間の物語
出演者
【語り】市川実日子

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

OriginalNetworkID:32080(0x7D50)
TransportStreamID:32080(0x7D50)
ServiceID:43008(0xA800)
EventID:2362(0x093A)

カテゴリー: 未分類 | 投稿日: | 投稿者: