（サッシャ）
いよいよ来週細田守監督の最新作『バケモノの子』が公開に
それを記念して３週にわたり世界が注目する細田監督の作品をお届けします
（朴）
…の壮大な物語
さぁ今夜は世界の危機に立ち向かう大家族を描き国内外で絶賛された…
（夏希）私の恋人のフリをしてほしいの。
（夏希）分かってくれる？
（健二）わ…分かります。
何か青春って感じよね
夏にぴったりの爽やかな感動作です
よろしくお願いしま〜す!!
放送中は…
お気に入りのシーンに合わせて大好きボタンを押そう
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有名なあのシーンやセリフもチェック
チェック！
参加者全員にチャンスが！
ワォ！
よろしくお願いしま〜す!!
ようこそＯＺの世界へ
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ではこれからＯＺの世界を体験してみましょう
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（時報）
（アナウンサー）７月２６日月曜日お昼のニュースをお伝えします。
小惑星探査機『あらわし』は今日午前太陽周回軌道から地球の衛星軌道に乗りました。
トラブル続きの『あらわし』でしたが今後タイミングを計りながら小惑星マトガワで採取したサンプル入りのカプセルを打ち出す予定です。
では次のニュースです。
（ケンジ）あと少しで日本代表になれたんだ。
（サクマ）まだションボリしてんの？いいかげん…。
（主任）おいバイト！サボってんじゃねえぞ！
（サクマ）は〜い。
あと少しでさ…。
それ聞き飽きた。
いいかげん新しいことに目を向けようぜ。
今年の夏のテーマ決めよう女！女！どう？
（佐久間）夏といえばスイカと花火と女だろ？
（健二）スイカと花火で十分だよ。
（佐久間）薄い人生だなおい。
薄くったって軽くったっていいよ。
（夏希）ねぇバイトしない？
（佐久間）今バイト中ですけど。
バイト？
（佐久間）ＯＺのシステムの保守点検ですよ。
へぇ〜ＯＺの？すご〜い！
（佐久間）いやいや末端の末端の末端だから楽チンですよ。
そっかバイト中かガクっ…。
誰かいないかなぁ他にバイトしてくれる人。
あの夏希先輩僕でよければ…。
ホント？おいこっちどうすんだよ？すいませんやっぱ無理です…。
ダメか…バイトといっても私と一緒に田舎に旅行してくれるだけなんだけどなぁ。
はい！俺やります！えっ何それ！じゃじゃあ…僕もはい！でも２人じゃ多いかな。
え？募集人員１名なの。
あっ健二君こっちこっち！遅れてすみません。
ううん時間ぴったり。
佐久間君じゃこうは行かないわね。
任せてください何でもやりますよ。
ありがとうじゃあ早速これ持って。
（新幹線の警笛）長野県上田市？大おばあちゃんのお誕生会なの。
日本中から親戚が集まるんだけど全然人手が足りなくて。
ところでさ何の日本代表になれなかったの？えっ！佐久間君が言ってたよ。
あとちょっとだったのに惜しかったんだって？ねぇねぇ何の日本代表？え〜っと数学オリンピックっていって…。
オリンピック？何それ？数学の？得意なんだ？ええまぁっていうかそれしかできません。
へぇ〜何かやってみてよ。
そうですね…先輩の誕生日いつですか？私？７月１９日平成４年の。
日曜日です。
は？１９９２年の７月１９日は日曜日でした。
あ…ひょっとして全部覚えてるの？いえモジュロ演算っていうのを使って…。
当たってました？ん〜…ごめん何曜日か知らないや。
（アナウンス）上田上田。
おばあちゃん今度のお誕生日で９０歳ってことは…。
大正９年生まれですかお元気ですね。
（典子）夏希ちゃん？夏希ちゃ〜ん！典子おばさん！
（典子：夏希）久しぶり！
（警笛）
（典子）陣内家の現役１６代当主。
１６代!?お墓が室町時代からあるからね。
明治になって始めた生糸商が成功してお家がすっごい大きくなるんだけど亡くなったおじいちゃんがこれまためちゃくちゃな浪費家で…あっ！
（ブレーキ音）あっ由美おばさん！
（由美）夏希ちゃ〜ん！
（由美）今じゃすっからかん！山も問屋も工場も何ひとつきれいさっぱり残ってないんだから。
はぁ…。
それでも毎年おばあちゃん宛ての年賀状を見るとびっくりよ！有名な企業の社長とか政治家とかもう！
（クラクション）
（奈々）夏希ちゃ〜ん！奈々さ〜ん！
（奈々）だからなのかおばあ様ってたまにびっくりするくらい怖いことおっしゃる時ありますよね。
（典子）武家の血ってやつよね。
気を付けたほうがいいわよ。
アハハハハ…。
あぁ…。
何これ…。
（万里子）遠いとこ大変だったわねスイカ冷えてるわよ。
（子供達）わ〜い！あのこのたびは９０歳のお誕生日おめでとうございます。
（万里子）えっ!?あっ…。
私の…母の…誕生日なの。
（万理子）お母さん。
（栄）お入り。
おばあちゃん！
（栄）来たね。
会いたかった！体大丈夫？見ての通りだ。
最近元気ないって聞いてたから。
ただの夏バテ心配はいらないよ。
よかったフフフ。
ん？あっどうも。
約束覚えてる？この人が？小磯健二君。
あのはじめまして僕夏希先輩とは高校の物理部で…。
（せき払い）え〜っと私の彼。
えっ？彼氏？えっ？そう私のお婿さんになる人。
えっ？お婿さん？へっ？そうお婿さん。
そうかい。
どう？ちゃ〜んと連れて来たでしょ？あのこれはどういう…。
健二さん。
はい！この子はわがままで世間知らずだけどちゃんと幸せにする自信はあるかい？あっその…え〜っと…その…。
覚悟はあるかいと聞いている。
あっはぁ…。
本当に？ええまぁ…。
命に代えてもかい？えっ？はい…。
よかったアハハハ…。
あっそうだ。
何？お祝い。
朝顔柄の浴衣ね！ありがとう！健二さんどうぞよろしくお願いいたします。
こちらこそよろしくお願いいたします！ごめん！無理です！あらためてバイトの内容説明するね。
無理ですって！おばあちゃんや親戚の前で私の恋人のフリをしてほしいの。
ムリムリムリムリ絶対ムリ！僕女の人と付き合ったことないですし。
がっかりさせたくないの勢いで言っちゃったんだもの。
いつも元気なおばあちゃんが寝込んでるって聞いたから「私の彼氏連れて行くまで死んじゃダメよ」って思わず…。
ねっ分かってくれる？わ…分かります先輩の気持ち。
ありがとう！じゃあこれから先輩って呼ばないで「夏希ちゃん」とかって呼んで。
え？設定があるの。
は？設定？東大生で旧家の出身であとアメリカ留学から帰ったばっかり…ってことになってるから。
東大で旧家で留学って僕と真反対じゃないですか！覚えた？やっぱムリですムリムリムリ！何でもやるって言ったくせに。
うっ…！ねったった４日間だけあとは別れたことにするから。
お願い！あ…あ〜…。
じゃあ紹介するね。
まずは本家の万里子おばさんにおばさん家の理香さんと理一さん。
でこっちが万助おじさんに太助さん直美さん。
聖美さんに太助さん家の翔太兄。
でこっちは万作おじさんにおじさん家は男３人兄弟で頼彦さんのお嫁さんの典子さんと邦彦さんのお嫁さんの奈々さん克彦さんのお嫁さんの由美さんに由美さん家の祐平と恭平。
で奈々さん家の加奈ちゃんと典子さん家の真悟と真緒。
覚えた？はぁ…いやどうかな…。
（直美）まっとりあえず…。
（一同）よろしく。
よろしくお願いします…。
（理香）いや〜おばあちゃんがよく認めたわよねぇ。
（直美）私なんか連れて来る男連れて来る男み〜んな追い返されたわよ。
（理香）だって東大で旧家の出で留学経験ありでしょ？
（直美）ちょっと出来過ぎよね〜。
（理香）ホントウソみたいにいい物件。
（万助）お前らも見習え独身コンビ。
（理香：直美）うるさいな！
（理香）私は自分の意思で独身を選択してるのよ！
（万作）ところで婿殿２世のほうは？え？いやあのだから２世…。
いきなり何言ってんのこのエロ親父！挨拶に来ただけでしょ。
あれ？挨拶ってことは「僕夏希ちゃんとやっちゃいました」…ってことじゃないの？違うの？大学生でしょまだやってないの？
（万理子）やめなさいって！いいじゃねえかそのうち身内になるんだからなっ？ガハハハ！
（翔太）何が身内だよじいちゃん俺は認めねえぞ！
（太助）翔太うるさい！
（翔太）てめぇは黙ってろ！
（太助）てめぇとは何だ親に向かって！俺は夏希がこんな小っちゃい頃から全部見てんだ。
どんな小っちゃいのよ。
そのまたいとこの俺に断りもなしにだな…。
（聖美）またいとこ！遠いなぁ。
ハハハ…。
ぐっ…！だから！何だっていいの母さんが認めればうちはそうやって回ってるの。
（翔太）ばあちゃんが認めたって本当かよ？もちろん健二さんはうちの立派な婿さんだ。
私の目に狂いはないよ。
陣内家の人間に半端な男はいらない。
じゃなきゃ家族や郷土を守れるものかい。
そうともよ！陣内家の男は強くなきゃいけねえ。
もともとわが陣内家は最強武田軍団の一翼！
（直美）始まった。
（万助）ところが武田滅亡で家臣団がバラバラに離散してな築いたキャリアがいっぺんになくなっちまうわけよ。
でここ上田に来てからは小国ながら郷土を守って数々の戦を立派に戦って来たってわけさ。
時は天正１３年８月２日徳川の精鋭７千を相手にご先祖様はわずか２千の兵力で立ち向かった！
（万作）よっ！第１次上田合戦！
（万助）その通り！二の丸まで攻め進む徳川軍だがわがご先祖はひるむことなく撃退し…。
はい後ろ向いて。
（佐久間）うらやましいヤツだな彼氏の代役なんて。
うらやましくないよバイトだよ。
でどうなの？楽しんでんの？知らない人に囲まれるのは苦手だ。
何贅沢言ってんだようちの学校の一番人気の夏希先輩とひとつ屋根の下だろ？せっかく彼氏の代役なら隣の布団に寝かせてもらえよ。
なっ何を…！そんなことあるわけないだろ！ハハハ…じゃ頑張れよ。
（通話が切れた音）あ…。
あれ？どこだ？ここ。
しかしムダに広いな。
あ…。
（佳主馬）何か用？いや何か迷っちゃって。
トイレなら戻って右。
あ…ありがとう。
君はみんなの所へは行かないの？
（加奈）お母さ〜ん。
わっ！まだ拭いてないでしょ加奈…。
あっ！う〜わわわ！す…すいません！あ…お風呂空いたよ入っちゃって。
いや僕今日はお風呂は遠慮してその…。
夏希先輩の入ったお風呂…。
（息を吸い込む音）ん？うわぁ〜！
（祐平）同時！同時同時！フ〜…。
（侘助）・ハヤテ俺だよ俺忘れたのか？・
（万助）何しに来た？
（侘助）何しにも何もここは俺ん家だろ？
（万理子）どこがあんたん家よ！
（侘助）シシシ…万理子おばさん相変わらずキツいなぁ。
１０年前と変わりゃしねえ。
（万作）変わらんのはお前だろいきなり顔を出したかと思えば何だその態度は！
（侘助）何で一族勢ぞろいなんだ？
（太助）日曜日お誕生会なんです。
侘助。
侘助？よぉババアまだ生きてたか。
あんたこそどこぞで野垂れ死にしたかと思ってたよ。
フフフ…その分じゃ１００歳までくたばらねえな。
あんたごはん食べたかい？メシなんていらねえよ。
（侘助）ったくろくでもねえよ日本はとにかく蒸し暑いし相変わらず道路は狭ぇしゴミみたいに人は多いしさ。
あ〜ビールだけはうめぇわ。
おじさん…。
あ…。
侘助おじさん！
（侘助）夏希？夏希か？うれしい！帰って来てたのね！
（侘助）おっおい！
（直美）夏希！
（理香）離れな！え〜何で？だってさぁ…。
（直美）もう１０年か。
（万理子）早いわねぇ。
あの〜侘助さんて…。
奈々ちゃんは初めてだったね。
いろいろ複雑なのよこれが。
複雑なもんですか本家の養子よ一応。
（直美）簡単に言えば大おじいちゃんの妾の子。
え〜！昔はよくある話だったのよ。
あいつはね勝手におばあちゃんのなけなしの山売って勝手にそのお金持ち逃げして勝手にアメリカ行って！要するに勝手なヤツなのよ！ん〜…。
う〜ん…。
何やってんだろ俺…。
（受信音）ん？あ…。
何だ？これ。
あっ解けた！ハァ…。
（受信音）あ…。
（振動音）うわっ！何なんだよ…。
う〜ん…。
（真悟）起きろ！
（祐平）起きろ！えっ？あっ！
（真悟）早く起きろ！
（祐平：真悟）起きろ〜！なになになに…何!?見てみろほらな同じ顔だろ？間違いありませんこいつです。
えっ？
（アナウンサー）写真をもう一度ご覧ください。
（コメンテーター）いや見れば見るほど若い人のようですね。
こ…これは…僕だ！
（アナウンサー）驚くべきことにこの少年仮想都市ＯＺのシステム内部へと侵入一夜にしてＯＺ中を大混乱に陥れた。
復旧にはまだしばらく時間がかかりそうです。
（コメンテーター）愉快犯だねこれは私も朝からメールが使えなくて困ってますよ。
）ほらあれでしょＯＺの利用率携帯電話の普及率とほぼ同じなんでしょ？買い物や公的手続きでしょそれから会社の業務決済生活の全てがＯＺアカウントに頼ってるわけだから不具合が一部とはいえ愉快犯じゃ済まされないよ。
愉快犯って？愉快なんじゃねえ？ヒャハハハ…。
（典子）何がおかしいの？朝ごはんよ。
あっ！
（真悟：祐平）あっ！ああっ！ちょ…あっ！ちょい待て！返して返して！ゆかいは〜ん！ゆかいは〜ん！返して返して返して…。
返して返して僕じゃ…あっ！あっ何！
（由美）・ごはんよ！・うわっ！あれ？あれ!?何で!?どこだっけ？え〜っと…。
あっ！うわっ！いた！これおにいさんがやったの？あのさパソコン借りていい？言い方がダメもっと取引先に言うみたいに言って。
も…申し訳ありませんがパソコンを貸してください。
ん…。
ありがとう！
（電子音）
（電子音）何で？何焦ってんの？アカウント乗っ取られたみたいなんだ。
何だ成り済ましか。
どうしよう…。
サポートセンターに連絡。
それだ！あっもしもし…！
（アナウンス）あなたのＯＺアカウントを認証できないため携帯電話回線に接続できません。
か…かからない！かからないよ！落ち着きなよ。
（聖美）・小磯君？・う〜わっ！落ち着きなって。
東京から佐久間さんって人。
（佐久間）まさかお前の仕業じゃないよな？違う！だよな動機も度胸もないよな。
分かってるなら何とかしてよ！無理。
パスワードが書き換えられてて管理棟に入れない。
ＯＺは世界一安全じゃなかったの？昨日変なメールがＯＺ中にばらまかれた。
変なメール？ＯＺのセキュリティーは２０５６桁の暗号で守られている。
そう簡単に解ける暗号じゃないんだ。
それを誰かがひと晩で解いちまった。
２０５６桁…最初の数字は？
（佐久間の声）８。
それ僕です僕がやりました。
何だって!?何かの問題だと思って思わず…。
解いたってかこのバカ！すいません…。
すげぇ！とりあえずその電話機の番号でゲストアバター取っといた。
何の権限もないけどないよりマシだろ。
事情分かるまで使っとけ。
（ＯＺアナウンス）ＯＺからのお知らせです。
ただ今一部のサービスが使用できなくなっています。
繰り返しますＯＺからのお知らせです。
あっ…。
（ＯＺアナウンス）一部のサービスが使用できなくなっています。
あ…あのすみません！僕のアバターでイタズラするのはやめてください。
（偽ケンジ）シシシシ…。
こ…この人は僕の偽物です！アカウントを奪われたんです！一体誰ですかこの人！
（アバター達）シシシシシ…。
こ…こんなイタズラして何が面白いんだよ！ネットの中だからって何でもやっていいと思ったら大間違いだ！あっ！
（サクマ）バトルモード!?エリア限定のはずなのに！
（サクマ）えらいことだ当たり判定のレギュレーションが全フィールドで書き換えられてる！もっと分かりやすく言うと？ＯＺの全ての場所が格闘場になっちまったってこと逃げろ！あの話し合いましょう！話し合いましょう！
（佳主馬の声）ディフェンス！何やってんの！ちょっと貸して！あ…。
あれは…。
キングカズマ！すごい君って…。
話しかけないで集中できない。
ウシシシ…。
捕まえた！雑魚だよこんなの。
シシシシシ…。
あっいた！愉快犯を発見しました！よし逮捕だ！逮捕だ〜！え？おわっ！やめろ！あっ！
（偽ケンジ）シシシ…。
ああ〜助けて…！ああっ！形が…。
変わった。
クソっ！クソっ！クソっ！こいつ！ゲームやってんの？俺にもやらして。
触るな！あっ！
（キングカズマ）うっ！う〜っ！うわっ！ああ…。
（ＯＺアナウンス）ＫＯ！
（ＯＺアナウンス）チャレンジャーウィン！うわっ！うわぁ〜！人間じゃない？人間じゃないってどういうこと？
（佐久間）ＡＩだよＡＩ人工知能。
ピッツバーグのロボット工学研究所から開発中の実験用ハッキングＡＩが脱走したらしい。
脱走？通称ラブマシーン。
ラブマシーン…。
（男）もう勘弁してくださいって感じですよね。
（女）ホント私もケータイ使えなくなっちゃって早く元に戻んないかしら。
（由美）了平が『甲子園』行けたらみんなで温泉行こうよ私おごるから。
（一同）いいねぇそれ。
あっ！
（直美）あれ？この顔どっかで…。
（理香）夏希！あんたこれどういうこと!?
（翔太）あいつと別れろ！今すぐ！今役所のＯＺで住民基本データ内緒で検索したんだけどさ旧家の出なんてウソ！普通のサラリーマンの息子じゃないの！しかも高校生よ！年下よ！今交番にファクスでこれが…ほら！どこが東大よ！どこがアメリカ留学よ！あの…そそれは…。
何でこんなウソつくのよ！ウソまでついておばあちゃんが喜ぶと思う？プロフィル聞いた時から怪しいと思ってたのよねぇ。
まっ東大出身で旧家の出でアメリカ帰りならうちにも１人いるけどさ。
（万理子）あらそういえば侘助も。
（理香）確かにでも何で？待てよそういえば夏希の初恋って…。
（直美：理香）あ〜！
（万理子）そうよ翔太より侘助にいっつもくっついて。
幼稚園児のくせに恋占いとかしちゃってさ。
「おじさんと私」ってタイトルで作文書いてたじゃん。
いや〜！もうやめて〜！全部忘れて〜！なるほどそういうわけか。
どうでもいいっつうか！問題はこいつが犯罪者だってことじゃねえのかよ！確かに。
そんな人家に置いとけないわ。
（直美）あんた警察でしょ身柄確保とかすれば？あっそうか…オラっ！すげぇ！リアル逮捕だ！
（典子：由美）こら見るな！１２時３０分罪状はえ〜っと…。
（栄）ニュースでやってることあれホントにお前さん？私には何が起こって誰が困っているのやらよく分からない。
あの写真は間違いなくお前さんなの？僕は無実です。
言い訳は署で言えやあぁ!?おいこら！あのこんなことになってあれですけどここに来れてすごく楽しかったです。
はぁ!?お黙り！うちは父が単身赴任中ですし母も仕事が忙しくて家では大抵１人です。
大勢でごはん食べたり花札やったりこんなににぎやかなのは初めてっていうか…。
うれしくて…。
とにかくお世話になりました。
皆さんもお世話になりました。
（子供達）バイバ〜イ。
あっ夏希先輩…。
夏希先輩！うっ！この車パトカーじゃないんですね。
（翔太）うるせぇ！すみません！おい！はい！青なのに何で動かねえんだよ！すみません！えっ着かないってどうして？
（雪子）ナビが壊れちゃったみたい埼玉辺りのはずなのに画面だと北海道なのよそれにすごい渋滞。
いつそっちに着くか分かんないなぁ。
帰れないの？何で？
（頼彦）松本市内の年寄りが全員在宅ケア用の緊急ボタンを押しまくってる。
えっ諏訪も？
（邦彦）出場命令が出て現場に到着してるのに火事なんかどこにも起きてないんだ。
今朝からこればっかだよ。
だって夜勤明けでしょ？
（克彦）だからって万が一があるから行かないわけにはいかないだろ。
どうせ行ってもニセ情報だろうけどな。
うちの船が別の港に着いたって？名古屋も混乱中？何とか来れないの？引き返した？仙台にですか。
ねぇ松山の一敏おじさんがさ…。
あれ？何でみんな来られないのよ！どうなってるの!?
（翔太）クソっどうなってんだ！昼休みが終わっちまう！ん？あ？戻って！この先６０ｋｍ渋滞だって。
夏希に頼まれなきゃこんなことしないっつうの！何が起こってるの？
（理一）テロかもね。
え？いいか船でＧＰＳは使うな漁協にも言っとけ。
頼彦達ハシゴ乗りやってくれるんじゃなかったの？それどころじゃないだろうな。
お祝いの紅白饅頭人数分頼んじゃったわよ。
饅頭が届くかどうかすら分からん。
何よ！分家はろくに手伝いもしないで！ラブマシーンの仕業に決まってんだろ。
例のパスワードあれでひとのアカウント盗み放題だ。
アカウントって？ＯＺ内での身分証明。
（佐久間の声）ＯＺで何でもできる今アカウントと現実の人間の権限はほぼ等しいんです。
水道局員のアカウントを盗めば水道局のシステムを好きにできますしＪＲ職員のアカウントを盗めばＪＲのダイヤをひっかき回せます。
登録者１０億人以上今や世界中のさまざまな機関がＯＺアカウントを利用してますからね。
ＯＺの高いセキュリティー能力が裏目に出てるんだ。
（佐久間）その通り大統領のアカウントを盗めば核ミサイルだって撃てるかも。
（一同）えっ！僕のせいだ…僕の…。
（翔太）や…やっぱりこいつ逮捕だ！この渋滞が緊急車両の通行に著しい障害となっています。
ドライバーの皆さんは…。
これはあれだねまるで敵に攻め込まれているみたいじゃないか。
敵って〜？下手をしたら死人が出るかもだね。
はい救急５。
あれ？ばあちゃん！何で専用電話にかけてんの？
（栄）頼彦くじけていないで１軒でも多くのお年寄りを訪問するんだいいね？
（栄）邦彦へこたれんじゃないよ意地を見せな。
（栄）いいかい克彦これは戦だよ私も何とかしてみるから。
何とかって？
（通話が切れた音）あれ？勘ちゃん？栄ですノリちゃんの葬式以来だね。
ところで同じ武田家家臣のよしみで聞くんだけど国土交通省はどんな手を打ってるんだい？何？今やろうと思ってた？ふざけんじゃないよ！曽根やん引退した人でも構わない１人でも多くの医療関係者に呼びかけて消防庁に協力してほしいんだ。
あんたんとこのバカ息子のＮＰＯが世の中の役に立つチャンスだよ！飯富さん？大事なのは昔のように人と人とが声をかけ合ってコミュニケーションを取ること。
それを一番分かってるのはあんたじゃないか！千さんあんたの決断に懸かってるんだ。
そりゃ確かに人手はかかるけど人の命には代えられないだろ。
先生はよしてください。
ただの年寄りのお願いだと思って聞き入れてください。
昔のことを言いなさんな垣ちゃんあんたをぶん殴ったのは半世紀も前のことじゃないか。
何千何万って人が困ってる。
ここで頑張らないでいつ頑張るんだい。
諦めなさんな諦めないことが肝心だよ。
これはあんたにしかできないことなんだ。
あんたならできる！できるって！そうだよその意気だよ！
（翔太）今話してた小幡って警視総監だぜ。
すごい…。
みんな…おばあちゃんに励まされてるんだ。
（栄）耳が遠くなったって？すっとぼけんじゃないよあんたこそちゃんと入れ歯はめてるかい？年寄り扱いするんじゃないよ！
（佐久間）ＯＺのエンジニアが総出で事に当たっているけどまだ管理棟に入れないんだ。
適当な数字打ち込んでみな。
間違ったパスワード入力すると暗号が出て来る。
これが暗号？
（栄）あんたならできる。
（栄の声）できるって！
（翔太）こいつ何者？数学オリンピックの日本代表。
…になり損ねた者です。
できた！入れた！ハァ…。
（佐久間）朗報だ健二。
えっ？ゲートのセキュリティーログによると昨夜の暗号を解いたのは全世界で５５人もいる。
だがななんとその中にお前は含まれていな〜い！な…何で？最後の１文字が間違ってま〜すブブ〜！何だクソっ犯人じゃねえのかよ。
だが返信した人間は軒並みアバターを奪われたってわけ。
おい喜べよ今回はちゃんと正解したんだから。
うぅ…。
ウフフ…。
（邦彦）ばあちゃんが関係各所にビシっと指示を出してなかったらこんなに早く収まんなかったよなっばあちゃん！あたしゃ指示なんか出しちゃいないよ。
またまたぁ。
さすがは俺らのばあちゃん。
日本一だよな。
バカだねぇ。
（一同）ハハハハ…。
健二さんあんた今日頑張ってくれたんだってね。
いえ僕は何も…。
（頼彦）夏希の彼氏？
（翔太）彼氏じゃねえよ！
（直美）ＯＺのトラブルを直しちゃったんですって？
（理香）まだ高校生なのによ？
（克彦：邦彦：頼彦）やるなぁ彼氏。
（翔太）だから彼氏じゃねえって！
（克彦）何でお前が言うんだよ。
ハハハハ！あ…。
システムが復旧したにもかかわらず日本国内で少なくとも２００万人分のＯＺアカウントが現在でも使用できない状態になっています。
原因は今のところ分かっておらず総務省では…。
えっなになに？ＯＺ。
管理に注意を呼びかけています。
でもまだ…。
ラブマシーンを倒せたわけじゃない。
その通り。
ラブマシーン？何それ「モー娘。
」？アカウントを盗むＡＩ。
（理香）何か悪そうなアバター。
（直美）いかにも敵って感じじゃん。
（克彦）今日の原因はこいつか。
でも何で報道されない？時間の問題だと思うよ師匠ネットの世界は広いし気付いてる人はもう行動を起こしているよ。
情報を共有して力を合わせれば止められないわけないよ。
（侘助）・シシシシ…残念だけどそれは無理だね・
（一同）えっ？何で無理だって分かるんだよ？なぜってそりゃそいつの開発者俺だもん。
え？えっ！ラブマシーンを…作ったの？ああ俺が開発したハッキングＡＩだ。
うわっ！うわ〜！
（侘助の声）俺のやったことはただ１つ機械にものを知りたいという機能つまり知識欲を与えただけだ。
そしたらあちらの国の軍人がやって来て実証実験次第では高く買うっていうじゃないか。
（侘助の声）まさかＯＺを使った実験とは思わなかったよ。
だがどうだい結果は良好。
ヤツは本能の赴くまま世界中の情報と権限を蓄え続ける。
今やたった１体で何百万の軍隊と同じだ。
いい？勝てないのはそういうわけ。
（頼彦）今日どれだけの人が被害に遭った？どれだけ世間さまに迷惑をかけた!?
（侘助）俺のせい？まさかＡＩが勝手に…。
（邦彦）あれのせいで世の中メチャメチャになってるんだぞ！分からねえヤツらだなＡＩが…。
子供みてぇに言い逃れすんのかよ！やめろ克！知らぬ存ぜぬじゃ通らねえぞ！
（邦彦）やめろって！だから！俺はただの開発者で人工知能にああしろこうしろ言った覚えはねえの！２人ともやめろ！ばあちゃんの前で！えっ？侘助。
（典子）何大声出してんの？
（万理子）シッ！ばあちゃんなら分かってくれるよな？今まで迷惑かけてごめんな。
挽回しようと思って俺頑張ったんだよ。
この家に胸張って帰って来れるようにさ。
ばあちゃんこれ見てよ。
今米軍から正式なオファーがあった。
ジジイが生きてた頃以上の大金がこの家に入るんだぜ。
これもばあちゃんのおかげさ。
何たってばあちゃんにもらった金のおかげで独自開発できたんだから。
おっ？母さん！逃げて！キャ〜！
（栄）えいっ！侘助今ここで死ね！う…うぅ…。
あっ！ううっ…うぅ…。
（侘助）帰って来るんじゃなかった。
おじさん！夏希！いいかお前達身内が仕出かした間違いはみんなで片を付けるよ！先輩。
あ…。
夏希先輩。
来ないで。
今いっぱいいっぱいだから。
あ…。
ん？この足ときたらてんで言うこと聞かないんだから。
さっきあんなムチャするからですよ。
フ〜助かったよ。
じゃあ片付けに戻りますね。
お前さん花札は知ってるかい？あ…。
昔はよく家族みんなでやったもんだが今じゃすっかり相手がいなくなってね。
あんたの親でいいよ。
はい。
さっきはとんだ身内の恥をさらしてしまったね。
いえ。
夏希のバカさ加減もね。
「こいこい」です。
やるね。
ありがとうございます。
この勝負ねもし私が勝ったら…。
え？何か賭けないとつまらないじゃないか。
そら「こいこい」だ。
はぁ…。
じゃいいねもし私が勝ったらあの子をよろしく頼むよ。
いいなずけの代わりを頼むような愚かな子だがそれでもあんたが承知してくれるならあらためてお願いするよ。
夏希をよろしく頼むよ。
僕は…まだ僕は自分に自信が持てません。
あんたならできるよ。
あ…。
「やってみます」としか今は言えません。
私の勝ち。
ハハハハ…フフフ…。
（風鈴の音）
（風鈴の音）
（風鈴の音）
（風鈴の音）
（風鈴の音）
（ハヤテの吠え声）あ…うわぁ！
（万理子）万作！早く！
（万作）今行く！
（万理子）早く！
（一同）おばあちゃん！
（理香）目覚まして！おばあちゃん！目覚ましてよ！おばあちゃん！おばあちゃん目開けて！おばあ様！おばあちゃん聞こえる!?起きてよ！おばあちゃん！おばあちゃん起きて聞こえる？代われ。
もういい。
ダメよ克彦続けて！ムダだ。
続けて!!
（万作）みんな集まってるな。
５時２１分。
（万作）狭心症でなニトロ処方してた。
これで体調をモニターしていた。
心拍血圧発汗異常がありゃすぐにアラームが上がる仕掛けだが昨日の夜からのデータが送られてない。
ＯＺの混乱か。
盗まれたアカウントの中にシステムの関係者がいたんだ。
じゃあいつも通りなら助かったのかよ？いや寿命だろうな。
（万助）何だよ納得いかねえよ。
侘助はどこだ！とっ捕まえて締め上げてやる！
（克彦）昨日の夜翔太の車で出て行ったらしいが…。
（邦彦）１０年も家を離れていたんだ誰も連絡先なんか知らないよ。
（万助）クソっ！
（鳴き声）止めて。
涙…。
ここ握って…。
止めて。
（泣き声）
（泣き声）次のニュースです昨日から続くＯＺの混乱でアカウントが現在も使用できない人の数が全世界で１０００万人を超えたことが…。
今日は忙しくなるわよ。
典子ちゃん由美ちゃん奈々ちゃん台所はお任せするわ。
お通夜のお酒足りるかしらね。
万作はお寺に話つけて来て。
頼彦達は町内会と商工会世話役誰にするか相談して来てちょうだい。
みんないいわね？
（万助）そんなことよりやることがあるんじゃねえか？
（理香）そうだお母さん紅白饅頭。
（万理子）あっ葬式饅頭に替えてもらわないと。
饅頭の話じゃねえ！敵討ちだ！あの何とかって機械をぶっ壊す！そうだろ？
（万理子）あきれた。
何だと？
（万理子）次男坊ってホントに役に立たないわね。
次男も長男もあるか！陣内家は代々どんな時にも旗揚げて来たんだぞ！何言ってるの父さんこれからおばあちゃんのお葬式なのよ。
（万助）そんなもん知るか！戦ってこそ弔いじゃねえのか？あの…。
僕も賛成です。
今までＯＺでの出来事が人の命にかかわるなんて思ってもみませんでした。
ヤツは危険です昨日や今朝のようなことが今後どこかで起こってもおかしくありません。
せめて僕らだけでもヤツを止めないと。
（直美）はぁ!?あんた何言ってんの？ですからこれ以上被害を出さないために…。
ひとん家で何バカなこと言ってんのって言ってんの！し…しかし…。
（直美）何でうちがこんな時によそん家の心配までしなきゃなんないわけ？しかし…。
（万理子）さぁみんな！
（手を叩く音）
（万助）どいつもこいつもそれでも陣内家の人間かってんだ。
すみません出過ぎたことを言って。
いや君の意見は正しい人を守ってこそ己を守れる。
（太助）それ自衛隊のモットー？いや…『七人の侍』のセリフだよ。
太助おじさん。
（太助）ん？店でパソコン扱ってる？もちろん。
これよりいいマシンある？そりゃもちろん。
佳主馬君。
ヤツとどう戦うかって話。
リベンジだよ。
（万助の声）慶長５年７月徳川秀忠率いる３万８千の軍勢が上田小県に攻め入った。
対するこちらの兵力はわずか２千。
さてわがご先祖様はどう戦ったか。
わざと敵を挑発して引きつけ城の二の丸まで誘い込んでから門を閉め城下町に柵をして閉じ込めたんだ。
混乱する徳川軍はなすすべなく戦意を喪失して撤退した。
これが第２次上田合戦の戦略だ役に立つか？そのアイデアいただきます。
（太助）じゃそういう手はずで。
もしもし佐久間？何を始めようっての？合戦だよ。
（理香）枕飾りってこれでいいのかしら？
（直美）さぁいいんじゃない？でもあらためて見るときれいな死に顔ね。
ホント。
いや〜入るかなこれ。
こんなものまで扱ってるんですか？地元の電器屋ってのは小売りはわずかでね。
実は役所や学校の備品受注が大半なのよ。
これも大学に納品する予定のものなんだけどね。
それって大丈夫なんですか？大丈夫大丈夫借りるだけ借りるだけ。
でも何で急に？健二君さっき万理子おばさん達に向かって堂々としてたでしょ。
きっと佳主馬も見直したんじゃないかな。
うちはどっちかっていうと女系家族だから男が弱くてさ。
さて電源はと…。
（衝突音）
（万助）どいたどいた！うわっ！いいだろ俺の船新潟からぶっ飛ばして２時間だ。
３００キロワットまでカバーできるぞ。
おっといけねえこいつ水冷だった。
すげぇ…。
ん？何ですか？これ。
（理一）ミリ波通信用のアンテナモジュール。
松本の駐屯地から借用して来た。
理一さんって自衛隊のどこ所属なんですか？ちょっと言えないとこ。
うちってバカな男しかいないの!?
（祐平）アンテナついた霊柩車が来た！バタバタしないの！
（典子）おとなしくしてなさいね。
は〜い…。
俺達これでいいんかな？喪中だろおとなしくしてろよ。
何か罪悪感あるよな職業柄。
（マンサク）仕事のことは忘れろよ。
（ヨリヒコ）ムリムリ。
（カツヒコ）昔から人の役に立てってばあちゃんに言われて来たもんで。
（クニヒコ）そうそう。
皆さん！ちょっと話を聞いてください！触るな！触るなと言ったら触るな！触ってないじゃん。
見てるだけじゃん。
（太助）問題は冷却ですねこの家クーラーないし。
（万助）氷なら船にいくらでもあるぞ。
（佐久間）夏希先輩ん家って何なの？普通の家だよ。
（佐久間）２００テラフロップスのスーパーコンピューターに１００ギガのミリ波回線ってそのスペック全然普通じゃないでしょ。
果たし状を出したいんだ。
果たし状？差出人はキングカズマ。
今度のキングカズマは今までとは違う。
（佐久間）何でお前がそんなこと言うの？僕がキングカズマだから。
フフ…それ笑うわ。
ガチで？準備完了。
こっちも行ける。
今度は勝つよ。
気合入れろ。
締まって行こう。
（時報）
（サクマ）来やがった！
（タスケ：リイチ：ケンジ）よっしゃ〜！
（サクマ）速い！
（骨を鳴らす音）行ける。
（骨を鳴らす音）逃がすな！ポイントに誘い込んで！ハッ！
（リイチ）盗まれたアバターを操ってる！
（タスケ）そんなことまでできるのか。
いけない！カズマ君逃げて！
（マンスケ）やあ〜っ！やあっ！師匠！今のうちに逃げろ！
（万助）おりゃおりゃおりゃ〜！うわ〜っ！師匠！
（マンスケ）いいからポイントに誘い込め！かかった！佐久間！予定通り！
（アバター達の歓声）やったぜばあさん！佳主馬が決めたぜ！頼彦さん達出番です！おう任せとけ！ゲーム歴３０年の俺達をナメるな！最近ろくにやってないけどな。
（カツヒコ）久々に大技決めさせてもらうぜ！
（クニヒコ）行くぞ！やった〜！やった！これ父ちゃんのアバター？ああ。
俺のもこれにする。
（真緒）パパカッコいい！カッコいい。
袋のねずみだあとは煮ようが焼こうが…。
（電子音）
（佐久間）な…何だこれ！何で？ステージが変だよ！
（太助）どうなってんだ？これ。
太助さん後ろ！あ？後ろ？何？うわ〜〜！熱っ！
（太助）熱暴走だ！えっ!?
（太助）ここにあった氷は？あんなにたくさんあったのに…。
（真緒）翔太兄が持ってったよ。
（一同）何!?よいしょっと…。
涼しいかい？ばあちゃん今日は最高気温更新らしいぜ。
うわ〜！ああ…！これ全部吸収されたアバターだ数は４億以上！佳主馬君逃げて！佳主馬君！ああ…。
あぁ…あぁ…。
この暑さでばあちゃんが腐っちまうって時にお子様はのんきにゲームかよ。
お前のせいだ…。
あ？何だって？お前のせいだ!!
（翔太）痛っ！お前の…！佳主馬君やめなよ！何なんだよ！翔太兄大丈夫？お前が来てからろくなことがねえ！夏希はバカだしよばあちゃんは死ぬしよ佳主馬には殴られるしよ！翔太兄…。
（佐久間）な…何だこれ！え？
（佐久間）ワールドクロックが…。
狂ってる…。
何の…カウントダウンだ？
（時報）な…何で原子力発電所が…。
（理一）大変だ…。
えっ？
（理一）米軍の秘匿回線でアラームが上がっている。
日本の小惑星探査機『あらわし』が制御不能のまま地上へ落下中。
（一同）ええっ!?『あらわし』はＧＰＳ誘導で任意の場所に落下できる性能がある。
もしヤツが『あらわし』を操ってるとしたら…！じゃあこのカウントダウンは…！
（理一）世界５００か所以上の核施設のどこかへ『あらわし』が墜落するまでの時間。
あ…。
（理香）こ…これ…。
（直美）おばあちゃんの…。
ちょ…ちょっと夏希！
（万里子）夏希！夏希！
（理香）ちょっと！みんな！遊びだって？人間を滅ぼすことが遊びだって？そんな…ウソだろ…。
（理一）ヤツにとってこれはただのゲームだ何らかの思想や恨みでやってることじゃない。
米軍内でもかなり混乱しているようだ。
実証実験のつもりがこんな事態を招くとは想定していなかったんだろう。
秒速７ｋｍで落下する直径１ｍの再突入体は隕石や弾道ミサイルそのものだ仮に原子炉を突き破り核物質が広範囲にまき散らされた場合被害は見当もつかない。
じゃあどうすれば…。
（理一）今まで奪われたＯＺアカウントは全体の３８％４億１２００その中からＧＰＳ管制を司るアカウントを取り戻すこと２時間以内に。
４億人分のＯＺアカウントなんて取り戻せるわけないだろ！しかし他に方法が…。
（聖美）佳主馬…。
ハッ！何が…起こっているの？
（聖美）それゲームの中のことでしょ？ねっ？そうよね？うっ！うう〜…！ムチャだキング！あっ！かないっこない！うるさい！あっあっ…。
あっ…あ〜っ！
（泣き声）おばあちゃん…ごめん…。
母さんを…妹を…守れなかった…。
（泣き声）
（太助）あと何かできるとすれば…。
（万作）侘助だけだだが…。
（理香）帰って来るわけ…。
（直美）ない…か。
まだ負けてない。
健二君。
負けたじゃん。
負けてないよ。
負けたんだよ！だからまだ負けてないですって。
何かまだ手があるはずです絶対に。
（翔太）何だよ手って数学とは違うんだよ。
同じです諦めたら解けない答えは出ないままです。
お前…。
（理香）夏希！あっ…。
（呼び出し音）
（侘助）何でこのアドレス分かった？夏希。
今どこ？
（侘助）どこでもいいだろ。
それよりどうやって俺のケータイのパスコード解いた？戻って来て。
ばあさんに言われたのか？そうだろ？聞いて。
俺は戻らないよ。
ばあさんがあの家にいる限り絶対に戻らない。
お願い聞いて。
誕生日だって知ってたら絶対に戻って来なかったぜ。
おじさん…。
だから…。
何が起こってるか何も知らないくせに！何なんだよ？栄おばあちゃんが死んだの。
心臓が弱ってたの。
ＯＺの混乱のせいで万作おじさんがすぐに手当てできなかった。
ばあちゃんが…？ばあちゃんが…死んだ？おばあちゃんの誕生日忘れてたなんてウソ。
だってパスコードが…。
８月１日だったもの。
本当はおばあちゃんに会いに来たのよね？絶対そうよね？お願い！もう一度戻ってお別れを言って！
（栄の声）「家族へ。
まぁまずは落ち着きなさい。
人間落ち着きが肝心だよ。
葬式は身内だけでさっさと終わらせてあとはいつも通り過ごすこと。
財産は何も残してやしないけど古くからの知り合いの皆さんがきっと力になってくれるだろうから心配はいらない。
これからもみんなしっかりと働いてください。
それと…」。
（栄の声）「それともし侘助が帰って来たら１０年前に出て行ったきりいつ帰って来るか分からないけどもし帰って来ることがあったらきっとお腹をすかせていることだろうからうちの畑の野菜やブドウやナシを思いっきり食べさせてあげてください。
初めてあの子に会った日のことよ〜く覚えてる。
耳の形がじいちゃんそっくりで驚いたもんだ。
朝顔畑の中を歩きながら今日からうちの子になるんだよって言ったらあの子は何も言わなかったけど手だけは離さなかった。
あの子をうちの子にできる私のうれしい気持ちが伝わったんだろうよ。
家族同士手を離さぬように。
人生に負けないように。
もしつらい時や苦しい時があってもいつもと変わらず家族みんなそろってごはんを食べること。
一番いけないのはお腹がすいていることと１人でいることだから。
私はあんた達がいたおかげで大変幸せでした」。
「ありがとうじゃあね」。
（泣き声）
（車が近づく音）
（急ブレーキ音）
（祐平）うわ〜ＲＸ−７だ！おじさん！うっ…ばあちゃん！ばあちゃん！侘助おばあちゃんにちゃんと挨拶してらっしゃい。
そしたらみんなでごはん食べましょ。
（侘助）ばあちゃんただいま。
（由美）原発が狙われてる!?大変じゃない！
（克彦）ああ追い詰められてる。
（由美）食べてる場合なの？
（万助）遺言だからな。
（由美）敵は圧倒的なんでしょ？
（頼彦）慶長２０年の大坂夏の陣じゃ徳川１５万の大軍勢に打って出た。
（由美）でも負けたんじゃ…。
（万作）こういうのは勝ちそうだから戦うとか負けそうだから戦わないとかじゃないんだよ負け戦だって戦うんだうちはなそれも毎回。
バカな家族！そう私達はその子孫。
確かに私もそのバカの１人だわ。
でもでも何か策はあるんでしょ？今からヤツをリモートで解体する。
だが間に合うかどうか五分五分だそこで…。
混乱の原因はアカウントを奪われてること。
もっと有効な手段で奪い返すにはどうしたらいいか。
有効な手段？ヤツはゲーム好きだって言ってたよね？え？これですよ。
残りあと１時間！
（時報）
（ＯＺアナウンス）ＯＺカジノステージへようこそ。
（ナツキ）あなたそんなにアカウントが欲しいの？いいわ私のをあげる。
ただし私との勝負に勝ったらね！
（ＯＺアナウンス）花札が選択されました賭け金を設定してください。
賭け金は…私の家族！お互いのアカウントを賭けて勝負よ！みんなのアカウント私が預かったわよ。
ばあちゃん見守ってよ！
（侘助）花札とはうちらしい戦い方じゃないか。
侘助さん同時並行で解体作業お願いします。
しかし勝負に乗って来るか…佐久間君を含めて２０人いくら何でもこんなちゃちな賭け金じゃ…。
黙ってろどんなにちゃちでも俺達の命だ。
勝負しろ！
（一同）そうだ！乗って来る必ず。
間違いない。
（ＯＺアナウンス）参加者が現れました。
来た！
（マンスケ）勝てナツキ！世界の運命はお前に懸かってる！
（ＯＺアナウンス）このステージではカジノルールが適用されます。
「こいこい」１回ごとに得点が倍になります。
最後に上がったプレーヤーが得点の総取りになります。
柳にツバメ菖蒲にカス親がナツキさんに決定しました。
それではゲーム開始です。
それ切っちゃダメでしょ！それ切んのか？ちょっと黙って！
（ヨリヒコ）青タンだ！
（ＯＺアナウンス）「こいこい」にしますか？
（一同）「こいこい」！「こいこい」！
（ＯＺアナウンス）ナツキさん「こいこい」です。
（ＯＺアナウンス）三光です「こいこい」にしますか？
（ＯＺアナウンス）タンです「こいこい」にしますか？
（ＯＺアナウンス）ナツキさんの勝ちです。
（万作）こりゃいいややっこさんてんで素人だ。
小っちゃい頃からばあちゃんに仕込まれたうちらをナメるんじゃないわよ！
（ＯＺアナウンス）２６のアカウントが移動します。
（クニヒコ）４億分の２６か。
次よ！
（ＯＺアナウンス）親のナツキさんがレートを決めてください。
（ＯＺアナウンス）三光です「花見で一杯」です四光です。
（ＯＺアナウンス）タネです雨四光です猪鹿蝶です。
（ＯＺアナウンス）ナツキさんの勝ちです。
（ＯＺアナウンス）ナツキさんがレートを上げました。
「こいこい」！「こいこい」！「こいこい」!!夏希先輩すげぇこんな短時間で３０万以上のアバターが解放された。
だがまだ危機回避に有効なアカウントが奪えてない！侘助さん！あっ！
（ＯＺアナウンス）「花見で一杯」です。
しまった！
（ＯＺアナウンス）ＵＮＫＮＯＷＮさんが「こいこい」しませんでしたナツキさんの負けです得点が移動します。
（ＯＺアナウンス）ナツキさんの持ちアカウント７４です。
（佐久間）ヤバい！３０分を切った！
（ＯＺアナウンス）現在のレートに対して賭け金が不足しています。
ここでゲームを終了しますか？現在のレートに対して賭け金が不足しています。
ここでゲームを終了しますか？現在のレートに対して賭け金が不足しています。
ここでゲームを終了しますか？あ…あ…あ…。
あっ！
（タスケ）ドイツの男の子からだ。
（ナオミ）誰？
（リカ）佳主馬のファンか何か？知らない。
すごい！
（サクマ）総アカウント数の１３．８３７％１億５千万以上のアカウントが集まった！
（ナオミ）何でこんなに…。
（マンサク）きっとナツキが美人のおかげだ。
（マンサク）な…何が起こったんだ？
（タスケ）ＯＺの守り主がナツキに吉祥のレアアイテムを授けたんだよ！よく分からんが…。
（一同）ありがたや！
（ＯＺアナウンス）ＵＮＫＮＯＷＮさんがレートを上げました。
（ＯＺアナウンス）１文につき１０００万アバターです。
（マリコ）１０００万！
（ショウタ）あいつ勝負つける気だ。
（ＯＺアナウンス）ではゲーム開始です。
はっ！
（ＯＺアナウンス）三光です。
はっ！
（ＯＺアナウンス）猪鹿蝶です。
こい！
（ＯＺアナウンス）赤タンです。
こい！
（ＯＺアナウンス）雨四光です。
こい！
（アバター達）こい！行け〜！夏希やれ〜！やっちまえ〜！先輩行けます！ぶちかませ！うわ〜〜〜!!
（ＯＺアナウンス）五光です。
ナツキさんの勝ちですアカウントが移動します。
と…。
と…止まった…。
や〜…。
や〜〜…。
やった〜！やった〜！やったやったやったやった！先輩！健二君…私…私…。
やったぁ〜！ちょっと…先輩！ハハハ…。
（太助）待って！何かおかしい！
（一同）え？
（太助）カウントダウンが止まらない！
（一同）ええっ!?
（佐久間）そんな！世界中のワールドクロックは止まってるのに！ここだけ!?
（吠え声）
（吠え声）
（吠え声）
（一同）ええっ!?
（直美）ここに『あらわし』を落とす気？
（克彦）それ以外の何がある！ふざけんなあの野郎！まだ解体終わんないの!?やってる！
（佐久間）１０分を切った！もう任意のコース変更は無理だ。
冷静にまずは退避近所の人達にも大至急知らせて。
どんな被害が出るか分からん行くぞ！
（一同）うわぁ！
（真緒）お家吹っ飛んじゃうの？
（頼彦）吹っ飛ぶぐらいで済めばいいけど。
おばあちゃんどうしよう？これ。
担いで行けばいいでしょ！ええ〜!?母さん通帳！
（翔太）夏希早く！夏希！佐久間管理棟にヤツのログは残ってる？
（佐久間）お…おう任せとけ！まだ何かやる気？任意の変更はできないって。
理一さん『あらわし』はＧＰＳ誘導だって言いましたよね？
（理一）あ…ああ。
昨日のヤツみたいにＧＰＳの原子時計にニセの補正情報を送れば…。
（佐久間）これだ！足跡くっきり！あ…位置情報に誤差が生じて…。
少しでもコースが変わるかも。
でもうまく行く確証はないので先に退避を。
健二君…。
早く！あんた達も！早く！まだ負けてない！
（一同）え？えっとどうなってるんだろう…。
あっこれだ！な…何で？
（佐久間）パスワードが変更された！ヤツが邪魔してるんだ！そ…そんな…。
しゃんとしろ！俺達がついてる！君にしか解けないんだろ？これは！頼む!!はい！頑張れ！はい！
（佐久間）開いた！早い！
（佐久間）締め出された！クソっ！もう一度解きます！
（侘助）佳主馬！ハッ！ヤツの守備力をゼロにした！ヤツを叩け！
（マンスケ）行って来い！師匠！
（佐久間）あと２分！開いた！シシシシ…。
まただ！あ…！あああ…。
あ…暗算…？
（佐久間）あと１分！あああ…。
シシシシ…。
邪魔するな〜〜!!よろしくお願いしま〜す!!
（一同）ああああ…。
ああ…。
あ…。
（衝突音）
（一同）うわ〜っ！
（真悟）あ…。
（ハヤテの鳴き声）あっ！
（祐平）温泉だ！
（真緒）温泉だ！
（真悟）温泉出た〜！
（一同）♪〜ハッピーバースデートゥーユー♪〜ハッピーバースデートゥーユー♪〜ハッピーバースデーディアおばあちゃん♪〜ハッピーバースデートゥーユー
（歓声）お誕生日おめでとう！・おめでとうおばあちゃん！・動いた！キモっ！ありがとうって言ってるのよ。
わぁ〜！あっ父さん…。
（佳主馬の父）よくやった。
見ましたよ侘助さんのニュース名乗り出たんですね。
（通訳）しかし氏はラブマシーンを開発したにすぎません。
ＯＺに解き放った張本人は国防総省です。
今回の事件による死傷者は幸いにも報告されていませんが軍事上の実験に世界中の人々を巻き込んだ責任は重いと言わざるを得ません。
（佐久間）健二に言っといてください当分帰って来んなって。
帰って来なくていいって。
いや帰りますよ。
わわわ…！ホントに結婚しちゃえば〜？まずは付き合ってからでしょどうなの？あんた！
（翔太）好きって言ったらぶっ殺す！夏希が嫌い？嫌いでもぶっ殺す！だ…大好きです！こ…この野郎〜！うれしい…ありがと。
（一同）ヒュ〜！チュ〜しろ！チュ〜しろ！うわっ！
（翔太）や…やめろ！逮捕されてぇのか！あっ…うわ…。
うっ！鼻血が！あっ…！先輩…。
あああ…あぁ〜…。
（子供達）あっ弱え〜！
（一同）ハハハハハ…。
（サッシャ）
来週は…
（朴）
大学生の花はおおかみおとこに恋をした
やがて生まれた２人の子
お楽しみに
2015/07/03(金) 21:00〜22:54
読売テレビ１
金曜ロードＳＨＯＷ！「サマーウォーズ」細田守監督作品３週連続放送 第１弾[解][字][デ]
「バケモノの子」公開記念３週連続ＳＰ第１弾！コンピューター世界から始まる現実世界崩壊の危機に田舎の大家族が立ち向かう！世界が絶賛！「愛」と「絆」の壮大な感動物語
詳細情報
おしらせ
▽「バケモノの子」公開記念３週連続スペシャル！
番組公式サイトには細田守監督のサイン色紙などの豪華プレゼントも！
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番組内容
電気、水道、鉄道などのライフラインから個人情報にいたるまで、すべてをネットワーク上の仮想都市ＯＺ（オズ）で管理できるようになった世界。数学オリンピックへの出場を惜しくも逃した高校生の健二（神木隆之介）は、バイトだけしか予定のない味気ない夏休みをスタートさせようとしていた。そこへ憧れの先輩・夏希（桜庭ななみ）が現れ、彼女の母の実家がある長野県上田市まで一緒に旅行するというバイトをもちかけられる…。
出演者
＜小磯健二＞神木隆之介
＜篠原夏希＞桜庭ななみ
＜池沢佳主馬＞谷村美月
＜陣内由美＞仲里依紗
＜陣内栄＞富司純子
＜陣内侘助＞斎藤歩
＜陣内万助＞永井一郎
＜陣内万作＞中村正
＜陣内頼彦＞田中要次
＜陣内邦彦＞中村橋弥
＜陣内克彦＞板倉光隆
原作・脚本
【脚本】
奥寺佐渡子（「八日目の蝉（旧字体）」「おおかみこどもの雨と雪」）
監督・演出
【監督】
細田守（「バケモノの子」「おおかみこどもの雨と雪」「時をかける少女」）
ジャンル :
映画 – アニメ
映画 – 邦画
映画 – その他
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
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