課外授業 ようこそ先輩「怒りってなんだろう?〜モデル 冨永愛〜」 2015.07.03


今日の舞台は…先輩は…日本人離れしたプロポーション。
個性を武器に世界で活躍するトップモデルです。
(歓声)お〜い!訪れたのは16年ぶりの母校旭中学校。
元気ですか?冨永さんがモデルになったのはここに通っていた中学3年生の時。
授業のテーマは華麗なるモデルの世界の奥義と思いきや…。
怒りについてみんなと考えていきたいと思います。
授業は冨永さんの意外な告白から始まりました。
今日はみんなに見てほしいものがあって持ってきました。
私が…17歳の時一瞬の表情を切り取られた写真。
当時これを見た冨永さんはがく然としたといいます。
そこには見た事もない自分の姿がありました。
これはこういう顔をしてって言われた訳ではなくてただカメラの前に立ってありのままの自分で写ってこういう顔になりました。
古賀さんは?こういう顔ってなかなか見ないよね。
あとは?私がね小さい頃から毎日毎日…これぐらいの時もそうず〜っと感じてた感情は怒りです。
なので怒りについてみんなと考えていきたいと思います。
じゃあ私は何が怒りだったのか。
小さい時に母親と父親が離婚しちゃってずっと母親に育てられたんです。
3歳の時両親が離婚。
厳しい生活が続いたといいます。
家に帰るのもすごい嫌だったの。
何でこんな家に住まなきゃいけないんだ。
どうして私が貧乏しなきゃいけないんだ。
小学生の時に友達がいなかったの。
だからすごい寂しくて学校が終わるとすぐ裏山に行って自分で隠れがを作って一人で遊んでたの。
でなぜか分からないけれどもその時に…男の子のまねをして髪の毛を短くして体育座りとかしてね。
通りすがりの人に「お〜坊や何やってんの?」って男の子に間違われるのがすごくうれしかったの。
それは多分…自分じゃない何かになりたかった。
みんなと同じ…ずっと黙って。
それは何でかっていうと自分の…そのコンプレックスっていうのはこの身長。
当時みんなと同じ中学校2年生の時に私175cmあったの。
大きいでしょ。
それがものすごく嫌でずっと自分を責めちゃうんだよね。
何でこんなに身長が高く生まれたんだって。
みんな好きな子もできて…そういう自分に…コンプレックスっていうのは内面にあるものですよね。
人がどれだけ慰めたとしてもそれは決して消えないんですよ。
私の場合は背が高かったので「板」っていわれたり宇宙人っていわれたりどんどん友達が遠ざかっていったんですよね。
怒りとは何か?それを考えるために今それぞれが何かに向けて抱えている怒りの感情を思い思いの言葉にしてもらいます。
心の底にある自分でも気が付かない感情怒り。
うわっ!すごい!学校の中に急きょ生まれた本格的な撮影スタジオ。
こっちまで来ていいよ。
ここまで。
近くに来ていいよ。
今日は私が得意とする分野なんですけれどもこの写真撮影という場で自分の感情を表に出すという体験をみんなにしてもらおうと思います。
見るんじゃなくて撮る?撮るの!写真を撮られるプロ冨永さんがまずお手本を見せます。
(歓声)表情一つでさまざまな感情を表現し伝えるモデルという仕事の深さに触れた生徒たち。
やってみたい人?やりたい!辻郷さんいってみよう。
どうすればいいの?いいよいいよ。
そのまんま。
楽しい楽しい。
もっともっと。
わあ〜!渡辺君いってみよう。
ここにもう向かって。
そうだそうだ。
いいよいいよ。
もっとこいもっとこい。
叫ぶとね「おら〜!」って言うと結構いい。
出てくる。
(叫び声)生徒たちは感情を表に出す事に戸惑いがあります。
本気のぶつかり合いっていうのはやっぱり…それが人との関わり合いであってそれが私は一番大事な事だと思っています。
塚本さんは部活に対しての自分の怒りがあったね。
怒りました。
ミスをしてしまう自分。
できない自分。
私が中学校の時にみんなと同い年ぐらいの時にこのできない自分っていうのがものすごいあったんですよ。
中学校2年生の時に本当に本当に…それこそ死にたいぐらい悩んでずっと落ち込んでた時に私の姉ちゃんが「あんたさ背大きいんだからモデルやってみたら?」って言う訳。
「モデル?」。
とりあえず姉ちゃんと一緒にコンビニに行って雑誌を見てこういう仕事なんだって思いながら見てたらちょうどオーディションがあったの。
読者モデルになるオーディションが。
でこれに懸けてみようかなって。
自分が…自分が嫌で嫌でしょうがなかったの。
嫌い。
自分が嫌い。
何でじゃあモデルに懸けてみようって思えたか。
悔しかったの。
ものすごい悔しかったの。
何で人から背が高いって言われなきゃいけないの。
何で自分には得意なものがないんだ。
できない自分がいるんだ。
何でミスしちゃうんだ。
悔しい!自分だって…自分だってできないって悲しいけどでも自分はやっぱりできる自分であってほしい。
得意なものがほしい。
だから姉ちゃんにモデルという仕事を教えてもらってじゃあモデルに懸けてみよう。
やってみよう悔しいから。
そう思えた。
中学2年生の時冨永さんは人生初のモデルオーディションに挑みます。
「得意なものは何ですか?」って聞かれたの。
なかった。
「ないです」。
「でも悔しい気持ちは人一倍あります」。
…って言ってみた。
そしたら多分ものすごいその話が引っ掛かったんだと思うしそれで晴れてモデルになれた。
怒りが自分を変えたという冨永さん。
みんなは怒りについてどう考えているのでしょう?得意がないから得意が欲しいっていう…。
生まれてきて生きてるのにそれだけでも普通のはずなのに何か嫌だし…。
ぜいたくか。
こういう意見もあるのかもしれない。
でも得意なものが欲しいできない自分が嫌だミスをしてしまう自分が嫌だっていうのはすごく素直な正直な感情だと思うの私は。
怒り。
みんなはどう思う?こういう思いある人?自分もそういうふうに思う事ある?じゃあ小野寺さん。
ちょっと立ってもらっていい?これをやって下さいって言われても自分では頑張ってるんだけど人から見られると何かできてないらしくて怒られる。
自分頑張ってるのに。
どういう気持ちになる?自分は頑張ってるのになって。
頑張ってるのに評価されない。
そうだね…。
自分の意識と周囲からの視線とのズレ。
冨永さんもかつてもがいていました。
17歳コンプレックスを武器に変えて世界を目指した冨永さん。
ニューヨークで待っていたのはしれつなオーディションでした。
大切な一生懸命頑張った自分の写真を持って行きます。
そしたらさ…審査員の人はこう。
デザイナーとかこういう感じ。
「Bye」。
5秒ぐらいなんですよ。
それだけ。
そんな事がしょっちゅうあった。
これは受かってないって事なの。
もう興味ない。
さようなら。
何の言葉もない。
一つのブランドのショーに出れるモデルは多くて40人だよね。
世界中からモデルたちが集まってくるの。
500人1,000人。
その中の40人になるには…どうしたらいいんだろうってものすごい考えた。
考え抜いた冨永さん。
アジアの人は黒い服しか似合わないと言われる中あえて派手な色の服を身にまといオーディションに臨みます。
そしてトップモデルのような堂々とした態度をとる事で存在感をアピールしていったのです。
何の実績もないでしょ。
17歳ですから。
初めてのニューヨークですし。
それでも…今までずっと。
怒りを燃え立たせてチャンスをつかんでいったのです。
怒りがあったからそれが悔しさになってその悔しさが負けたくない…負けたくないっていう気持ちになった。
負けたくないって思ったらどうすればいい?負けたくないって思ったら必死にいろんな事やって負けないような努力をいっぱいする。
ありがとう。
負けたくないって思ったら努力する。
頑張る。
負けたくない。
これはエネルギーだね。
怒りがエネルギーになるっていう事かな。
じゃあほかにちょっとこう思ったって人いる?大日方君。
集中する。
サッカーやってるよね。
蹴る時に…怒りをボールに込める。
そうすると怒りがエネルギーになってものすごいボールが蹴れるかもしれない。
10代の頃の…授業を終えた冨永さん。
一人一人に写真をプレゼントします。
生徒たちが怒りについて考えてきたその瞬間を切り取った写真です。
みんながいつも自分で鏡で見る顔とは全然違うはず。
見た事ない顔かもしれないもしかしたら。
こんな顔してたんだって思うかもしれない。
でもそれは私のこの17歳の時の写真みたいにこれも自分なんだなって。
こういう怒り持ってるんだなこういう真剣な顔をするんだなと。
この真剣なみんなの顔をこのみんなの怒りを大事にしてほしいって思います。
(拍手)知らない自分を発見する瞬間。
初めて出会う自分に思い思いの言葉を添えました。
「怒りをプラスに変える」。
「怒りに負けず生きていく」。
「怒りって考えてみると難しいな」。
「怒ってもいいんじゃない」!これいいね!俺これ好きだな。
心の底に眠る感情に向き合えば何かが変わる。
一枚の写真がその不思議を教えてくれた2日間。
怒りがエネルギーになるっていうのはすごい発見…すごい知れてよかったなって思いました。
無駄にイライラしてたりしたんでもっと価値のある怒りをしたいなって。
怒りについて考えて改めて自分はいろいろな事を考えてるんだなって思いました。
(ノックアウトくん)高橋さん!
(高橋)はい。
2015/07/03(金) 19:25〜19:50
NHKEテレ1大阪
課外授業 ようこそ先輩「怒りってなんだろう?〜モデル 冨永愛〜」[解][字]

世界を舞台に活躍するモデルの冨永愛。世界が認める存在になれたのは、「怒り」のエネルギーだった。生徒たちも自分のなかの怒りを見つめ、怒りとは何かを考える。

詳細情報
番組内容
世界を舞台に活躍するモデルの冨永愛。世界が認める存在になれたのは、実は「怒り」のエネルギーだった。幼い頃から、両親が離婚した境遇や人並み外れて背の高いことへの怒りがあった。モデルになってからはアジア人への偏見に対する怒りが生まれた。ある日、冨永の怒りは負けてたまるかという意識に変化した。怒りのエネルギーを生きる力に変えたのだ。子どもたちも自分のなかの怒りを見つめ、怒りとは何かを考えていく。
出演者
【出演】モデル…冨永愛,【語り】加賀美幸子

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – その他
趣味/教育 – その他
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
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日本語(解説)
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