NHK高校講座 地理「飽食と飢餓の世界地理」 2015.07.03


こんにちは中田敦彦です。
田中日奈子です。
さあ今日も地理をしっかり学んでいきたいと思います。
日奈ちゃん早速ですがこれは何を表した地図だと思いますか?カラフルに分かれてるんで気温の変化とか。
発想はいいんですけれどもただこれは気温ではありません。
これはなんとですねハンガーマップっていうんですよ。
ハンガーマップですか。
国ごとの栄養不足の割合。
つまり食料がなくて苦しんでいる飢餓状況を表してる地図なんです。
じゃあこの真っ赤な所は何なんですか?赤は人口の35%以上が栄養不足の国。
そして濃いオレンジは25%以上。
薄いオレンジは15%以上それが栄養不足の国を表していると。
栄養不足の国ってかなりあると思いませんか?そうですね。
アフリカとか特にひどいですよね。
こちらの数字を見て下さい。
世界では8億4,200万人の人が飢餓に苦しんでいます。
特に発展途上国では年間600万人以上の子供たちが飢餓が原因で5歳未満のうちに亡くなっています。
近年大きな被害が出ているのがここアフリカ大陸のソマリアです。
えっ白くないですか?白いですね。
これは戦争などでですねデータ不足とされてる所です。
そうなんですか。
もしかすると赤い国よりひどい事になってるかもしれないです。
それがどんな状況に直面してるのか見てみましょう。
飢餓に陥る原因は国によってさまざまです。
ソマリアは内戦が激化し1991年に大統領が追放されると無政府状態に突入。
僅かな食料は武装勢力に奪われ干ばつの影響もあって飢餓が拡大。
人々は難民となり隣の国へ脱出するようになりました。
国連や赤十字が食料援助を行っていますが武装勢力はそれをも略奪。
人間同士の争いが飢餓を生んでいます。
そしてこちらサハラの南にあるサヘルと呼ばれる地域。
砂漠気候とステップ気候の境目に広がる半乾燥地域です。
このような半乾燥地域はもともと降水量が少なく砂漠化が進んでいます。
大地は干上がり毎年のように作物は干ばつの被害に遭っています。
ようやく作物が収穫できた年でも今度は数十億匹の…全ての植物を食べつくしてしまうのです。
こうして繰り返されるサヘルの飢餓。
5歳未満の子供の死亡率で上位の国の多くはサヘルとその近隣の国々なのです。
農業が盛んな国でも飢餓に陥るケースがあります。
ガーナではもともと食料は自給自足で賄っていました。
ところが19世紀にイギリスの植民地経営が始まるとチョコレートの原料のカカオ栽培に集中。
独立後の今も多くの農家がカカオを作っています。
こうした国外向けの1種類の作物だけを作っていくやり方を…その欠点は作物の価格が国際市場によって突然変動してしまう事にあります。
内戦や干ばつモノカルチャー経済などさまざまな原因で飢餓は発生し子供たちが犠牲となっていきます。
その割合は…日奈ちゃんどうでした?あの映像は衝撃的でしたね。
発展途上国の事はまだまだ知らない部分がありそうですね。
そうですね。
ちょっと先生に聞いてみましょう。
矢ケ崎典隆先生です。
よろしくお願い致します。
よろしくお願いします。
(矢ケ崎)よろしくお願いします。
今食料不足とか飢餓という話が出ました。
ひと言で言っても実際には背景がいろいろあるっていう事が分かりましたね。
ソマリアの場合ここですけども。
内戦があって戦争があると食料ができませんよね。
あと気候的な理由。
この辺りがサハラ砂漠その南の所がサヘルと呼ばれていますけどもここではですね干ばつの影響が非常に大きいんですね。
それからガーナ。
ここですけども。
ガーナの場合にはモノカルチャー経済。
そういう経済の仕組みがですね食料不足の大きな飢餓の原因になってるという訳なんです。
助けてあげたいですよね。
そうですよね。
なんとかしたいですけれどもでもどうしたらいいですかね?先進国に暮らす我々ができる事っていうのは非常にたくさんあると思いますね。
例えばネリカ米ってのがあります。
ネリカ米?これは病気とか乾燥に強いアフリカの米があったんですね。
もともと。
それとですね収穫量の多いアジアの米をですね交配して作られた新しいタイプの稲米なんですね。
強くて収穫量も多いというアフリカに適したお米ですね。
そうですね。
このネリカ米を作るのに日本が随分と援助をしてきました。
(田中中田)へぇ〜。
経済的な援助しましたしそれから技術者を派遣をして農業指導を行っています。
ですからこのネリカ米がですねアフリカの人々の飢餓を救う救世主になるんじゃないかと期待されているんですね。
そういうその土地に合った技術を指導する事が大事なんですね。
でもそのネリカ米で一安心ですね。
ただですね一つ付け加えておく事が必要なんです。
先ほどですね…そういうお話がありましたけどもその一方でですね世界には約2倍の16億人がですね太り過ぎているんだとそんな事実もあるんです。
倍の人間が太ってる?そうなんです。
じゃあ太り過ぎの人はダイエットをしてその分食べないでアフリカの人たちに分けてあげれば一石二鳥なんじゃないですか。
なるほどね。
食べ過ぎてる訳だからその分を足りない人に…。
どうでしょう?なかなかそう簡単にはいかない訳なんですね。
名案だと思ったよね。
あれ〜駄目だったんですか?私たちの主食となる穀物。
そのほとんどが…こんなにも穀物があるのになぜ食料不足が起こるのでしょうか?実は23億トンの穀物の中で人間の食用になるのは46%にすぎません。
残りのうち34%およそ8億トンは家畜の餌飼料になるのです。
現代の畜産では脂の多い軟らかい肉を作るために大量の穀物を飼料として与えます。
つまり世界の穀物の多くが先進国に住む私たちの食べる肉や卵のために使われているのです。
三大穀物の中で最も生産量が多いトウモロコシ。
その用途は飼料だけではありません。
この無色透明の液体実はバイオエタノールという車の燃料。
これもトウモロコシから出来ているのです。
1/4はアメリカから輸入しています。
つまり私たちが食べる豚や牛はほとんどがアメリカのトウモロコシで育っている事になるのです。
先進国の食生活などが変わらない限り飢餓で苦しむ子供たちのもとへ十分な穀物はなかなか届かないのです。
バイオエタノールってあったじゃないですか。
あれって環境にはいいって聞いたんですけどそれがこっちの方に回ってこないっていうのを考えるといいのか悪いのかちょっと不思議に思いました。
そうだね。
つまり穀物はいっぱいあるんだけれど人間が食べるために全てが使われてる訳じゃないと。
燃料になったり僕らが食べてる肉になってたりするから。
でもそんなに使ってるんですね。
もう一つの地図を見て頂きます。
えい。
お〜。
今度のこの世界地図ですが穀物自給率というのを表してるんですね。
それぞれの国でどれくらい自給できてるのかという事を国ごとに表したものなんです。
自給の度合いですか。
という事は今度は赤は飢餓ではないという事ですよね。
そうですね。
赤とかオレンジはですね穀物を自分の国で消費する以上に生産できる国なんです。
そして輸出をしている国もたくさんあるんですね。
一方ですね黄色い国はですね輸入しないと国内の消費が賄えない国なんです。
青い国になりますともっと自分の国で生産できないとそういう国なんですね。
アフリカは田中さんどうですか?ほとんど足りないですよね。
今ですね…先生日本も真っ青ですよ。
って事は自給50%未満という事ですか?そうです。
穀物だけではないんですね。
日本の食料自給率っていうのはありましてこれをカロリーで計算すると39%でしかないんです。
少ない。
少ない。
これはですね先進国の中でも断トツに低いんですね。
日本は世界一の食料輸入国になっていると。
しかもわざわざ世界の国々から食料を輸入しているんですがかなり重要な大事な食料を無駄に使っている無駄づかいしてるとそういう問題もあるんですね。
ですから高校生の皆さんも是非この食料について考えて頂きたいなというふうに思います。
はい日本は問題が山積みという事ですね。
どうもありがとうございました。
ありがとうございました。
さあ日奈ちゃん日本人の食料の無駄づかいって何だと思いますか?えっと例えば…あと何か安いからいっぱい買っちゃえみたいな…いっぱい買ったものの…のパターン。
野菜とか特に。
なるほど。
ではそんな食料の無駄づかいをどうやったら減らせるのかVTRで見てみましょう。
日本では年間1,700万トンの食料が廃棄されています。
その中にはまだ食べられるのに捨てられてしまう食料が…これを…食品ロス削減のため自治体や企業は生産者から消費者に渡るまでの流通過程のロスを減らそうと動き始めています。
例えばフードバンクもその一つ。
使える分だけどんどん取って下さい。
フードバンクとは品質には問題がないのに包装の不備などで販売できなくなってしまった食料品を引き取って福祉施設などへ無料で提供するシステムの事です。
ほかにも食品ロスを減らす取り組みがあります。
そこで!トリプルGが…食品ロスを減らして食べ物を大事にしよう。
ここ三重県鳥羽市にはユニークなやり方でそれに取り組んでいる旅館があるんです。
こちらです。
(田中)
180年以上の歴史があるこちらの旅館
2000年から始まったのが畳張りの大広間で頂く和食中心のバイキング。
旬の味覚や郷土料理など50種類が食べ放題。
これならどの年代の方にも喜んでもらえますよね
でもどうしても出ちゃうのが…
あの私思ったんですけどこんなに食べ残しあったらもったいなくないですか?
(宍倉)しかたがないんですね。
ただ…
半分も減らしたのにそれでも一日150kgも生ごみが出る時も。
そこでこの旅館では食べ残しの活用法を編み出したんです。
容器に入れて…
絶対臭くなっちゃってませんか?じゃあ開けてみましょうか。
え〜やだな。
いきますよ。
はい。
うわっ。
あれ?えっ思ったよりそんな臭いしないですね。
機械の中に専用の菌が入ってまして。
(田中)菌ですか?はい。
発酵させて熟成させてこういう堆肥になります。
堆肥になるんですか?
食べ残しにひと手間かけて立派な堆肥が出来ました
(田中)おはようございます。
この堆肥を旅館では近隣の契約農家で使ってもらっています
(小林)こんな感じで。
大きく成長した野菜がいっぱい。
味の方も以前よりずっとよくなったんだそうです
ニンジンなんかでも本当にどうしてあんなに甘いの出来るのって言われるぐらい。
こうして出来たおいしい野菜を今度は旅館側が仕入れてお客さんに提供しています。
これは無駄がないですね
それだけではありません。
ちゅう房で大量に出る調理くずこれも何かに利用できないかと研究して魚の養殖に活用する事にしました
調理くずを原料にした餌をまくと数千匹のマダイが…。
もちろんこれも旅館の料理で提供しています
食品ロスを減らしながらおいしい食材を作り環境にも配慮するそんな旅館の取り組みでした
どうでしたか?そうですね。
リサイクルは僕らも少しは考えますけどやっぱりなかなか結果まで見えてこないですよね。
あの旅館はちゃんと結果を見える形にして地域の活性化までつなげてるのがすごいなと思いました。
日奈ちゃん今回はかなり勉強になったんじゃないですか?すっごいなりました。
じゃあ最後にもう一つこれをプレゼントしよう。
うわっお花。
…とこちらです。
何ですか?これ。
チョコレート。
チョコレートです。
これは何かと言いますとですね…世界の飢餓の子供たちを思い出した時はこういうのを買ってもいいよね。
そうですね。
では次回も世界中のあんな事…。
こんな事…。
(2人)いっぱい知っちゃおう!飢餓の原因はさまざまです。
解決するためにはそれぞれの問題に先進国が中心となって取り組む事が必要です。
世界中の人々が1年に食べる量の2倍に当たります。
しかしその全てが食料に使われる訳ではないのです。
食料の足りない国と無駄づかいしている国。
日本は世界一の食料輸入国です。
だから…2015/07/03(金) 14:40〜15:00
NHKEテレ1大阪
NHK高校講座 地理「飽食と飢餓の世界地理」[字]

人・モノ・情報が地球規模で行き交う現代。国や地域を越え、多様な社会や文化を理解し合うことが不可欠。“世界の今”を読み解く「地理」は、未来を切り開く力となる。

詳細情報
番組内容
今、世界では約8億4200万人が飢餓に苦しんでいる。そして、飢餓に陥る原因は、国や地域によってさまざまである。今回は、地理的視点で飽食と飢餓の現状と問題解決の糸口を探る! 「飽食と飢餓の世界地理〜さまざまな食料問題〜」 (1)発展途上国の食料問題 (2)食料の生産・消費の地域的なかたより (3)日本の食料問題
出演者
【講師】日本大学教授…矢ケ崎典隆,【出演】中田敦彦,田中日奈子,【語り】安元洋貴

ジャンル :
趣味/教育 – 中学生・高校生
バラエティ – その他
趣味/教育 – 大学生・受験

映像 : 480i(525i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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